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【早い・安い・強い】ゴリランボー入り赤緑速攻【11弾ND】

 note初投稿です。よろしくお願いします。

 本記事では、11弾リリース後のNDランクマッチにて瞬間レート1600越えを達成した、<<大作家ゴリランボー>>入りの赤緑速攻デッキを紹介します。SR0枚、VR4枚という格安の値段で作れること、同価格帯の【黒緑速攻】よりも比較的プレイングが易しいことから、初心者にもオススメです。デッキリストは下記画像の通りです。

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0. 成立背景

 11弾現在のデュエプレは、紙のデュエマでは戦国編というエキスパンションの環境がベースになっています。私が紙を触っていたのは聖拳編で<<ボルバル>>を叩きつけあっていた頃までなので当時のリアルな環境は知らないのですが、インターネット海洋に散らばっている遺産からそれを伺い知ることができます。当時は<<キング・アルカディアス>>の強烈なロックが幅を利かせていたものの、概ねバランスの良い環境で、多種多様なデッキが群雄割拠していたようです。その中の一つに、速攻向けの色と能力を兼ね備えた2種のマナ進化クリーチャー<<密林の総督ハックル・キリンソーヤ>>、<<ブレードグレンオー・マックス>>を主軸に据えた赤緑速攻デッキ、通称【グレンソーヤ】がありました。

キャプチャ

キャプチャ

*2枚とも、紙版とデュエプレ版で能力は同一なのでデュエプレ版のカード画像を使用しています。

 デュエプレに実装されている赤緑速攻のパーツは紙と比べて遜色なく(NDだと<<火炎流星弾>>、<<ポレゴン>>がスタン落ちしているのが手痛いですが)、紙でのリストをほぼ完全に再現することができます。ということで私は新弾実装後、<<キリンソーヤ>>と<<ブレードグレンオー>>をいそいそと4枚ずつ生成し、以下のようなデッキを組んで意気揚々とランクマッチに潜りました。

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 しかし、思ったよりも勝率は高くなく、すぐに壁にぶち当たることとなります。負けた試合を振り返って原因を考えたところ、<<ブレードグレンオー>>のカードパワー不足、という結論に達しました。具体的に言うと以下の点を弱点と感じました。

・タップしているクリーチャー限定の3000火力が活きる場面が少ない。

・現行デュエプレの環境では、パワー4000が絶妙に足りない。<<ガントラ・マキシバス>>と相打ちを取られる、<<居合のアラゴナイト>>に一方的にバトル負けする、<<霊王機 エル・カイオウ>>や<<魔光騎聖ブラッディ・シャドウ>>を立てられると攻撃できない、…等々。

 特に後者のパワー不足問題が致命的で、<<ベンケイ・バーニング>>で高パワー多色クリーチャーを焼き払う、<<雪要塞ダルマンディ>>でパンプアップしてパワー不足を補う、などの方法で補完できないか試してみましたが、芳しい結果は出ませんでした。赤緑速攻にはリソースを補充するカードが皆無なので、2~3枚に抑えなければいけないこれらのメタカードを必要な時に自引きすることは困難なためです。

 この問題を打破するには、バトルに負けない高パワーと、様々な状況に対応できるインテリジェンスさを兼ね備えたクリーチャーが必要です。……そんなヤツおったか?

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おったわ。

(イラスト以外にインテリジェンス成分ないだろ、というツッコミは勘弁)

 以上の経緯で、<<ブレードグレンオー>>を<<ゴリランボー>>に差し替えたうえで進化元の軽量ドリームメイトを多めに投入した構築を試し、最終的に冒頭のカードリストに辿り着くことと相成りました。

1. 各カード解説

 確定度の高い(≒差し替え優先度の低い)カードから順に解説します。

<<密林の提督ハックル・キリンソーヤ>> 4枚

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 マナ進化クリーチャーは、「バトルゾーンに出たとき、マナを1つ減らす」というデメリット効果を持ったスピードアタッカーだと言い換えられます。3ターン目にパワー5000のスピードアタッカー、しかも小型ブロッカー封じ持ち、を飛ばせるのは図抜けて強く、相手からすると「トリガーで<<デーモン・ハンド>>などの確定除去か<<ヘブンズ・ゲート>>を踏ませる」「<<アラゴナイト>>で相打ちする」などの非常に限られた手段でしか対処できません。緑マナが不足しない限りは、手札に来たら来た分だけプレイしたいカードです。

