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ーお客様は神様です?ー

「お客様は神様です」というフレーズは、演歌歌手の三波春夫の言葉とされますが、JR分割民営化前の国鉄は、乗客に対するサービスが非常に悪く、それゆえ接客態度の改善を目的として、このフレーズが広まっていったのではないかと記憶しています。

 国鉄の職員は、公共にかかわる事業に従事していて、純粋に公務員ではないけれども、一般企業の会社員でもない、中間みたいな存在でしたね。

 昔は公務員も、国鉄の職員も、ほとんど接客態度なんて重視していなかったと思います。いわゆる「お役所仕事」というところも多かったでしょう。

 でも、だんだんと国や地方自治体も財政難になり、市民からも特権意識への批判が高まってくると、公務員ですら市民を「お客様」みたいな扱いをするようになってきます。私も近所の市役所に用事を済ませに行くと、申請書類の受け渡しに「○○のお客様~」などと言う市役所の人に出会うことがありますが、正直、違和感しかありません。公務員は確かに「全体の奉仕者」であるかもしれないけれども、その相手を「お客様」と扱うのは・・・「お客様」と扱っておけば、文句も出ないのでしょうが、本質的なところにズレがあるように感じます。

 海外では、接客は確かに一定のサービスが求められるけれども、それ以上の要求をしてくる相手に対しては、もはやお客様でも何でもないからお店から出ていってもらう、というようなケースもよくあるそうです。

 日本でも、ときどき、土下座や金品を要求する客、みたいなニュースが流れることがありますが、これはいけません。強要・業務妨害として刑法に触れる可能性があります。

 近ごろはそうした方々は「クレーマー」として処理され、一般にも理解されるようになってきたと思います。いい傾向なのではと思います。

 一方では、サービス業の経営者みたいな方になると、従業員に対して過剰な接客態度を求めるケースも少なくないのではないでしょうか。そうした風潮は、かえってクレーマーを増やしていると言えなくはないでしょうか。







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