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【デュエプレ】二年間箸にも棒にも掛からなかったオッサンが最終100位を目指した話

 2021年大晦日夜11時頃————
 大泉洋がミサトさんから『エバーに乗りなさい、大泉』と宣告されるという史上最も面白そうな寸劇がテレビの中で繰り広げられていることなど露知らず、私は片時も離れずデュエプレにログインし、10秒ごとにNDのランキングを更新しては100位ボーダーの数値を確認し続けていた。
 この日、つまりは12月度ランクマッチ(DEATHドラゲリオンカップ)最終日の夕方に71位まで順位を上げることができており、もしかしたらもう潜らずに最終100位に残ることができるのではないか…?という淡い期待を込めて。

 しかし、古今東西のあらゆる競技において、勝利の女神は必死に手を伸ばした者にしか微笑まないのである。
 他のプレイヤーの追い上げによって100位ボーダーはどんどん伸びていき、締め切り=24時まで残り45分ほどとなったところで、ついに自分の順位は95位まで落ちた。
 もう一戦勝たなければ最終100位には残れない。
 
そう覚悟を決めた私は、ランクマッチの対戦開始ボタンを押下した。
 夕方に潜ったとき、おそらくは通信の混雑の影響だろう、若干アプリの挙動が怪しかったことが一抹の不安要素としてあったが、幸いにも挙動は平常通り軽く、あとは自分のプレイを信じるのみとなった。
 自分は【リースアポロ】、相手は【青ガントラ】という対面であった。

使用していた【リースアポロ】

 この【リースアポロ】というデッキは、トリガーの質が高いおかげで殴ってくるデッキ相手には滅法強い。さらに後攻を引いたりデッキの回転が相手より出遅れたりした時でも、トリガーで耐えて<アポロ>でカウンターするという太い勝ち筋がある。
 この対戦でも後攻を引いてしまったが、私はまったく落胆していなかった。相手の<ガルベリアス・ドラゴン>がSA2打点で飛んでくることを常に念頭に置きリーサル打点計算さえ間違わずに、普段通りプレイすれば大丈夫だと。
  後から考えると、ここまで登ってこれた分で、今年分の運はとっくの昔に使い果たしてしまっていたのだと思う。向こうは2ターン目<フェアリー・ライフ>→3ターン目<運命の選択>から<ガントラ>をSAで射出する理想の動きをする中、こちらは<コッコ・ルピア>が引けておらず、4ターン目<センチネル・ドラゴン>から遅めのスタートを切る展開となった。
 頼みのトリガーもほぼ無効な場面で<ホーリー・スパーク>が発動したくらいで、結局<アポロ>着地まであと2ターンはかかりそうな手札・盤面状況でリーサル打点を組まれ、相手視点余力を残して敗北することとなった。
 途端に視界が暗転しそうになるが、この時点で時刻は23:20頃。諦めるにはまだ早い。自分を奮い立たせてその後もランクマッチに潜り続けその結果―——

 残り時間でランキング復帰することは不可能な順位まで転がり落ちた。

 「…………。」(10分ほど放心)

 日付が変わったころ、すなわち2021年が終わり2022年がぬるっと始まった頃にようやく心身の再起動が完了し、なにはともあれ総括はしとかないといかんなあと義務感に駆られ、ツイートを投稿する。

 第三者視点から見るとこのツイート、いわゆるところの「負け犬の遠吠え」的サムシングの匂いが漂っているが、投稿した本人の心の中は噓偽りなく晴れやかなものであった。

 「本気でデュエプレやると滅茶苦茶楽しい!!!!」

 真剣にデュエプレに取り組んだこの1か月のことを思い返し、そう世界に向けて叫びたい気持ちが溢れていた。

 そう、この記事は―――

 
  決して

   無名の弱小デュエプレイヤーが全国に名を轟かすような

    そんな奇跡の物語じゃない

     挫折と再生

      そして、そして

偉大なる 敗戦への軌跡



 ――――である。


 ……ということで(編集点)、本記事は私が2021年11月下旬~12月末の約1か月間デュエプレを頑張ったことを振り返っていくという内容の日記です。
 記事タイトルに「箸にも棒にも掛からなかった」と書いたとおり、私はデュエプレをほぼサービス開始からプレイしていましたが毎月マスターランクに到達するのが精いっぱいで、最終100位など天仙の住まう崑崙山の如く思っていました。それが曲がりなりにも「あと1勝で最終100位に残れる」位置にまで到達できたのは、もちろん魔法の特効薬などがあったわけではなく、時間を初めとするリソースを一か月間デュエプレに注ぎ込んだからです。
 本記事が、「上位プレイヤーと自分の間には見えなくて大きな壁があるはず」と思い込んで、自分で無意識のブレーキをかけてしまっている方の踏み台の役割となれば至上の幸いです。