<<大作家 ゴリランボー>> 4枚

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 このカードの強みについては前項に書いた<<ブレードグレンオー>>の弱点の真逆と捉えるとわかりやすいです。つまり、<<ガントラ・マキシバス>>にパワー負けしないこと、<<エル・カイオウ>>や<<ブラッディ・シャドウ>>を乗り越えて攻撃できること、です。残念ながら<<アラゴナイト>>で相打ちを取られると、こちらは種クリーチャー+<<ゴリランボー>>を失っているので1:2交換をされてしまいますが、速攻デッキにとって非常に重たい<<アラゴナイト>>を1枚どかせただけでもよしと考えて、残されたリソースで頑張りましょう。なお、パワーアタッカー+1000を活かそうと考えると、同型対決をしている時に相手の<<キリンソーヤ>>にバトルをしかけようか、などの考えが頭を過りますが、そのような状況の場合でも大抵はW・ブレイカーがムダにならないようにクリーチャーを無視して盾を割ることが多いので、基本はオマケと考えたほうが良いです。

<<大冒犬 ヤッタルワン>> 4枚

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 <<キリンソーヤ>>、<<ゴリランボー>>をこのデッキの表の主役とすると、この<<ヤッタルワン>>と次の<<スナイプ・モスキート>>が裏の主役です。このカードの役割は主に以下の3点です。

・<<ゴリランボー>>の進化元

・後攻をとったとき2ターン目に手札消費することで、ハンデの+1ドローを無駄なく使うことができる

・<<モスキート>>との強烈なシナジー(次項参照)

 なお、<<ヤッタルワン>>を見て<<パンダ>>を警戒する人は数多くいれど<<ゴリランボー>>を警戒する人はあまりいないのか、こちらの場に<<ヤッタルワン>>と<<モスキート>>が並んでいるときに2000火力で<<モスキート>>のほうを除去されることが稀にあります。

<<スナイプ・モスキート>> 4枚

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 NDでは<<ポレゴン>>が使えないので、1マナ緑クリーチャーの枠として確定であるのみならず、<<ヤッタルワン>>との間に強烈なシナジーを形成します。3ターン目に<<キリンソーヤ>>か<<ゴリランボー>>をプレイすることが、このデッキが最も高いパフォーマンスを発揮するムーブですが、1ターン目<<モスキート>>召喚→次ターン攻撃するとマナが減ってしまいそのムーブができなくなります。しかし、2ターン目に<<ヤッタルワン>>を出して効果を使うことで、マナ収支がプラマイゼロになり、次のターンに3コストクリーチャーをプレイすることが可能になります。しかも効果を使い終わった<<ヤッタルワン>>はそのまま<<ゴリランボー>>に繋がり、そこまで通せればぐっと勝ちを引き寄せることができます。

<<夢見がちモッフル>> 4枚

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 ここまでの解説で、いかに速攻デッキにとって<<アラゴナイト>>が目の上のタンコブかはお分かりいただけたと思います。<<モッフル>>はこのデッキで唯一<<アラゴナイト>>の殴り返しを寄せ付けないため、対【ガントラビート】の生命線です。また、発生頻度は低いケースですが、【バルガライゾウ】対面で序盤に<<アカギガルムス>>がトリガーしたが出た時効果が不発した場合、殴り返しを受けることなく毎ターン攻撃し続けることができます。

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<<弾け山のラルビン>> 4枚

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 通常の、種族シナジーを考えない赤緑速攻だと2枚程度の採用となることが多いクリーチャーですが、このデッキではドリームメイトの進化元という役割がプラスされるため文句なしで4枚採用できます。自然のクリーチャーは24枚入っているので特になにも考えなくても常時パンプアップ効果を維持できますが、<<キリンソーヤ>>のコストで緑マナが減って0になる未来が見えている場合は、他のクリーチャーを優先してプレイしましょう。

<<凶戦士ブレイズ・クロー>> 4枚

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「クルト君もND引退したし、俺もさすがにそろそろか……」って本人だけは思ってそう。

 1ターン目に出せる場合は何も考えず出してOK。環境では大量ドローと小型ブロッカーを兼ねる<<デリンダー>>の使用率がかなり高いため、2ターン目に<<ブレイズクロー>>を出すか迷う場合は、相手のマナの色を見て返しのターンで<<デリンダー>>は出せない、と判断した時だけ出しましょう。

