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入管法、どうか再考してほしい

 今日までこの問題に目を向けてこなかったことを、僕は重く受け止めなければいけないだろう。国際寮に住み、「外国人」のことを知る僕は、伝えるべきことがあるんじゃないかと思い、書いています。

 思い返せば、この問題とも大きく関わる「難民」の問題に関して、僕は以前大学で学びました。NPO法人難民支援協会の代表理事である、石川えりさんにお話を伺ったんです。その時のことも思い出しながら、話していきたいと思います。

 そもそも難民とは、紛争や人権侵害から命を守るために、母国を離れ逃れてきた人を指します。そして、昔に比べ一見平和になったと思われる世の中ですが、全世界で見た時に、難民の数は増加の一途を辿っているんです。つまり、地域紛争や迫害、人権侵害といった状況は深刻化しているということ。

 そうした状況を踏まえて、この問題解決に必要な3点に関して、石川さんは話されていました。1難民を生み出す紛争の根を立つこと 2国内に残っている人や周辺国に逃れた人を支援すること 3平和で安全な国が受け入れること

 3つ目の、平和で安全な国に当たるのが日本です

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 しかし、日本の現状はそうなっていません。申請数は増加しているにもかかわらず、認定数はこの写真でも見えないくらいに、少ないんです。

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 諸外国と比較しても、この数字です。命からがら逃げてきた人のうち、助けてあげた人は0.4%ということです。

他にも原因はありますが、一つには、「外国人という人たちは、何かやらかすのではないか」という、日本人や、難民認定する検査官、日本政府の意識。これは外国人差別だと思うのです。僕も以前、外国の方にあったり、道で話しかけられたりした際、警戒してしまうことがありました。そんなイメージを変えてくれたのも、国際寮にいる仲間たちです。

 彼らは何も僕たちと変わりません。同じようにジョークをいい、音楽を聴き、家族の話もしながら、恋愛話もする。一緒に料理を作ったり、一生懸命日本語を勉強したり。日本語をノートに書いて、必死になって勉強している仲間が僕の周りにはいるんです。「外国人だから、何かやらかすのではないか」そんなことは絶対にない、と言いたい。

 それにもう一つ、「日本にもたくさんの問題があるのに、なぜ外国人にまで支援しなきゃいけないの」という話に関して。少し立ち止まって、考えてみて欲しいんです。自国が紛争で、自分の命よりも大切な娘や息子を守りたくて、日本に逃げてきた家族。「助けてください」と、異国の地から必死になって逃げてきた人たちのことを。その人たちにも、僕たち日本人と同じように、大切な人がいて、友人がいて、好きな音楽も、好きな食べ物もある人たち。僕らと同じようにこの地球で、毎日を生きている、幸せになりたくて、毎日を生きている人たち。そこに、「日本人」も、「外国人」もあるでしょうか。困っている人がいたら、自分にできることがあれば手を差し伸べるのが、人間なんじゃないでしょうか。

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 最後のメッセージです。

 これは3.11東日本大震災の時の写真です。ここに写っているのは、日本に住む難民の方です。なぜ彼にボランティアに参加したいのか聞くと、「自分は日本社会の一員。自分の社会が大変な時に助けるのは当然」と答えたそうです。「早く俺たちを被災地に送れ」と。

 いろんな意見の方がいると思います。その中には、「外国人を入れたら治安が悪くなる」「犯罪を犯すかもしれない」などの。

 確かに、諸外国や国内でも、外国人や難民の方がそうした事件に関わった例はあります。しかし、それは日本人でも同じことです。毎日、数えきれない犯罪や事件が、ニュースでは報道されなくても、日本では起きているんです。日本のそうした事実には目をつぶり、「外国人は何かしでかすから」という理由で、今回の入管法を通すのは、本当に安全な国を求めている人がやることではないと思います。

そして法案可決に反対している人たちの主張は、何も適当に入国者を入れろ、好き勝手にさせようというものではありません。とにかく長期収容を解消するために、拒否したら罰を与え、強制的に帰国させるという、非人道的な改悪案に反対しているのです。今まで僕たちの見えないところで、多くの犠牲者が出てきた問題に光をあて、母国から命からがら逃げてきた、本当に助けるべき人に手を差し伸べる法律にしよう、そのために芸能人や大学教授、弁護士といった多くの人たちが動いているのです。

 詳しく知りたい方は、以下のチャンネルで、社会問題を発信するせやろがいおじさんと、淳さんがわかりやすく解説してくれているので、ぜひみてみてください。

 僕なんかがこんな記事を書いて何になるんだ、最初は正直そう思いました。でも、声をあげ、当事者でないはずの人たちが立ち上がっている姿を見て、自分にできるやり方で何かしようと思いました。僕の影響力なんて微々たるものだけど、一人でも多くの人が、この問題に関心を持ってくれたら嬉しいです。

 僕自身も、この問題がどうなるか、注目していきたいと思います。

#入管法改悪反対 #入管法強行採決反対#せやろがいおじさん#難民


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