 それでは、時系列を戻して2021年11月末からスタート~。

0.やる気を出したきっかけ

  2021年グランドマスター決定戦を見て、です。これまでバトルアリーナは毎回配信を視聴してきましたが、その優勝者で争い年間チャンピオンを決めるこの番組は趣向が少し変わっており、プレイヤーそれぞれのパーソナリティを掘り下げる紹介パートに結構な尺を割かれていました。
 私は最初は年齢的に近いたかし屋さんを応援しようと思っていたのですが、この紹介パートを見て気が変わり、誰が優勝しても100%の気持ちで祝福しようと思いました。
 もしかしたらまだ配信アーカイブを見ていない方がいるかもしれないので結果についてはここでは触れません。是非自分の目で確かめてください。

 兎にも角にもこの配信内で繰り広げられた熱いバトルに感化され、デュエプレをプレイし続けて私の中で約2年くすぶり続けていた「強くなりたい」という気持ちにようやく火が点いたのでした。

1.Twitterアカウント開設(分離)

 Twitterのアカウント自体は以前から持っていましたが、対象を限定しない総合アカウントでデュエプレの話題を出すことに若干抵抗を感じていたので、デュエプレ専用のアカウントを開設しました。
 この感覚が一般に通じるかはわかりませんが、例えばアニメであればどんなファンタジー寄りの作品であろうと紛れもなく「現実」という下敷きの上に成り立っているものですが、デュエプレおよびその他カードゲーム一般は「別の現実」だと私は認識しています。
 この自己分析が合っていたのかは不明ですが、ともかくアカウントを分離した成果として、自分の考えをコンスタントにアウトプットすることを通して以前より格段にこのゲームに対しての解像度が上がったと感じました。
 また、以前より他のプレイヤーの呟きを見る回数が増えたことで気づいた大事なこととしては、「何度も最終100位に残っているような上位プレイヤーでも、シーズン中ずっと好調なわけではなく、レートが一旦谷底に落ちている時期もある」ということです(そして月の最終週にはそんなことは微塵も感じさせないほど完全に”仕上がっている")。ちょっとレートが溶けただけで数日間ランクマッチから逃げていたことも多々ある自分とはここが違うのだな、と腑に落ちました。

2.ささバトルアリーナ

一次予選

 Twitterアカウントを開設したその日に丁度タイミングよく、ささぼー氏主催の大会が近々開催され、その出場者を募集しているという旨の告知ツイートを見かけました。これは出るっきゃねえ!と意気込んでエントリーした後、頭を抱えることになります。
 「持っていくデッキがねえ……
 時は11弾実装直後で環境がなにも固まっておらず、twitterで公開されている限りでは結論に近いデッキリストもあまり出回っていなかったのです。一応、個人的には新弾実装後から赤緑速攻を研究していたためこれの延長線上で持ち込むに足るデッキを作れないかと思い、短い期間ながら試行錯誤して完成したのが先月noteで公開した【ドリームメイト軸赤緑速攻】でした。

 この日の予選はスイスドローで3敗したらドロップするシステムでした。結果としては、初戦で【デイガナイト】と当たってカタチが変わるほどボコボコにされる散々なスタートを切るも、その後マッチ運にも恵まれて無事一次予選を突破することができました。

 公式大会のほうのバトルアリーナでは予選スイスドローを突破できたことが一度もなかったので、この結果は飛び上がるほど嬉しかったです(ツイートでは照れ隠しが入っていますが……)。

