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月命日と自分の退職祝いにアンスリウムを買った話

今日でエルが旅立って一ヶ月が経つ。
私は先週、最終出勤を終えて有給休暇に入った。
週末は母と近くの旅館に泊まって、ようやく今日から無職っぽい時間を過ごしている。

もともと社会人になってから母と連休を合わせて旅行に行くのは恒例だった。といっても京都と名古屋の2回だけ。その後コロナ禍になってしまった。時を同じくして(ちょうど日本でダイヤモンドプリンセスでコロナが初めて確認されたころ)、父がかなり遠い土地に単身赴任になり、旅行中にエルの世話をできる人がいなくなって、ここ2年母と遠出をすることはなかった。

2月下旬に父が単身赴任先が戻ってきて、半月経ってエルが歩けなくなった。お父さんのこと待っていたんだね。

母はよく、父が戻る前の元気なエルに「あと3年は生きてね(14〜15歳まで)」と話しかけていたが、私は「お父さんが帰ってくるまで元気でいてね。」と思っていた。目に見えてしんどそう、ってことはなかったんだけどなんとなく長くない気がしていて、父が戻ってくると知った11月頃から、「あと3ヶ月頑張ろうね」、「あと何日だよ」なんて声掛けてたなあ。

エルがいなくなって、一番に浮かんだのは旅行できるじゃん!ということ。旅行できちゃうのが悲しいことなんだけど。

6/15に火葬を終えて夜、旅館を予約した。家から車で30分くらいの温泉地。遠出と違って交通費もかからないからって客室露天風呂がついてる部屋にした。

チェックイン前日になって、楽天トラベルもじゃらんも予約確認したけど予約状況が探せず、混乱。たぶん火葬後の通常メンタルではないときに予約したからか、予約時の状況を私も母も覚えてなくて、このサイトで予約したのね!とびっくり(笑)どんなコースなのかも覚えておらず、当日のお楽しみということになった。

宿で晩ご飯を食べているときに、お酒を飲みながら母とここ1ヶ月の話になる。
エルが亡くなったときの状況、数日前の私の退職、退職してから夏はエルと家でゆっくり過ごそうと思っていたこと、久々に思い返したらぼとぼと涙が落ちて母がびっくりするくらい泣いてしまった。こういう泣き方をしたのはほんとにエルが亡くなったときと火葬されたあと、それにこの時だけだったかも。一番いまも辛いのは亡くなったときの状況かな。

チェックアウトして、地元のフリーで絵を描いている方のアトリエに向かう。その方は保護猫3匹を飼われていて、動物の絵の受注を受けて作品を作ってくれる方。母とこの一ヶ月、エルの絵を描いて欲しいねってずっと話をしていてようやく伺えた。


オーダーのメモ

完成が楽しみ。

その後、ずっと欲しかったアンスリウムを買いに元の職場近くに行く。

エルが亡くなる前から自分の退職の節目としてアンスリウムを買うことは決めていた。でも亡くなって、より強くアンスリウムを欲しいと思った。勝手にこじつけて私が縁を感じているだけなんだけれども。

2020年11月、職場の生き物係になった。いくつかあった観葉植物の水やりってだけなんだけど、前の担当の人が異動されたのに伴って。

最初はそんなに関心がなかったんだけど、よく見るとちゃんと葉をつけて丈も伸びて可愛いなと思うようになった。

2022年、年が明けて私の部署の解体を知り、エルの体調がだんだん悪くなっていき、たぶん私は参っていた。そんな中でも花をつけるアンスリウムは癒しで、花は個体だけど意志がないから枯れても立てなくなるほど落ち込むことはないし、手をかけた分だけ育つからエルの体調不良で塞いでいた私には救いのような存在だった。

5月あたりから会社の備品も次第に欲しい人が持ち帰るようになった。

アンスリウムも例に漏れず、もちろん愛着はあったけど大きな鉢を持ち帰って育てよう!という気は私にはなくて(他の背の高い観葉植物も寄せ植えされていたので、アンスリウムだけなら欲しいと申し出ていたかもしれない)、職場の人(産休中)のご実家で引き取ることが決まっていた。

6/13出勤。もしかしたら時間によってはエルはもう家で亡くなっていたかもしれない。
その日に産休中の上司とそのご両親かいらっしゃってアンスリウムを持って帰った。車まで運ぶのを手伝った。
夕方、母から会社に連絡が入り、エルが亡くなったことを知る。その日のメンバーに断り定時より30分早く早退する。

6/14出勤。産休中の上司はこの日も顔を出しに来ていた。2月にその上司のご実家の猫が大往生の末亡くなったことを知っている。前日のことを自分から言うつもりはなかったがやっぱり他の人から伝わるもので、虹の橋の話をされた。

上司は何も悪くない、悪くないんだけどエルの体調不良に比例してアンスリウムは花をつけて、そこに癒しを求めていた私は職場からアンスリウムが無くなった日にエルが亡くなったことをこじつけている。

ほんとは6/14エルの体がまだ残っていて自宅にまだいるこの日にアンスリウムを買って帰ろうかと思った。でもアンスリウムが枯れてしまったら、と考えるとエルとアンスリウムを同一視して取り乱してしまいそうだからやめた。毎朝コーヒーをドリップしていたので、最後の朝その香りを嗅いでもらおうと、代わりに新しいコーヒー豆だけ買って帰った。

ようやく手元にきたアンスリウム。なるべく枯れないように新しい花を増やせるように頑張りたい。

絵のオーダーに合わせて撮った写真
職場のと同じくピンクではなく赤にした
前記事で書いてたスマホケース完成

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