あやこの時間帯 #03

土の感触、草いきれ、遠足は登山だったんです。木かげにそよぐ、ナップザックのこすれる音。首にまいたタオルは汗をふくんで、あやこ、もくもくと登りつづけたんです。あやこ、体力ないし、自然の空気なじめないし、先生にことわっておいたのに、めまい、おさえられなくなって、気がつくと、みんな、あやこの耳元で、足音たてて、行進していくんです。土くれに顔おしつけたまま、あやこ、犬みたいに、おしり突きだしてるんです。だれか、ほかのクラスの男子が、わらいながら蹴とばすと、あやこのジーンズの股間、見るまに赤く染まっていったんですって。あとで、おんなの先生に見せてもらったんです。

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