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【第1回】ハルウララ【馬生シリーズ】

ハルウララは幼少期の頃から小柄で臆病な性格だったそうです。セリ市に出された際、小柄なハルウララは競走馬に必要なパワーがないと判断されて買い手がつかなかったみたいです。なので生まれた牧場の信田牧場が所有する上で高知競馬場の調教師宗石大に預託しました。

ここで問題が一つ。調教師に預けたら発生する年間費をどうするか?です。
ハルウララがレースに出走して勝てば賞金を獲得すればお金の問題は解消されたのですが勝利を挙げることができず、賞金を獲得することがあまりなかったのです。

ではどうやってその問題を解決したのか。それは「出走手当」です。   当時は1回出走すると6万円の手当が貰えたため、年に約20回ほど走ることで120万円ほど貰えたので競走馬として続けることができました。

2003年夏、高知競馬場の実況アナウンサー「橋口浩ニ」アナウンサーが100連敗しかけのハルウララに気づいて(面白そうだ)と地元の新聞会社に話を持ち込みます。それを聞いた高知競馬関係者が中央マスコミに売り込みをかけたことで全国的にハルウララは知名度が爆発的に上がり人気者になったのでした。

当時の高知新聞の見出しは『1回ぐらい、勝とうな』と書かれていました。

ハルウララの単勝馬券が『当たらない』ことから「当たらないから交通安全の御守りになる」という理由で買う人も多く現れました。

ハルウララが人気になった理由の一つに『連敗』があるので宗石調教師の周り人達は「勝たしてはダメ」と言う中、宗石調教師は「より一層勝たせたい」と述べており、厩務員の藤原さんは「勝ってほしいです。一度でいいから。勝ってほしくて世話してるわけだから」と述べています。馬主の牧場側は「勝たないと親であるヒロインの仔が高値で売れなくなる。『どうせ走らないんだから』と足元見られる」と全国に広まった連敗報道には不満もっていらっしゃいました。

その後なんとあの武豊騎手が騎乗したレースがあります。                                                               【YSダービージョッキー特別】       

そのレースの馬券売上は5億1163万円。高知競馬史上最大額を更新したのだとか。

武豊騎手は初めハルウララに対して嫌悪感を抱いており、「競馬の本質を離れた大騒ぎ」された馬だと怒りすら覚えていましたがレース当日1万3000人もの観客を見て「乗ってみたい」とハルウララに対する思いが変わったのでした。

レース後のインタビューで武豊騎手は「『強い馬が、強い勝ち方をすることに、競馬の真の面白さがある』と僕は思っています。しかし、高知競馬場にあれだけのファンを呼び、日本全国に狂騒曲を掻き鳴らした彼女は、間違いなく"名馬"と呼んでもいいと思います」と評してます。

(ただやはり辟易していたみたいでGIレースを勝った馬より騒がれてることに理解し難かったみたいです。)

それからハルウララの人気は続き、何度かレースに出走するのですが2005年3月に引退することとなった。

その後〈安西美穂子〉という人が信田牧場側に引退後は乗馬クラブで余生を過ごさせるなどと言って無償でハルウララを譲り受けて馬主となったのですが他にも馬の面倒を見ていたため金銭的に厳しかったのだとか。なのでハルウララのグッズ展開して700万円以上の権利金を手にして「ハルウララ1勝プロジェクト」を立ち上げます。ハルウララを鍛えるためにトレーニングファームに移送させて調教させますが鍛えられたハルウララをレースに出走させるかと思えば出走させることなく「ハルウララ1勝プロジェク」は闇へと消えていいたのでした。

最終戦績は113戦0勝(2着5回、3着7回)

その後のハルウララはというと、安西美穂子はハルウララを千葉県夷隅郡御宿町にある「マーサファーム」に預託しますが半年後には預託料が支払わなくなり、安西は姿を消しました。誰かの所有された馬ではなくなったハルウララはそこで処分される形となるはずだったのですが

飼育員さんの宮原さんは(人間を楽しませた馬が人間の都合で消え去るかもしれない...)と考え、『春うららの会』を立ち上げ、1口3000円で寄付を募ったところ

希望者が続出し、ハルウララ宛に多くのファンレターが届いたのでした。 そのおかげで春うららの会員数は上限に達し、今もハルウララは『うーちゃん』と呼ばれて皆に愛されながらマーサファームで余生を過ごしております。

上にも書いている通り春うららの会は上限に達していて現在(2021/07/23)は募集をしていませんが『引退馬ネット』からの寄付は受け付けておりますので気になる方はチェックしてみてください!

ここまで読んでくださりありがとうございました。


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