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私は我慢していた。

私はとにかく我慢強い子だったと今になって思う。
東京に出て社会人になった頃にできた彼氏と同棲をしていた時、私の日常は我慢することで成り立っていたと言っても過言ではない。
その彼氏のことが好きだったから我慢していたことがたくさんあった。本当にたくさんあったのだ。
「なぜこんなに我慢しているんだろう?」
私は私のために我慢をしていた。
彼氏の怒る顔を見たくなかった。めんどくさいケンカをしたくなかった。彼が笑ってくれるなら、我慢することは当たり前だった。
心がすり減って疲れきってしまったとき、彼氏と別れた。
彼氏を嫌いになったわけではなかったのだ、と今になって思う。
私は我慢する生活から離れたかったのだ。
我慢しろ!と誰かから言われたことは、たぶん、一度もない。我慢をするかしないかを決めるのは自分だ。
私は自分の気持ちを表現することが下手くそだった。我慢することで相手も自分も嫌な気持ちにならずに済むなら、と。そうする方法しか知らなかったのだ。
私は我慢していた。
そう、私は我慢していた。それしか方法を知らなかった。
今の私は、我慢と上手く付き合えるようになってきた。
これは、主人の存在が大きく影響している。
私の主人は基本的に我慢をしない。
そんな彼からいつだったか言われたのは「お前がしたいことをしたらいい。それでお前のことを嫌いになるわけじゃない」ということだ。
確かに私は我慢をしない彼のことを嫌いだと思ったことはないし(腹が立つことはある)、彼から嫌いだと言われたこともない。
私のように、自分の気持ちをセーブすることでしか周りの人と付き合う方法を知らない人がいる。
絶対いる。
その人に伝えたいのは、我慢しすぎる必要はないということだ。
我慢が必要なときは必ずある。
でも、我慢し続ける必要はどこにもないし、我慢をすることが円満の秘訣ではない。
我慢をするのをやめたからといって、周りからのあなたへの評価はさほど変わらない。
もう少し、自分を大切にしても良い。
あなたが我慢をしていても、誰一人喜ばない。
私は我慢していた。
今では、我慢と上手く付き合っている。

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