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<<甲蟲幻獣カブトワン>> 4枚

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 O・ドライブ効果はほとんど使わないので、実質パワーの1000下がった<<ゴンタ>>です。そのため、<<ゴンタ>>に差し替えることでデッキ内の進化元ドリームメイト比重が減るかわりに3000火力に引っかかる確率を下げることができます。ADでは<<炎槍と水剣の裁き>>避けのために数枚差し替えたほうがいいかもしれません。また、細かいテクニックですが、2T目に<<ヤッタルワン>>効果でマナに置くと次ターンには使用可能マナになっているので、多色カードのアンタップインデメリットを回避できます。

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<<自由な旅人ベア子姫>> 4枚

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 このデッキ唯一のS・トリガーですが、受け札としてよりも手打ちの2000以下除去カードとしての役割が大きめ。ただし効果を使うと相手に+1マナを与えるため非常にハイリスクです。<<コッコ・ルピア>>や<<ドラム・トレボール>>などの「放置すると1マナ加速以上のアドバンデージを生み出し続けるクリーチャー」を除去する、最後の押し込みで相手の小型ブロッカーをどかす、などのハイリターンな時だけ使います。初手に<<キリンソーヤ>>も<<ゴリランボー>>も引けていないが<<ベア子姫>>を引いた場合、3ターン目に<<ベア子姫>>を出すことが最適解なことがあるので、マナに置くのは1ターン我慢して、相手のマナ置き・次の自分のターンのドロー後に改めて考えましょう。

<<究極兵士ファルゲン>> 4枚

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 このデッキでは場に出ている7割くらいの時間はパワー3000(マナ3枚)であるため、破壊時デメリット効果を持つかわりにパワー4000が担保されている<<エルジージョ>>と差し替えが検討できます。<<デーモン・ハンド>>、<<ヘヴンとバイオレンスの衝撃>>が少ない環境になればあるいは…という感じです。

 また、ドリームメイトではないのでその他の火のカードとも差し替え可能です。候補としては、<<リンパオ>>などの軽量スピードアタッカー、<<デュアル・スティンガー>>などのブロッカーメタです。

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2. 基本的な動き方

 大まかな目標として、4ターンキルを目指します。5ターン目以降は<<腐敗聖者ベガ>>などのビート対策カードを相手が使用してくるため、それらが使用できないマナのうちにケリを付けたいからです。

 4ターンキルが成立するルートは以下のとおりです。

 1ターン目:1コストクリーチャー召喚

 2ターン目:2コストクリーチャー召喚、1点ブレイク

 3ターン目:<<キリンソーヤ>>か<<ゴリランボー>>召喚、計3点

 4ターン目:生き残っているクリーチャーで盾を割り切りダイレクトアタック、計3点-α

 環境デッキの平均トリガー枚数を10枚としてワンパントリガーする可能性は10/40=25%でありここを乗り越える前提とすると、3ターン目攻撃時のトリガーで1体クリーチャーを失います。この場合でも、4ターン目に<<キリンソーヤ>>を追加で召喚することができれば、トリガーを踏む順番によっては4ターンキルの可能性が残ります。

 長々と説明しましたが1番大事なポイントとしては、4ターンキルを現実的に達成するには3ターン目までに<<キリンソーヤ>>か<<ゴリランボー>>を引くことが必須条件である。というイメージを持っていただければよいです。

 次に、1~3ターン目までの各ターンのプレイ優先順です。

1ターン目

・<<ブレイズクロー>>、<<モスキート>>のどちらかを引いた場合

→引いた方をプレイ。ただし相手が先攻初手で<<ゼンアク>>をマナに埋めてきた場合は次ターンの<<デリンダー>>を警戒して<<ブレイズクロー>>を出さない選択肢を考える。

・<<ブレイズクロー>>、<<モスキート>>の両方を引いた場合

→<<ヤッタルワン>>を一緒に引いている場合は<<モスキート>>を、そうでない場合は<<ブレイズクロー>>を出す。

・1コストクリーチャーを引けておらず、<<カブトワン>>を引いた場合

→多色濁りを回避するためマナ送り

2ターン目

 2コストのドリームメイト進化元を出すことを最優先。後攻の場合(≒手札+1枚のアドバンデージがある場合)は、<<ヤッタルワン>>の効果を使うことを検討する。「<<ヤッタルワン>>+1コストクリーチャーの2体出しができる」or「手札に多色の<<カブトワン>>がある」場合は使ったほうが良い。

