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ゼンリンミュージアム特別展:『遠ざかる「世界」、キリシタンが待ち望んだ「世界」』を見てきた話

注意事項

某アプリゲームのキャラクター・天草四郎時貞に感化された著者が執筆しております。何のことか分からない、または、ご理解いただけない場合は閲覧をお控えください。



ゼンリンといえば地図

まず、ゼンリン(ZENRIN)という会社をご存じでしょうか。少し前まではGoogleマップの端っこに小さく社名が書かれていたため、見覚えのある方も多いかもしれません。地図情報を扱う会社では国内最大手といわれています。

本社は福岡県北九州市にあり、大型商業施設・リバーウォーク北九州には地図に関する博物館を構えています。
今回訪れたのはその博物館「ゼンリンミュージアム」。本記事でご紹介するのは特別展の方です。常設展は別途記事にいたします。

本題

で、それを踏まえて。
今回の特別展のキーワードは古地図と潜伏キリシタンの信仰用具です。地図から一体何が見えるのだろう?

▼ 博物館入館用のエレベーターホール。一見、業者以外入れなそうな様相を呈していますがこれが正しい入口です。

ご多分に漏れず、写真撮影は禁止です。代わりに、公式ツイッターアカウントで綺麗な写真がアップされています。

特別展用の展示室はそれほど広くありませんが、展示されているのが主に古地図なので一つひとつの情報量が半端ないです。じっくり見ていると1時間ぐらいかかってしまいます。

1549年、宣教師によってキリスト教が日本に伝えられるとともに、それまでヨーロッパの人々にとって謎に満ちていた「ジパング」の情報は、世界地図の形で表現されていくこととなります。

特に面白いと思ったのは、日本の地名の表記。長崎だと「Nagasaqui」、天草だと「Amacusa」。ローマ字とは微妙に異なるところがなんか可愛いと思っちゃいました。これだけでずっと見ていたくなる。

ちなみに、古地図含めた展示資料の写真とキャプションはほぼ全て配布パンフに掲載されています。大盤振る舞いすぎない?

▼ ゆえにこの厚みである

ご存じの通り、1637年に勃発した島原の乱を受け、江戸幕府はいわゆる鎖国体制を取っていくこととなります。ここらへんの話が一番聞きたいのではと思っているのですが、今回の展示ではあくまでターニングポイントとしての位置付けでした。なので、島原の乱自体の説明は少なめ。その代わり、世界文化遺産「長崎と天草地方の潜伏キリシタン関連遺産」の展示が少しだけ用意されていました。

禁教令と鎖国を境に、世界地図に描かれる日本の情報も乏しくなっていきます。同時に、潜伏キリシタンたちは独自の信仰用具を生み出していくことに。

マリア地蔵やメダイは天草の史料館に行ったときにいくつか見たのですが、今回初めて見た信仰用具も色々ありました。鞭とか、水入れとか。特に印象的だったのは「着衣入り竹筒」。殉教者が身に着けていたものを聖遺物とする、という信仰が妙に心に刺さりました。

閉ざされる世界の中、潜伏キリシタンは貝殻の陰影にも信仰を見出していくのですが、その執念は某ゲームの彼に似たものを感じなくもないです。その想いが受け継がれる先に、思いを馳せずにはいられない。

※ここからはゲームのキャラの話です
この特別展においては、特異点とまではいかないにせよ、島原の乱がある種の転換点として位置づけられているように見えました。ゲーム内の天草四郎の意志と併せ見ると、何か皮肉めいたものを感じます。
天草で訪れた史料館では、一般的な島原の乱の定義そのものに疑問を抱かされましたが、今回の特別展で表現されたそれとはやはりイコールではないと思いました。
彼に訊けば、「解釈は如何様にも」と答えられてしまうのだろうか?

その後、幕府の開国により再び日本は世界と出会い、来日した宣教師による「信徒発見」により、潜伏キリシタンも待ち望んでいた「世界」と再会する、というのが本特別展のしめくくりでした。

おまけ①:ノベルティが豪華すぎる件について

こんな豪華なチケットケースがもらえます。今回の特別展限定デザインらしいです。これだけでも入館料1000円の元は取れる気がしますが、常設展で追い打ちをかけられるのでお覚悟を(1フロアしかないのに観終わるのに数時間かかりました)。

▼ ポケットが複数ついていて機能的。つくりもしっかりしています。

おまけ②:お土産類

博物館と言えばミュージアムショップとカフェ。ゼンリンミュージアムにももちろんあります。

ちなみにリバーウォーク内には別店舗で地図に関する雑貨屋さんもあり、こっちもめちゃくちゃ楽しいです。

今回は色々買いました。ポストカードとクリアファイルとマスキングテープと、長崎のお菓子をいくつか。

▼ 地図のクリアファイルとポストカード。シュールだけどオシャレ。今回は特別展にちなんで長崎多めで。

▼ マスキングテープ。格好良すぎる

▼ まあ、やるよね……。

ちなみにクルスは長崎銘菓です。ノーマルはショウガが効いたせんぺいのような硬めの焼き菓子でホワイトチョコを挟んだもの。今回は店員さんおすすめの苺味と抹茶味を買いました。素朴な味で美味しいです。コーヒーにも紅茶にも合います。

▼ 長崎ふうけいは一目惚れジャケ買い(言い方)。中身は落雁みたいなお菓子でした。緑茶に合います。歴史のキセキ。思わず口に出して唱えたくなる。


福岡(北九州)の特別展は2022年2月13日(日)まで。東京(渋谷)は2月19日(土)~2月27日(日)に開催されます。蔓延防止措置などの影響があるかもしれませんので、詳しくは公式サイトをご覧ください。

ここまでお読みいただきありがとうございました。著者がヘトヘトになった常設展の記事はまたの機会に。

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