二次予選

 大会ルールでは一次予選・二次予選・決勝でそれぞれデッキ変更可でしたが、ランクマッチで速攻の通りの良さを感じていたこともあり、引き続き【赤緑速攻】でエントリー。【青白メカオー】使いの強い人と当たる確率が一次予選よりも高いだろうと考えて<ファルゲン>を3枚<デュアル・スティンガー>に差し替えて臨みました。
 1戦目の相手は【赤青剣誠】でした。向こう側に採用されているトリガーの種類・枚数に大きく依存するので一概に言えませんが、基本的にはキルターンの短いこちら側が有利対面です。さらに一次予選の最終戦で同デッキタイプに勝った経験もまざまざと記憶に焼き付いており、心情的にも「今日いけるぞ!!」という気持ちが入りました。
 しかしこの前向きな気持ちがこの日に限っては逆効果でした。盾に行かずに盤面処理に回った方がいい状況なのが見えておらず逸って盾を割ってしまい、トリガーから<パーフィン>が出る→返しのターンで<剣誠>がG0で着地しリーサル打点を形成してカウンター、という負け筋を自分から踏んでしまったのです。

  ここで「盾に行く」という間違った判断をしてしまった理由の一つとして、(デッキ公開制ゆえ)相手のデッキに<ホーリー・スパーク>が入っていることを知っていたので、ラス盾<スパーク>の負け筋が脳裏をよぎったからです。
 ともかく、勝ちをほぼ確信している状況から一転して負けたことで気持ちが切れてしまい、3本勝負の3本目は良いところなしでマッチ勝負としても負けてしまいました。
 一応、この日は2人に負けるまでは敗退が確定しないシステムだったのでこの後の試合を全部勝てば次のステージ(トーナメント)に進出できる可能性がありましたが、2戦目は苦手な【天門】と当たってしまい、<デュアル・スティンガー>は縦横無尽に活躍しましたが流石に防御を崩しきれず、1-2で負けてしまいました。

 さて、この苦い敗北の経験から、私の脳内プレイング方針メモには以下の文言がデカデカと刻まれることになります。

 <スパーク>をケアできないデッキを使っている時は、
相手のラス盾が<スパーク>である可能性は切ってプレイする。

 公開領域に何枚見えているか等で変動はありますが、<スパーク>4投のデッキを相手したときにラス盾が<スパーク>である可能性は、4/40 = 10%です。10%の負け筋に怯えてゆがんだプレイングをすべきではない、という意味です。

 こうして、負けはしたもののそれ以上に強者とのスイスドローの実戦という経験値をがっぼり獲得し、私のささバトルアリーナ挑戦の道はここで終わります。

3.【リースアポロ】との出会い

 ささバトルアリーナが終わってふとカレンダーを見ると日付は12月上旬、運命のDEATHドラゲリオンカップは既に開始されていました。
 ささバトルアリーナの練習のためにランクマッチに潜っていた際に運良く連勝を重ねることができ、私にしては珍しく月の上旬にマスター帯に到達出来ていたので、気持ちには少し余裕がありました。
 そのため、箸休めとして公式主催の『デッキビルド杯』に投稿する用のデッキをカジュアルマッチに潜りつつ調整するなどしてのほほんと過ごしていました。
 しかしその間にもランクマ環境では構築の洗練が進み、【速攻】にとって非常に頭の痛いデッキが台頭していました。
 【トリガーHDM】(【カウンターHDM】,【5C HDM】とも)です。


 11弾環境での【赤緑速攻】は全体的にパワーラインが高く、さらに<キリンソーヤ>の疑似アンブロッカブル付与もあるため、従来の【速攻】にありがちな「トリガーで<ジャック・アルカディアス>を1枚踏んだだけで大きく足止めされる」という状況に陥りにくいのが強みです。
 しかしデッキの半分以上がトリガーで構成されている【トリガーHDM】相手では流石に突破力が不足しており、トリガーで足止めを食ってハンデスでリソースを枯らされジリ貧になり負け、というお決まりのパターンでレートを易々献上する栄養分となっていました。
 これは流石にデッキを握り替えないととても太刀打ちできない、と判断し、次に使うデッキを探すこととなりました。

