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楽器奏者が理解していると演奏負担が減る肩関節・肩甲骨の知識【scapular plane】
フルートやトランペット、ホルン、バイオリンなど、空中に楽器を構えて演奏する際に楽器を支える腕の力が必要になります。
腕の力を発揮するためには、基盤となる肩甲骨の安定性と肩甲骨と腕(上腕)をつなげる肩関節の角度が大切なことはご存知でしょうか?
肩こりや肩・腕の痛み、指の動きにくさなどに悩む方の多くが、肩甲骨が不安定で肩関節の角度が一定の範囲から外れています。
その中でも、肩甲骨と肩関節の関係性を理解する上で大切な人間のメカニズムであるscapular planeというものがあります。
scapular planeを理解することで、演奏中に肩や肘、手首、指などに負担を感じる方は負担の原因に気づくきっかけになり、音楽教室の先生は、生徒の演奏中の指の力みの原因や自分が経験したことの無い肩や指の痛みや動きにくさを解決するヒントになります!
肩甲骨の安定性
scapular planeを知る前に、肩甲骨の安定性について知っておく必要があります。
肩甲骨は、背中側で肋骨上を浮くように存在しており、鎖骨を介して胸郭とつながっています。
肋骨上を滑るように可動し、以下のような運動を起こします。
![](https://assets.st-note.com/img/1667875571876-jpTWTxahyn.jpg?width=1200)
そのため、肩甲骨は、肋骨上を筋肉で支えているような状態であり、それらの筋肉がバランス良く働くことで姿勢を維持しています。
肩甲骨につき、動かす筋肉たちをいくつか挙げると
肩甲骨を上に持ち上げる(挙上):僧帽筋上部、肩甲挙筋、大菱形筋、小菱形筋
肩甲骨を下に下げる(下制):僧帽筋下部、鎖骨下筋、小胸筋
肩甲骨を外に広げる(外転):前鋸筋、小胸筋
肩甲骨を寄せる(内転):大菱形筋、小菱形筋、僧帽筋中部、下部
肩甲骨を上方向へ回旋(上方回旋):前鋸筋、僧帽筋各部
肩甲骨を下方向へ回旋(下方回旋):肩甲挙筋、大・小菱形筋、小胸筋、三角筋中部線維
となります。筋肉の位置関係については以下のイラストのような感じです。
![](https://assets.st-note.com/img/1667875498171-80kXYldvg2.jpg?width=1200)
![](https://assets.st-note.com/img/1667875477518-UlvmYb2zMr.jpg?width=1200)
![](https://assets.st-note.com/img/1667875738712-5JGmh3YPyT.jpg?width=1200)
背中側と胸側にある筋肉がバランスよく働くことで肩甲骨を安定させながら動かしています。
そのため、どれかの筋肉が硬くなってしまったり、どれかの筋肉の筋力が弱くなってしまうとどうなるか。
バランスが崩れて正しく肩甲骨を動かせなくなってしまうことにつながります。これが楽器演奏中の猫背や巻き肩であったり、五十肩のような肩の痛みにつながっていきます。
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