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Qosmo Lab

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「Qosmo Lab」では、Qosmoのメンバーの実験的な取り組みやプロジェクトの技術解説、制作の裏話などを個性豊かに配信しています。 Medium (English) htt… もっと読む
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#テクノロジー

Neutoneを使うミュージシャンの声 (2) ー RAVE bird モデルは、クラシック音楽で鳥のさえずりを使う歴史の論理的な進歩【作曲家 Darragh Kelly】

Qosmoで開発されているAIを用いた音色変換プラグイン、Neutoneを実際に使用しているミュージシャンにインタビューを行う企画の第二弾。 AIを使った作曲を多く行なっているDarragh Kelly に、AIをクラシック音楽の文脈で用いることにおける可能性についてインタビューを行った。 ➖DarraghはこれまでAI用いて多くの作曲を行なってきましたよね。なぜ自身の作曲にAIを用いているか、また、AIを用いるようになったきっかけなどについて、詳しく教えていただきたいです

AIは音楽を変えるか? リアルタイムの音色合成/音響処理を可能にするAIプラグイン・プラットフォーム『Neutone』の紹介

2021年の初頭。私は、人工知能(AI)を用いた人間の創造性の拡張の可能性について説く『創るためのAI—機械と創造性のはてしない物語』を上梓しました。この本で、AIは単なる人の模倣ではなく新しいアイディアを与えてくれる存在として描かれています。中でも、自分が最も興味がある表現領域=音楽におけるAIの活用や新しい音楽の可能性について、自分でも意識しないうちに一番多くのページを割いていました。私自身もこれまでAI音楽生成を用いた音楽作品やパフォーマンスなどを実践しています。 A

AI研究と音楽表現 - テクノロジーの「誤用」をめぐって

このところ少し時間ができたこともあり、音楽の領域で新しいテクノロジー(サンプリング、シンセサイザー、ターンテーブル etc)がどのように使われてきたか、改めてその歴史を振り返っています。 音楽とテクノロジーの歴史の中で繰り返し現れるモチーフ。それは、アーティストがテクノロジーの開発者の意図からは「ズレた」使い方をすることで、新しい表現が生まれるというサイクルです。音楽テクノロジーの歴史は「誤用」の歴史である、そのことを痛感しています。 ‘The history of te

Emergent Music / 創発する音楽

※本記事はMedium掲載のBogdan Teleagaによる記事「Emergent Music」を翻訳したものです。 「誰もいない森で倒れた木は、音を立てるのか?」 アイルランドの哲学者ジョージ・バークリーによるこの問いはよく知られています。 しかし、みなさんは以下の問いについて考えたことはありますか? 「森の中や海の中で音楽が作られても、それを聴く人間がいなければ、それは音楽だろうか?」 私たちの見方や偏見が現象に反映され、まったく新しい意味を持つことがあります