夜の深さも哀しさも知って強くなった
<ショートムービー1.1/205字フィクション>
ふたりは、別れの途上だった。
なのに、また、遭ってしまった。
偶然なのに、運命とか言ってのける男。
勝手な思い込みが、ものごとを複雑にする。
男はないものを求め、女はあるものしか信じない。
男と女は、別の方向を見ている生物だ。
違いに気づく瞬間に、恋が生まれ、
距離を縮めようとするところに、愛が生まれていた。
しかし、埋まらないギャップが、亀裂になり破綻になる。
愛は、コロンの森苔の淡い匂いのようなものだと、女は知っている。
※タイトル画像は、ヘルムート・ニュートン撮影
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