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遅すぎる感想文

「日向坂46」が好きだ。いわゆるおひさま(ファンの総称)というやつ。
多くの人と同様、バラエティ番組から入り、改名や脱退や成功体験を共有
してきた。

先日、ブルーレイで彼女たちのドキュメンタリーを買った。
2時間弱の本篇と、3時間近いディレクターズカットが入っていたので
どうせなら最初から全部入りを見ようとディレクターズカットから見た。
長い。長いけれどもこれだけの尺は必要だったのだろう。僕がこのディレクター
ならどうつくっただろうと思いながら途中からは見てた。僕ならまず
倒置法でつくるのでゴールを決めてそれを頭に入れて始めるだろうということと、
このVTRで何を言いたいか、何を発見するのかを決めてつくるので、
たぶん同じ素材を使っても違うものにはなったと思うけど、
それはそれで置いておいて十分見応えのある作品だった。

見終わって頭の中にいくつかのifがわいてきた。
「もしもねるがどちらか一つと言われて欅坂ではなく彼女たちの方を
 選んでいたらあんなに早く辞めることになっただろうか」
「もしも新生日向坂が小坂奈緒ではなく柿崎芽実をセンターで推して
 いってたら彼女の引退は思い直していただろうか」
「もしあの冠番組がなかったらここまで人気者になっていただろうか」

実際は、ストーカー被害に遭って辞めた柿崎の引退はあのタイミングより
後にはなかったのかもしれないし、「日向坂で会いましょう」がなくても
彼女たちの才能や存在感はオードリー以外の人からも抽出されていたとは
思うし、もし、すでにスターだったねるが専任で入ることで長濱ねると
仲間達みたいな構図になることも考えられるし、どれも意味のない妄想
ではあるのだ。

いまや連日、テレビで日向坂を見ない日はない。
キーワード録画で「日向坂」を入れておくとHDDレコーダーはどんどん
埋まっていく。ひらがなけやきから見てたからこの状態をうれしいと思う
反面、彼女たちが疲弊したり、変に業界ずれしたり、変質していかない
でいてくれるとうれしいなと思ってしまう。それは日向坂はナンバーワン
ではなく、2番手か3番手くらいにいて自由にのびのびやっている方が
個性が出せていいような気がするからだ。

とはいえ、アイドルグループの常としてピークがくれば衰退もくる。
10年くらい前にはまさに国民的アイドルだったAKBは去年の紅白には
呼ばれなかった。永遠のピークというのはありえない。
露出が多いということは飽きられるのも早くなるということだ。
だからいつも2番手くらいでとどめていた方がいいと思ってしまう。

ねるや柿崎や井口の脱退・引退に続く、リタイアするメンバーが出るのは
いつ頃なのか。できればその日が少しでも未来であればいいと思う。
ぼくらはもう見つけてしまったのだから。見てるうちについついニコニコしまう、そんな自分の心に癒やしの灯を点す存在に。

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