 さて、この時の私は「勝率を上げるために」デッキを握り替えようとしています。したがって、「次に握り替える先のデッキは、元のデッキよりも高い勝率が得られる目算が立っているもの」でなければなりません(こう書くと至極必然ですが)。
 自分が前に握っていたデッキ=【赤緑速攻】で先月まで比較的良好な勝率を得られていた理由のうち最も大きいのは、「使用率の高い【ライゾウ】【赤青剣誠】に有利がつく」からだという実感がありました。したがって、この2タイプに対する有利度合いが低いデッキほど、握り替えることで得られるメリットは顕著に減少していくことが予想されると考えました。
 上記を総合して、握り替える先のデッキに求める条件を以下のように設定しました。

・【ライゾウ】【赤青剣誠】が押し付けてくる過剰打点を耐える可能性がある、質の高いトリガーを搭載できる
・対【トリガーHDM】を想定し、トリガー確定除去を2~3枚踏んでもぶち抜ける貫通力を持っている

 この条件に唯一、パズルのようにぴたりと当てはまったのが、前期(11月度)ランクマッチで最終レジェンドに残ったピヴォさん発案の【リースアポロ】でした。

 具体的には【リースアポロ】は上記3タイプに対して以下の強みを持てると考えました。

・【ライゾウ】【赤青剣誠】相手にはトリガー<ホーリー・スパーク>で耐えてカウンターを狙う(<ライゾウ>のメテオバーンで<スペル・デル・フィン>を捲られる、<モノノフ・ルピア>の効果で<スパーク>を焼却されるなどのアンラッキーは自分の徳が低いからであり、割り切って考える)。

・対【トリガーHDM】では、<ボルグレス・バーズ>を有効に使って盤面に大量に横展開した後、相手の<HDM>完成前に<アポロ>+取り巻きの過剰打点で突っ込むor <ボルパンサー>による盤面全体除去を通すプランで五分以上に戦える。

 以上の用途に尖らせるため、私の使用したデッキはピヴォさんの原案リストからは以下のように枚数調節/差し替えをしています。

差し替え前
差し替え後

・<ボルシャリオ> 2枚 / <ボルグレス・バーズ> 2枚
 ⇒ <ボルグレス・バーズ> 4枚

・<ガルベリアス・ドラゴン> 2枚
 ⇒ <ボルパンサー> 2枚

 変更した枚数自体は少ないものの、色々と語りたいところがあるのですが、紙幅の都合で1点だけ。

 <ボルグレス・バーズ>を2枚から4枚に増量したのは、緑の比重調整という意味も大きいですが、それ以上にプレイングの方針を大きく変える変更です。

・<ボルグレス・バーズ> 2枚採用の場合、1試合に使う回数は0~1回と想定 している

・<ボルグレス・バーズ> 4枚採用の場合、1試合に2回以上使用することも視野に入れている

 という違いがあるからです。<ボルグレス>はドラゴンデッキにとっては貴重かつ強力なリソース回復能力を持っていますが、山札を大きく削るというデメリットも併せ持っています。そのため1試合に2度使えばLO(ライブラリアウト)勝負で勝つ可能性はほぼ完全に断たれるため、「自分がLOする前にダイレクトアタックを通して勝つ」というプレイング方針を強く意識する必要があります。
 このリスクだけしっかり管理していれば、<ボルグレス>はコントロール対面で連打することで、進化元の要らない<ダイヤモンド・ブリザード>と呼べるほどのカードパワーを発揮してくれます。極端な例を挙げると、

1体目の<ボルグレス>効果で2体目<ボルグレス>をマナから回収しつつ山札の<バルケリオス>をマナに埋める
⇒2体目<ボルグレス>効果で<バルケリオス>を拾ってG0で召喚

など。一旦回りだすとこちらの盤面は一気に大気圏を突破します。

こうして私は【リースアポロ】を携え、月末まで走り抜けることとなりました。

4.DEATHドラカップ(前半)

 記録を採っていなかったのでどんぶり勘定ですが、デッキを握り替えた時点でのレートは1520くらいで、そこからスタートしてだいたい3日間、計5~7時間ほどランクマッチに潜り続け、自身初のランキング(100位)入りを果たします。

