子供を持つことへのもともとの考え

先述の通り、私はこれまで子供を持ちたいとは考えていなかった。

幸せにできる自信がないから。自分の人生はいくらでも切り拓けるし諦められるけど、子供は自分の分身じゃないし他人だから、私が手を加えることができない。

もちろん育児や精一杯のサポートはするけど、別の人格である私がその子のためにできることなんてたかが知れてる。だからあとは本人次第なのだ。

だけど、そもそも目的なく産み落とされて、「はい、あなたの人生がスタートしたから自分で頑張ってください。サポートはするよ。」って子供からしたらそんなの拷問でしかないと思う。自分の意思で人生をスタートしたわけじゃないのに、自分の意思で終えることもよしとされていない。

血が繋がってるだけの他人の人生を勝手にスタートさせる勇気がない。

人生は細々と困難があって私はそれをなんとか乗り越えてきてはいるけど、私がなんだかんだで乗り越えられたようなちょろい人生を子供が歩むかどうかもわからない。

日本の政治も全然いいと思えないし地球温暖化も進むし、私より後の時代を生きる子供のほうが広義での外的要因による生きづらさが大きいと思う。

狭義の外的要因で言えば、家庭環境と経済環境だろうか。長い話になるが私は地方出身で高校までは地元の公立、大学が東京の私立だった。ゼミで仲の良かった私含め5人のうち、3人が実家住まいでいずれも小学校や中学校から一貫の私立だった。そしてもう1人が地方(と言っても東京並みに栄えているような街)出身で高校から東京に上京していた。だから、実質私だけが地方出身と言える。

そのメンバーで将来の話になる時、中高一貫私立だった子は、自分の子供にも中学受験してほしいと言っていた。自分は私立でよかったから子供にもそうしてほしいって。私自身は大学以外公立だけど、公立だから嫌な思いというのはしてこなかった。逆に私立だからこその良さも知らない。結局人は自分が経験したものの中からしか人に何かを推奨することは出来ないのだと思う。だけれども実際に、絶対に子供は私立がいいという友達を見て、自分自身がその選択肢で正解だったと強く思っているなら、私は経験したことない中学受験も子供にとってはありなのかもしれないなと感じた。

実際に私も大学から東京に出て就職でまだ地元に帰ってきたけれど、東京での大学生活というのはすごく大きかった。お金持ちが多い大学だったから、あまりの生活の違いにびっくりしたことや、身なりにお金をかけられるようになって好きな服で自信を持つことができた経験はこの4年間があってこそだ。自分の視座が広がったのは間違いなくこの4年だ。だから、私も子供ができたら一度は東京での学生生活を薦めると思う。東京での生活でさえ自分が広がったと思うことが多かった。だから私は経験したことがないけれど、中学受験とか海外留学とか、子供が望んだなら叶えてあげたいと思う。

これを入力しながら、私の両親は地元から出たことがない高卒同士で、どちらも家庭環境で大学に入ることを諦めていたことを思い出した。自分が経験したことがない(経験できなかった)大学への進学を快く送り出してくれた両親はすごい器量だったんだな、と初めて今思った。

そういえば私は小さい頃からやりたい習い事はなんでもさせてもらえたし、歯並びにコンプレックスがありながらも矯正できなかった母は私に同じ思いをさせないように、小さい頃からいずれ必要になるかもしれない矯正代を用意してくれてた。

そういったことから、私は家庭環境にはすごく恵まれていると思う。社会人としてお金を稼ぐようになった今、ここまでお金をかけてくれた両親には感謝しかない。そして、自分が同じように子供にしてあげられるかというと全く自信がない。

だからそのためにも転職というのは大事なキーになってくる。

広義の外的環境は私の力では到底変えることができない。変えられないことが分かりつつ、そんな時代に子供を残すことへの不安がある。

家庭環境や経済環境も、私の両親ほどにやってあげられる自信がなく、これもまたそんな気持ちで子供を産み落としてはいけないと感じる。

そもそも、目的なく生まれてきて成人したら自立して就職して納税してね、なんて勝手すぎるシステムだと思うのだ。一応私はそのシステムに順応してやってきているけど、このシステムへのストライキとしてずっとバブバブやってたい🍼

だからどうかこのシステムに合意した者だけが生まれてくる事前同意制にならないものかと思う。(なんかそんな本最近出てたよね、まだ読んでない)

余談になるけどモーニング娘。の愛の軍団という曲に「目的知らずこの世に生まれ年重ねた今 いつのまにやら使命感的な何かが生まれてきたのは事実」という歌詞があって、やっぱりみんな目的なんか知らないけどやってくしかないんだろうな〜と思う。

一つ前の記事から続く、私が子供を持たない理由の二つ目は上記の通り。

ここまででもだいぶ長いが、もう少し続けたい。
『夏物語』の善百合子のパートにもあったように、寝せたままのほうがいい卵だってあると思う。
くどくどと中学受験だの大学進学だのについて書いたけれど、健康な体があってこそだ。

衆議院議員のあの人だって「母親になりたかった」って卵子提供で高齢出産したけれど、子供本人は先天性の重い病気を抱えている。

出産して母になる夢は叶ったかもしれないけど、自分がこの世に召喚した子供は闘病していて、それであなたの夢は叶いましたか?それは正解でしたか?って思う。

自分のエゴで子供を産んで、本人は五体満足に生きられない。善百合子の言う起こすべきではない卵はこのことではないか、と常々思ってしまうし、自分の子供だって健康でいられる保証がなくて、やっぱり子供を産むべきなのかがわからない。

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