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日向坂の外仕事にソワソワする人

日向坂46が「キュン」で世間に飛び出していったまさにあの時、ひなあい以外の外仕事に出られる人はまだ限られていた。何名か選抜されてバラエティなどに呼ばれるというのはあったけどキャプテンやかとしなど地力のある選手ははずせないことも多く、若手がアピールするのはなかなか大変だった。主要メンバーがしゃべくりに出た時に「オタクが言うほど面白くない」「アイドル枠できちんと勝負せよ」とかいろいろ言われているのは見たし、小坂がゴチに出た時もきつかったな。またキャプテンが東野の隣で司会進行をやらされた番組もほとんどハラスメントにしか見えなかったけど、まあ芸人やタレントというくくりで出るのであればああいう冷たいあしらいや洗礼も仕方ないことなのかもしれない。結局のところ以前も書いたけど、いくら「ひなあい」や「HINABINGO!」でそのバラエティ親和度をアピールしてもホームとアウェイではまったく違うので彼女たちも勝手がわからずしんどかったろうなと思うし、それがあちこちオードリーでの松田の「ラヴィットで川島さんが何を求めているのか」の発言と若林からのアドバイスでの号泣につながるわけで、世間というのは本当に若い女子に厳しいなぁと痛感させられた時期だった。

そんなわけでハラハラして見てた外仕事だけど、それでも渡邉のバスケ仕事や、冨田のモータースポーツ仕事とか河田の山口旅ロケ番組とか、松田や影山にクイズとか懲りずにいろいろオーダーはあったわけで、そんな中で影山のサッカーブレイクがあった。サッカーファンにあそこまで愛されたアイドルはいなかったんじゃないだろうか。それくらい彼女は真摯にサッカー仕事を全うしたし、その結果、追い風を受けた彼女の卒業が早まった(と俺は思うのよ)。
いまもひよたんが深夜ドラマに出たり、齊藤京子がどろどろ不倫ドラマに出たり、外仕事は減るどころか増える一方で、かつ、以前ほど気恥ずかしくならずに見られるものも増えた。ひなたアカデミーはほぼ安心して見てられるし、高校講座の正源司を始めとした4期生の物怖じしない度胸には舌を巻く。アニメ部なんてもう何年目のベテランかよ!と言いたくなるくらい安定してる。

それでもまだ気になるのが「ひなあい」でのリラックスぶりをそのまま発揮できるようなバラエティになかなか出会えていないことは気になる。有吉にしろしくじりにしろ、ただのアイドル埋め合わせ枠でしかないので彼女たちの本領を発揮するような立ち回りはまったく期待されていない。あんなとこでもし必要以上にはりきると、深夜0時の森の「こっち側住人」アピールのために素っ頓狂な声をあげる島崎遥香のようにどこか浮いた感じになる可能性もなくはないから。だからどうしても様子を伺うようなスタンスに見えちゃうよね。

論点は少しずれるが、泥濘の食卓での齊藤京子は「役者」として見たら素晴らしかった。死んだ魚みたいな目をしたやたら表情が暗いひたすら地味で思い込みの強い女子をうまく演じていた。さすが齊藤京子、歌も演技も日向坂で飛び抜けてる。

でもね。僕は毎週、あれを見てて「俺が見たい齊藤京子ではないなぁ」と感じながら我慢して見てた。ただただ暗く、笑いがないので見てて何のカタルシスも得られないのだ。見てて楽しくないのであればそれはもう苦痛でしかないわけで、僕にとって日向坂46に求めているキャラはああいう感じではなかった。今泉力哉みたいな演出をする監督さんにテレ東の深夜あたりで撮ってもらったらもっと面白いものになったのではないかと個人的には感じつつ、なんでこの題材を彼女にやらせようと思ったのか謎のまま最終回を迎え、結局、一番すごかったのは原菜乃華だったという事実を再認識しただけのドラマだった。彼女くらいキレッキレなら齊藤京子も一皮むけたかもしれないけども。

ひなたアカデミーはおひさまが安心して見られる番組。相手は各企業の担当者さんで要は素人さんで、変なツッコミや難しい立ち回りをしてこないので安心して普通に進行できる。極端にエキセントリックな芝居も一発ギャグも気の利いたやりとりも求められておらず、普通に進行することに意味がある番組で、こうしたシンプルな仕立てのコンテンツでは彼女たちの個性が逆に生きてくるのが不思議。ふるさと納税のことをよく知らないかとしも大正製薬で正解を連発する松田もいつもの彼女たちで安定のできばえだ。外仕事はこういうものであってほしいと心から思う。

ここまで書いて気付いたが要は僕は外仕事での彼女たちを見たいのでは無く、
結局「ひなあい」での彼女たちを面白がって見ていたいだけの人だったんだなということに思い至る。そんなおひさま、他にもいるのかな。ま、なんでもいいか。。


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