ボイコネ用ボイスドラマ「一葉の詩が綾なす出会いは。」第六話「予測して。」

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0:-本文中、ト書きの部分は「一葉」役の方がお読みください-
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0:私は結構朝早めに登校する人間で。
0:っていうか、登校中に何かトラブルが起こって遅刻するのが嫌なだけだけど。
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0:すでに私のクラスには何人かが登校して、
0:会話の輪が出来ている。
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0:つくづく、真面目な人たちだな、と思う。
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0:そんな真面目人間の中に、もう一人加わってきた。
0:あーやだ。
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綾子:おっ、おはよう、ございます!
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0:まだ挙動不審なところがなくはないけれど・・・。
0:それでも皆は、「あーや、おはよー!」とか声をかけてる。
0:もう「あーや」って呼び方、浸透してるのか・・・。
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0:さておき、ぺこぺことお辞儀しながら私の隣まで来たあーやは、開口一番。
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綾子:ひっ、一葉、さん!昨日は、ごめんなさい!
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0:なぜか謝罪してきたのだ。
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一葉:おはよ、あーや。ってか何で謝罪?
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綾子:その、昨日、「委員長さん」って呼んじゃって・・・!
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一葉:ん?そうだっけ?
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0:たぶん、だけど、あーやは気にしすぎなのだと思っている。
0:だから、私はあえて、とぼけてみる。
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綾子:はい、なので・・・ごめんなさい、しとかないと、って。
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一葉:そっかぁ。でも大丈夫だよあーや。気にしてないから!
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綾子:だったら、いいん、ですけど・・・。
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0:それでも不安げなあーや。それじゃあ・・・。
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一葉:っていうか、あーやってさ?
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綾子:はい・・・?
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一葉:誰にでもそんな感じ?敬語でしゃべってくれてるけど。
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綾子:んと・・・親しい友達にはタメ口でお話出来るんですけど・・・。
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一葉:ま、来たばっかりだもんね。でもだからって、気にしなくっていいよ。
一葉:私は全然タメ口でも平気だし。
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綾子:はい、ありがとうございます!
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0:やっと笑顔が見れたぁ。
0:か、かわi・・・っと。
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一葉:あの、さ。もしよかったら、なんだけど・・・。
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綾子:何ですか・・・?
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一葉:今日のお昼、一緒していい?
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綾子:えええ!?私と、ですか!?
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一葉:そんな驚かなくても・・・ダメかな?
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綾子:いえいえ、全然!ぜひ!
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0:両手を前に突き出しながら、ぱたぱたさせるあーや。
0:こうして見ていると、小動物みたいでかわ・・・いい。
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綾子:あの、一葉さん・・・?
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一葉:あー、ごめんごめん!どこで食べよっか・・・?
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綾子:そうですね・・・食堂、ですかね・・・?
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0:せっかくの晴天だし、外もいいかなと提案しようとしたところで。
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怜央:おっす、委員長さん、椎名さん!
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0:邪魔者、現る。
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綾子:おはよう、ございます、坂口君・・・。
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一葉:私言ったよね?委員長って呼ぶなって。
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怜央:まぁまぁ、んで?何の話?
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綾子:えっと、今日のお昼ご飯のお話です・・・。
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一葉:今日はあーやと一緒に食べようと思ってね。
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怜央:なるほどねー。だったらさ・・・講堂とかどう?
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綾子:講堂、ですか?
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怜央:そそ。椎名さん入ったことある?
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綾子:いえ、ないです・・・!
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怜央:いいとこだよ?ステンドグラスとか使ってて結構きれいなの。ウチの名物。
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一葉:はいはい!じゃあ講堂で決まり!いいよねあーや?
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綾子:は、はいっ!よろしくお願いします!
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怜央:んまぁ、決まったんならよかったよかった。
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綾子:坂口君、教えてくれてありがとうございます!
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0:怜央は照れ臭そうに右手をひらひらして。
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怜央:あーうん、まぁ他にもいろいろあるから、委員長さんと探検してみるといいよ。
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一葉:一応言っておくわ。怜央、さんきゅ、助かったわ。
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怜央:二人で楽しんで来~い。
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0:こういう「いいやつ」だったりするから、
0:私も何だかんだ居心地がい・・・(咳払い)んんっ。
0:とはいえ、コイツに先に提案されたのが悔しいのも、本心だったりする。
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0:あれ?なんで私こんなこと考えたんだろう・・・?
0:あー、いやいや、考えるのよそう。
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0:先生に頼まれた以上に、
0:あーやのコトが気になっている、私なのだった。
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0:-続く。-
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