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投じた予算は3900万円超 下津井~『ひるね姫』の旅路で見た「聖地巡礼の魅力は作品よりも人」という事実

 3月に公開された映画『ひるね姫 ~知らないワタシの物語~』(以下、『ひるね姫』)の紹介記事を読んだ時、ちょっと驚いた。いくつかのサイトでは、この作品が「岡山県倉敷市が舞台」と記されていたからだ。

 倉敷市といえば、白壁の街並みが残る美観地区で知られた街。でも、この映画の舞台として描かれたのは、そこではない。倉敷市の下津井なのだという。もとより岡山市出身の私は、少しばかり違和感を感じた。確かに、下津井は行政上は倉敷市の一地域ではある。けれども「倉敷市が舞台」という表現してしまうのは、どうも違うような気がしたのだ。

 この下津井という町は、戦後、下津井町が周囲の町村と合併して誕生した児島市を経て、1972年の合併で倉敷市となった地域。倉敷とはまったく別の町として栄えてきた地域であるからだ。もとより、児島のあたりには今も親類が多いのだが、古い人の中には、いまだに「競艇場もあるし、倉敷と合併せんでもよかった」という人もいる。

 ともあれ、瀬戸大橋を望む風光明媚な土地ながら、これまであまり知られてこなかった下津井の町が知られるまたとない機会であることは間違いない。映画の公開から2カ月あまりを経て、町はどのような賑わいを見せているのか。その様子を見たいという好奇心から、私は旅立った。

(初出:「おたぽる」 2017年6月25日掲載)

続きはこちら http://otapol.jp/2017/06/post-10904.html

#ルポルタージュ #ノンフィクション #取材




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