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組織(*´Д`*)

夏の暑い日

2年くらい前かなぁ…

仕事で使う備品を取りにあまり冷えないクーラーがかかっている2階の倉庫へ行った時、
聞こえてきた男の子達の声。


「おい!お前こんなんも出来ひんのか~」

「ちゃんとやれや!」

「お前みたいなもんがそんなん言うな」

1人の男の子を囲んで、2、3人の若い他の部署の社員達が罵声を浴びせている。


チラッと覗くと、
その年に入った新入社員くんが地べたに這いつくばって作業してるようで…

それを先輩社員くん達が腕組みしたり、ダラダラしながら新人イビリしてる様子がすぐ分かった。


(゚-゚;)
なにあれ、、やな感じ…


しばらく見て見ぬフリしながら自分の用事をしてたあたし。


少ししたら彼らの上司であるリーダーが様子を見にやって来た。

それに気づいた先輩社員の1人が、オイ!って他の社員達に合図したら、蜘蛛の子を散らすように作業を始めだし…


「どうや?進んでるか?」

上司のリーダーが声をかけた。

「ハイ、やってます。」

罵声を浴びせてた先輩ボスは先ほどとは別人のように返事を返す。

またしばらくしたら上司のリーダーは帰って行った…


「あ~ぁ邪魔くさいわぁ、オイお前!ここチェック入れてあとやっとけよ‼︎」


(◞‸◟;)
「はぁ。。」

先輩ボスに言われて、小さな声で返事をする新入社員くん。


先輩社員達はそう言い放って、倉庫を出て行った…



新入社員くんはうつむいたまま
倉庫の机の引き出しを開けたり閉めたりしている…



(  ̄▽ ̄)ノ'
「ハイこれ、いるでしょ?」


(◞‸◟;)
「え?」


突然、よその部署のおばさんに声をかけられて戸惑ってる様子。。


(◞‸◟;)
「でも。。」



(  ̄▽ ̄)ノ'
「いーから…コレ、使いなさい。」

彼の探し物はすぐ分かった。
あたしは、ポケットに入っているマジックを新入社員くんに手渡す。


(◞‸◟;)
「スイマセン、ありがとうございます。」


彼は自分の作った箱にマジックでチェックを入れ終わると、

(◞‸◟;)
「ありがとうございました。」

そう言って、マジックを返そうとしたので


(  ̄▽ ̄)
「いいよ、キミにあげる。マジック持ってないでしょ⁉︎」



(◞‸◟;)
「ぁ…はい。」

挙動不審気味な動作が多分、先輩社員達のターゲットになっているのだろう。

新入社員くんは、オドオドしながらマジックを握りしめていた。



(  ̄▽ ̄)
「今、自分のポケットに何入ってる?」



(◞‸◟;)
「…ボールペン。。だけです」


そう言ってあたしに見せた。


(  ̄▽ ̄)
「あのね、キミの今やってる仕事は七つ道具が必須ですよ。ボールペンは基本で、あとマジックにカッター、短い物差しも用意した方がいいわ。物差しはね、長さ図るだけじゃなくてもし、カッターなかったら物差しでダンボールのガムテープ切れるでしょ?で、メモ用紙はだいたい現場にあるからそれ使いなさいね。」


(◞‸◟;)
「分かりました。。」


うなずく新入社員くん。



でも、キミはマシだよ…
あの先輩社員のボスくんは新人の頃、ボールペンすら持ってなかったんだから。。



(  ̄▽ ̄)
「それとね、、あ、いろいろゴメンね。地べたに物を直接置いて作業するのはやめよ。コレ、直で得意先いくやつやから汚れてたらクレーム来るよ⁉︎チョット見といてや。」

そう言ってあたしは新入社員くんのやりかけてた作業に手を出す。


(  ̄▽ ̄)
「まずね、全部下に並べるんじゃなくて
壁に積み上げて…段差を作ってから足元は動けるようにしよ。で、作業するのもなるべく机のある場所でね。」

あたしは、やりやすいだろうなぁと思うやり方を彼に教えた。


(  ̄▽ ̄)ノ
「よっしゃ、ざっとこんな感じ。じゃやってみて!」


(◞‸◟;)
「。。はぃ。」

ぎこちない手つきでゆっくりと作業を進めて行く…

人には向き不向きがあるから
慣れるまで時間かかるけど、これも仕事だからね。。


(  ̄▽ ̄)ノ
「うん、そんな感じ。もー大丈夫だね、じゃあたし下の階で作業してるから、もしガムテープの替えがなくなったら取りにおいで。」



(◞‸◟;)
「ハイ、ありがとうございました。」


落ち着きない感じで返事をする新入社員くん。


あたしは自分の作業用の備品を持って
倉庫を後にした。




そして、そろそろ就業時間が終わり近くになる頃

同じ作業してる同僚さんがあたしに

「ちーぼーさん、ちーぼーさん!何かドアのとこ、、変な感じでコッチ見てる男の子おんねんけど…ヾ(・・;)」


(  ̄▽ ̄)?
「あー、新入社員くんか。。」

あたしはガムテープの替えを小さな袋に何個か入れて彼の元へ向かった。


(◞‸◟;)
「あ、すいません。」

そう言えば彼に名前ゆってなかったな。
声かけられなかったんだ


(  ̄▽ ̄;)
「気付くの遅くてごめんね~、ハイこれ。余ったら倉庫の机に置いといていーよ、明日もいるでしょ?」


(◞‸◟;)


コクリとうなずいて、新入社員くんはまた戻って行った。



次の日…


また倉庫へ備品を取りに行くと、
例の如く、新入社員くん含め今度は作業が間に合わないと踏んだ上司が何人かを現場に投入している。



「おい、オイ!誰かマジック持ってない~?」

声を荒げる先輩社員ボス。


すると、新入社員くんがスッと胸ポケットからマジックをボスに差し出した。

'\(◞‸◟;)
「あの、、、どうぞ。。」


「あ⁉︎何やお前?、、ちょ、、チョット貸せやー!」

そう言ってマジックを取り上げる。



(  ̄▽ ̄)
あ、、

あたし見ちゃったんだ。

新入社員くんの胸ポケットに七つ道具が刺さってるのを…



(*´ー`*)
ん。よっしゃ…




あれからあたしは他の作業場所に変わったり、人手の少ないとこ応援したりして倉庫へ行く事なくなったけど、、、
今でもあの時の新入社員くんとはたまに社内ですれ違います。
話す事はないけれど、あんな扱いされてたのに辞めてない彼はホントよく頑張りましたね。。


もし、彼がこれからもずっと会社を続けてて
自分に部下や後輩が出来たら
その子達にマジックを返してあげてほしいなぁ

年数が経験を生んで
人の気持ちに気付ける人になってほしい
あたしからの願いです
(*゚ー゚)

見てくれてありがとう〜☺︎

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