 前ターンに出した<<モスキート>>が攻撃可能な場合、次ターンに<<キリンソーヤ>>か<<ゴリランボー>>を出せる目途が立っている場合は攻撃せずステイ。

3ターン目

・<<キリンソーヤ>>、<<ゴリランボー>>のどちらかを引いている場合

→引いた方をプレイ。

・<<キリンソーヤ>>、<<ゴリランボー>>のどちらも引けていない場合

→このデッキの最大コストは3なので、この場合このターンのマナチャージは必須ではない。特に先攻を引いた時は手札がカツカツなのでマナチャージなしで手札を温存した方が良い場合が多い。

・<<キリンソーヤ>>、<<ゴリランボー>>の両方を引けている場合

→トリガーで進化元を除去されるリスクを考えて、<<ゴリランボー>>を優先してプレイ。

3. 対面ごとの留意点

 「速攻デッキはノートリ貫通すればどんなデッキ相手にも勝てるので、有利不利は存在しない」とまで言ってしまうと言い過ぎですが、真実の一端ではあります。デッキの相性を考えるのはデッキ構築の段階で存分に考えるとして、プレイしている最中は配られた手札でフルパフォーマンスを発揮する道筋のみを考えるのが、速攻デッキを使うメンタルとしては最善かなと個人的には思います。ということであまりデッキ相性には言及せずに、主要な各対面ごとの留意点を述べたいと思います。

・【ガントラビート】

 新弾の<<アマテラス>>を加えた青入り4色が主流のようですが、<<ブレードワーム>>を搭載した黒入り4色も念頭に置きます。口を酸っぱくして言いますが、<<アラゴナイト>>をできるだけ機能させないことが活路です。殴り返し耐性の高い<<モッフル>>を優先してプレイ、<<ベア子姫>>による除去などで抗いましょう。<<ホーリー・スパーク>>よりも<<バリアント・スパーク>>の採用率が高いので、<<ホーリー・スパーク>>ケアで盾割りを必ずしも最優先にしなくても良く、メタモーフ適用外(6マナ以下)の時は殴り返しを防ぐためにパワーの低いクリーチャーは攻撃せずステイした方が良い場合があります。

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・【4Cor5Cコントロール】

   <<ベンケイ・バーニング>>が採用されていることがあるので、選択肢がある場合は多色の<<カブトワン>>以外のドリームメイトを出します。<<三途万力>>を食らってしまうと到底立て直せないダメージを負いますが、メタカードという性質上、採用枚数は1~2枚程度なので山札の下に埋もれていることを祈りましょう。

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・【メカオー】

 通常のデッキであれば2~4ターン目に出してくる小型メカオーを除去して<<ガトリンガー>>によるドローの枚数を減らすことが有効な対処法ですが、このデッキの場合はどちらにせよシールドブレイクで相手の手札を増やしてしまうのであまり関係ありません。無視してガンガン盾を割りましょう。<<キリンソーヤ>>のシールドフォース能力が有効な状態で<<カブトワン>>のO・ドライブ能力(自軍全員にパワー+3000)を使うと、相手のブロッカー軍団をスルーして攻撃を通すことができるので<<カブトワン>>を温存できると活路が見えます。

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・【黒緑速攻】

 <<バインド・シャドウ>>がタップイン状態でバトルゾーンに出てくるのでついバトルを仕掛けたくなりますが、こちらに負けず劣らずトリガーが薄い構築であることが多いため、無視して盾割りを優先した方が良い場合が多いです。【レオパルド・ホーン】の複数枚ブレイクが通る=こちらの負けであるケースがほとんどなので、それまでに決着を付けましょう。

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・【赤青剣誠】

 <<パーフィン>>がトリガーで出てきて次ターン殴り返してくる可能性を考えて、盾を割るときは<<モッフル>>などの殴り返し耐性の高いクリーチャーから順に割りたいです。<<モッフル>>は<<シデン・レジェンド>>でも焼かれないので最優先でプレイします。

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・<<天門>>が4枚入っているデッキ全般

 相手のマナゾーンに2枚<<天門>>が見えて、盾に埋まっている確率が低い!と勇んで盾を割ると普通にトリガーして<<ミルザム>>が出てくる、あると思います。

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・【ドルバロム】【バイオレンスフュージョン】【バルガライゾウ】

 <フェアリー・ライフ>>が何枚トリガーするかの勝負です。無心で走りましょう。


 以上になります。最後に速攻デッキから見た環境私見を述べますが、【ローズ・キャッスル】の登場は手痛いものの、【キリンソーヤ】の加入による突破力向上のほうが大きく、相対的に見て環境での地位は向上していると思います。これを機に速攻デッキに触れてみようと思う方もいらっしゃるかもしれません。本記事が、その意外な奥深さに触れてくれる方の一助となれば幸いです。

 それではっ

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