 思い返してみると、1か月間のうちでこの期間がぶっちぎりで一番辛かったです。頂上が見えていない状態でひたすら登り続けるのはやはりしんどい。 
 しかし最初に思った以上に【リースアポロ】は意外とプレイングの奥が深く(特に相手に<キング・アルカディアス>を立てられたり、自分が<ボルグレス>を2回使う展開になると飛躍的に難しくなる)、新しい発見は尽きませんでした。
 そのため、「飽きる」という気持ちは全くと言っていいほどありませんでした。そういう意味でも、「このデッキは自分の手に馴染むな」という気持ちが強くなっていきます。

5.オフライン大会(@カードボックス津店)

 DCGであるところのデュエプレの大会をリアルのカードショップ店舗で行うという、一見すると頓狂な公式イベントがありました。車で30分くらいかければ行けるショップでも開催予定であることを見てエントリーしたところ、すんなり通りました(首都圏の店舗は満員のところもあったが地方の店舗は大体店員割れしていた模様)。

 ここまで読んで勘のいい読者の方は察したかと思いますが、私がランクマッチ前半を必死に頑張って順位を上げていた理由は、このオフライン大会で対戦相手に「ええカッコ」をするためだったのです。はっはっは。

 大会の形式はBO1勝負をスイスドローで3試合行うものでした。結果は1-2という微妙な成績でしたが、(おそらく)参加者が少ないおかげで参加賞のグッズを沢山もらえました。

よくよく確認したら五守護缶バッチのうちエレナ様だけなかった。なぜ

 オフライン形式で大会を行うことの利点として「感想戦がやりやすい」ということがあります。特に全試合が終わった後は隣の席の人に会話内容を聞かれてもデッキバレの心配がないということで、10分ほどお互いのデッキリストを見せあいながら色々と話しました。3戦目のお相手のデッキはアナカラーの【ロマノフワンショット】だったのですが、デッキ内の呪文比重を大きくして<ピクシー・コクーン>を採用するという独創的な構築で、デッキリストを見て感嘆しました。

 ちょっと意外だったこととしては、割とデュエプレをやり込んでいる層が集まっているはずであるところのこの環境でも、【リースアポロ】というデッキタイプを初めて認知した、という人が割と多かったことです。これまでランクマッチで対戦していて「もしかして相手、こちらが【ライゾウ】だと誤認している?」と思う場面が割とありましたが、この経験はその感覚を裏打ちしてくれました。

6.バトルアリーナ6th予選

 クリスマスを<聖剣炎獣バーレスク>でスキップし、公式大会であるバトルアリーナ6thの予選が12/26に行われました。私は午後の部のGブロックに参加しました。
 私のこれまでの個人最高成績は、バトルアリーナ5thでの予選スイスドロー5勝2敗です。これを越えてあわよくばスイスドローステージを突破することが今回の目標でしたが……。

1.【5Cコン】 後攻×
2.不戦勝〇
3.【フュージョン】 先攻〇
4.【青白メカオー】 後攻〇
5.【ライゾウ】 先攻〇
6.【5Cサンダー】 後攻×

上記のとおり4勝2敗であえなく敗退。しかし負けた試合は2試合とも「お相手、”持ってる”な~」と感じる素晴らしい引き&プレイングだったので、負けた悔しさこそあれどケロっとしたものでした。

 予選全試合が終了した後、Twitterに上げられた報告をakiraさんが集計してくれたスイスドローステージ突破者のデッキタイプ内訳を見ると、【リースアポロ】はおそらく全体での使用率はそれほど高くないだろうにも関わらず、好成績が目立ちました。これは自分のデッキ選択眼が間違っていなかったことを裏付けるデータであり嬉しい気持ちが半分、「【アポロ】が注目されてメタが流行るとヤだな~」という後ろ向きな気持ちが半分という、なかなか複雑な気持ちでした。

 これを書いている時点では決勝ステージはまだ行われていないので、結果が非常に楽しみです。千里眼で見通したところによると、決勝戦は【赤青剣誠】対【デイガナイト】のカードになります。そして解説の松浦さんが「これは全国一位を決める戦いであると同時に、11弾の環境デッキ、【サムライ】と【ナイト】のどちらが真の最強であるかを決める戦いですね~」と言っている瞬間で視聴率がピークに達すると。もし違っていたら<からみカズラ>の下に埋めてもらっても構わないよ。

7.DEATHドラカップ(後半)

