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原子力シリーズ番外編~放射能の基礎知識~

こんにちは、QoiQoiの大橋悠太です。
今回も原子力シリーズですが、一旦原発を離れて原子力の根幹を担っている放射能という力について説明したいと思います。
名前だけは知っている方も多いと思いますが「放射能」とは何なのか、どういった特徴を持っているのか等、詳しく知っている方はそこまで多くないと思います。
今回は難しくない範囲で、放射能や放射線といった用語の解説や、意外と身近に存在する放射能に関してまとめてみたいと思います。
言葉が一人歩きして風評被害などが起きてしまっている現在、正しい認識を持つことも必要だと思いますので、ぜひ読んでみてください。

ではいきます。

目次
1、放射能とはなんだ?
2、放射能の単位
3、身の危険が迫った時はどうする?
4、まとめ

1、放射能とはなんだ?
放射能とは放射線を出す能力のことを言います。
そして放射線を出すのは放射性物質です。これは物質なので、よくある「放射能がうつる」といったウイルスや感染症のような性質は持ち合わせていません。
では次に放射線とは何かというと、放射性物質が出す目に見えないエネルギーの事です。このエネルギーは非常に強く、人間の身体の細胞を作っている原子の繋がりを引き裂いてしまうくらい強いんです。だから放射線を浴びすぎてはいけないと言われるんですね。
それから放射線には、発生源である放射性物質から離れれば離れる程、周囲に与える影響が低くなるという性質があります。

これらをもう少し取っつきやすいイメージで説明してみようと思います。
例えばポケモンで例えてみます。
ポケモンはある程度強くなっていくと進化する性質があります。
この時、ポケモンが進化する能力の事が、放射能だと思ってください。
そして進化するときポケモンは光を発してエネルギー放出します。これが放射線と言うわけで、光は離れれば離れる程まぶしさが和らぎますよね。

↑©Nintendo[任天堂]:ポケットモンスターオフィシャルHPより

まあイメージですので、例えばドラゴンボールのサイヤ人とかゴジラのレーザー照射、ウルトラマンのスペシウム光線なんかでもいいかなと思います。
とっつきにくい放射能や放射線という言葉も、こうしてイメージを変えてみると理解しやすくなるので、僕自身調べながら何か例えられるモノは…? と探しながら勉強しています。

2、放射能の単位
では次によく聞く放射能の単位、「ベクレル」と「シーベルト」について書いていこうと思います。
「ベクレル」とは、放射性物質にどのくらい放射線を出す能力があるのか。を示しています。1ベクレルで1回放射線を出すこと表すので、例えば同じ1gの物質でも100ベクレルのモノもあれば、1000ベクレルのモノもある、ということですね。
それから放射線にも実は何個か種類があります。
主には3種類、アルファ線、ベータ線、ガンマ線というものがあり、それぞれ通り抜ける力(透過力)が違います。その力はアルファ線が一番弱く、ガンマ線が一番強くなっています。下の画像にも分かりやすくまとまっていますので、見てみて下さい。

↑環境省 放射線の基礎知識.pdfより

僕も自分で調べてみて分かったことですが、各電力会社所有の原発のHPや環境省や経産相のHPなどで、放射能や原発の仕組み、廃炉に関することなどをまとめており、かなりの量の資料がネットにあります。より詳しく知りたい方はそちらも調べてみてください。
(こちらの「エネ百科( https://www.ene100.jp/ )」もオススメです!)

ちょっと脱線しましたが、「ベクレル」が単位の場合、1ベクレルで1回放射線を出す、そしてその時出るのは一つ前で説明した、アルファ、ベータ、ガンマどれか一つの場合もあれば複数同時に出ることもあります。それは各放射性物質によって変わってきます。

次にニュースなどでもよく聞く「シーベルト」という単位ですが、こちらは人体が放射線によってどの程度影響を受けるのかを数値化したものです。
実際には受ける放射線の種類によって透過力が違うことや、人体のどこに受けたか(内部からか、外部からか)よっても影響度は変わるのですが、「シーベルト」は分かりやすくするため平均値として表されています。この単位が使われている場合は、自然・人工放射線や内部・外部被ばく問わず人体への影響度は同じです。
一般的には100mSvを浴びると、人体に明確な影響が出ると言われています。具体的には生涯でガンになるリスクが0.5%高まると言われています。これは生涯の累積ではなく、人体には放射線で傷ついた細胞を修復する力があるので、自然界の放射線だけなら人は問題なく生活できます。一度に多く浴びてしまうと細胞の修復が間に合わなくなってしまいます。
人は7~10Sv(7000~10000mSv)を浴びると確実に死んでしまうと言われています。そこまで強力な放射線を浴びる機会は原子炉に裸で突入しない限りはあり得ませんが、放射線というエネルギーの強さは理解していただけると思います。

3、身の危険が迫った時はどうする?
ではそうした放射線を浴びてしまうような機会に遭遇してしまった時などは、どのようにして身を守ればいいのでしょう?

まずは放射性物質がある場所には近付かないこと。もしも近くに迫っているのだとしたら、すぐに離れることが大切です。放射線は離れれば離れるほど影響は低くなると言いました。実際、同じ強さの放射線を出す物質から一定の距離とその2倍離れた場所で観測した場合、2倍の距離あれば影響度は4分の1になるという研究結果が出ています。

そして次に重要なのが、できるだけ厳重な壁の厚い建物に避難をすることです。放射線の種類にあったガンマ線は、数十センチの壁も通過してきます。なのでしっかりとさえぎることができる場所に避難をしましょう。

最後は放射性物質を取り込まないことです。空気中に舞っている可能性があるなら吸い込まない、服や靴についたのならしっかりと落とすか処分することが必要です。
過去の事故であるチェルノブイリ原発事故では、国の発表が遅れ放射能汚染された牛の乳や野菜などを食べてしまい、内部被爆によって多くの人が苦しみました。

このような対策を自分自身でしっかりと出来るようになっておくことで、いざ危険が身に迫ったときに慌てずに判断できると思います。
上記の状況は何か事故が起きた直後などに、して欲しい対策です。震災から10年たった福島では、除染も進み何度も検査して食品などを販売しています。
過度に恐れるのではなく、知識をつけた上で自分でも調べ正しいと思う判断をして欲しいと思います。

4、まとめ
いかがでしょうか?
読んでくれた皆さんの中で少しでも放射能というモノのイメージがはっきりして、どう扱えば良いものか考えやすくなったでしょうか?
知らずに恐れるよりも、知って正しく恐れるということが大切だと思います。

気になる部分がある方はコメントで聞いてもらったり、紹介したHPなどでさらに調べて見て下さい!
放射能についてのお話でした。
ではまた。

QoiQoi 大橋悠太

QoiQoiプロフィール
2018年2月9日に大橋悠太と吉次匠生によって結成されたアートユニット。 当初はano(アノ)として活動していたが、2020年10月1日より団体名を改めQoiQoi(コイコイ)として新たな活動を始めている。

また、「想像力を創造する」を信念に演劇、映像、インスタレーションなどさざまな分野を飛び越え作品制作を行う。団体名のQoiQoiもquality of imaginationが由来である。 また、社会問題から個人の体験まで幅広い事象を可視化し、常に観客に「当事者性」を提示する作品作りが特徴である。

このnoteでは作品制作のことを中心に、被災地のことや原発のこと、その他考えたことなど、読んでくれている方へなるべく為になるような記事や僕らをより知っていただける記事を書いていくことを目指しています。
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