 バトルアリーナ予選が終わり、2021年もあと数日、デュエプレのイベントとしてはランクマッチ最終シーズンのみとなりました。
 対戦母数が少ないせいで断言はできませんが、環境分布としてはアリーナ予選前よりも【デイガナイト】が少し増えたかな?と感じるくらいで、元々【デイガナイト】と【リースアポロ】は五分に近い相性なので特にデッキを弄る必要性を感じませんでした。若干懸念していた【アポロ】に突き刺さるメタも環境には出現しなかったため、結果として「3週間くらいずっと同じデッキを回し続けている」ことが根拠となって、かなりの自信を持って毎試合プレイすることができるようになっていました。

 時系列は遡りますが、この1週間くらい前から、時間がある日は個人大会に参加する習慣がついていました。「ランクマッチに潜ってレートが溶けるのはイヤだけど対戦のカンは鈍らせたくない」という我儘な気持ちが元になっての行動でした。
 副次的な効果として、トーナメント方式が多い個人大会では、ランクマッチと違って「勝てば勝つほど(ほぼ)必ず強い人に当たる」という、年に数回しかないバトルアリーナ以外では味わうことのない緊張感の中でプレイします。これが、「集中のスイッチを入れる」訓練には適していたと思います。 

 一方で肝心のランクマッチ成績ですが、レジェンド圏内キープはできており、12/27くらいまでは、100位ボーダーに追いつかれそうになったら1戦だけ潜って順位を上げる、というのを数日間繰り返していました。しかしそのようなその場しのぎではなく、さらに大きく連勝をしなければ月末のボーダー急上昇に振り落とされることは明白であり、仕事が年末年始休みに入った後に時間をかけてレートを上げようと考えていました。

 そしていよいよ締め切りの足音が聞こえてきた12/29、私は最後の登攀を決行します。

閑話休題

 レートが高い人とマッチングするために、ランクマッチに潜るのは夕方~夜間のみ、と決めていたので仕事が休みに入ったあとの昼間の時間が暇になりました。そこで、大掃除から逃れたいという気持ちの元に前々からやろうと考えていたタスクを消化することにしました。

 盾に埋まっているトリガーの枚数・確率を計算するExcelシートの作成です。

 これを作ろうと思ったきっかけとしては、【リースアポロ】を使っていると<アポロ>のワールドブレイクで<ジャック・アルカディアス> + <ホーリー・スパーク>の同時踏み以外は勝ちという盤面が頻出しますが、この確率がパッと計算できなかった経験があります。
 どうせだったら未公開領域の枚数が変動しても計算できるようにExcelシートを組んでしまえ、さらについでに盾内のトリガー枚数の期待値計算も作っちゃえ、と思い突貫で作りました。
 完成後、割と汎用的に使えるツールかなと思ったのでGoogleスプレッドシートに変換して公開しました。趣ゼロの進言をすると、シート全体をコピー⇒ご自分のPCでExcelを開いてペーストして使うのが手っ取り早いです。

 なお、計算シートを作るきっかけとなった、ワールドブレイクで<ジャック・アルカディアス> + <ホーリー・スパーク>を同時に踏む確率ですが、それぞれ4投の条件で計算したところ最大でも16%でした。実戦でもしこれが発生してしまった場合は一旦デュエプレを閉じて先祖の墓をキレイに掃除しましょう。

8.DEATHドラカップ(終盤)

 12/29夕方に最後の追い込みをかけようとランクマッチに潜り始めましたが、流石に前世で積んだ徳の貯金が尽きてきたのか、勝率が低迷してきます。
 さらに都合の悪いことに、【デイガナイト】と当たる回数が日増しに増えてきました。先述の通りこの対面は五分に近い相性で、ゲーム展開としては序盤に除去呪文などで削られたリソースを<ボルグレス・バーズ>で回復してからやっと本番が始まるようなロングゲームに毎回なります。
 不利対面ではないですが有限リソースである集中力をごっそり持っていかれるので、連戦はキツいです(つまり、【デイガナイト】を使って好成績を残している人はすごい。実は脳をクラウドネットワークと接続しているのだと言われても驚かない自信がある)。
 潜り始めて早々にランキングから陥落し、一時期はレート1500台まで落ち込みました。しかし長男パワーを振り絞って踏みとどまり、2日かけて順位を元の水準まで戻すことができました(100位ボーダーは日毎に上がっているので、レートの数値自体は元よりも僅かだが上がってはいる)。

 可能であれば30日(最終日前日)の時点で安全圏までレートを上げて最終日を万全の状態で迎えたかったですが、既に夜の深い時間になってしまっていたことでこれ以上の登攀は断念し、最終日にすべてを託すことにしました。

 明けて31日、リアルでは2年ぶりの実家への帰省というちょっとしたどころではないイベントがありましたが、移動する新幹線の中ではずっとtwitterを巡回して「あの人最終日だけでめっちゃレート上げてるな~すごいな~」などと感心していました。無事に実家に到着後、居間に転がっていたリングフィットアドベンチャー(このためだけにswitchを買ったらしい)を試しにやってみて10分でギブアップする禊を済ませたあと、泣いても笑っても最後の登攀を開始します。

 この時の状況を整理すると、

①    12月30日24:00時点での100位ボーダーは1661

②    同時点での私のレートは1665

③    先月までの数か月間の100位ボーダー推移を見ると、最終日における100位ボーダー上昇分は+15~+25ほど。

 ①と③から、最終的な100位ボーダーは1681±5と予測しました。私の現在のレート②との差分は16±5です。対戦相手とのレート差にもよるが2回勝ちこせば最終100位に残れるかなあという目算でした。
 夕方18時ころ、意を決してこの日最初のランクマッチ対戦を開始します。運良く1桁順位の超高レートの人とマッチングでき、歓喜したのも束の間、2ターンほどプレイした後私の顔は絶望に歪みます。

 対戦相手のデッキも【リースアポロ】で、こちらが後攻を引いてしまっていたのです。

 このミラーマッチは、後攻側が圧倒的に不利です。
 【リースアポロ】の持つ高いカウンター性能は<ホーリー・スパーク>の防御力に寄るところが大きいですが、皮肉にも相手の<アポロ>には<スパーク>は効きません。唯一辿れる勝ち筋としては、相手の<アポロ>着地前に予めブロッカーを立てておき、相手の<アポロ>の攻撃をチャンプブロック+トリガー<スパーク>で耐え、カウンターを狙うしかありません。
 さらに先攻側は後攻側のその動きを見てから、<アポロ>を出さずに手打ち<スパーク>で先に盤面制圧をするというプランを採ることもできるので、後攻側は輪をかけて八方ふさがりです。
 しかも、こちらの構築は<ボルシャリオ>を抜いた構築のため、手出しすると顕著にテンポが悪くなる<ベティス>しかブロッカーがいません。

 ということで、先攻を取られた時点でほぼ負け確のようなものであり、一応、ゲームは続行していましたが、早くも脳内ではゴレイヌと仙水がフォローの言葉を交互に語り掛けてきていていました。そうこうしているうちに相手は順調にブースト→<センチネル・ドラゴン>展開で盤面を広げていき、シメの<ヘリオライズ・ドラゴン>の探索がスカりました。

…………え???????

(10秒思考したのち、理解)

相手の<アポロ>、盾落ちしとるがな!!!!!

 この、2022年分の運を全部前借りしてしまったのではないかと思うほどのありえない爆ヅキのおかげで、1戦勝っただけでレート+9という絶大な収穫を得ます。
 この時点(18:30ごろ)での100位ボーダー上昇量は予想していたほど時速が出ていないこともあり、あと1勝すれば確実に最終100位圏内、もしかしたらもう潜らなくても残れるかもしれない……という風に目算は大きく甘め方向に修正されました。

 晩御飯を食べて風呂に入った後、夜にもう一度ボーダーを確認しよう、そう思い私は一端デュエプレからログアウトしました。

最後に


 ―――———その後どうなったかについては、記事の最初に書いた通りです。

 この記事を書いていて、わずか1か月強という短い期間内でしたがありえんくらい密度が濃かったんだなあと実感が湧いてきました。

 とっくに年は替わっており現在2022年1月5日、これを読んだ方の中にも新年の目標を立てようとしている方がいらっしゃるかもしれません。その目標を、「アイツがあそこまで行けるんなら自分だって行けるだろう」という風に少しでも上向かせることができればいいなと、ささやかながら祈っております。

 それではっ

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