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留学の目標&目的!

こんにちは。私は2024年9月から2025年4月まで、一橋大学より派遣留学制度を利用して、カナダ・バンクーバーのUniversity of British Columbia(ブリティッシュ・コロンビア大学、UBC)に交換留学します。

留学前に、留学の目的と目標を言語化して整理してみました。留学先を選んだ理由は割と現実的な話、目的と目標は未来志向の話です。


1. 留学先を選んだ理由

①英語圏

留学先の選定時には、基本的にカナダやイギリス、アメリカ、オーストラリアなどの英語圏を中心に見ていました。その理由は、英語力を集中的に伸ばしたかったからです。特に日本では伸ばすことが難しい、リスニングやスピーキングなどのコミュニケーション力を伸ばしたいと考えています。

もちろん非英語圏でも授業は基本的に英語で受けますし、日常生活も英語で済む地域も多いです。たとえば、オランダやベルギーなどのベネルクスや、デンマークやスウェーデンなどの北欧諸国は非英語圏でありながら、英語がほとんど通じると言われています。反対に、ドイツやフランスなどの主要国では、日常生活においてはその国の公用語が広く使われると聞きます。一説では、その言語の文化力や教育力、人口力が強ければ強いほど、その国は英語(圏)の影響を受けにくいと言われています。たとえば、映画やドラマ、歌、本などの娯楽が自国の言語で制作されればされるほど、自国の言語のコンテンツに触れる機会が多くなります。また、話者人口が多ければ、英語圏のエンタメもローカルの言語に翻訳されて普及します。さらに、学術論文がその国の言語で執筆されれば、大学などの高等教育を英語ではなく、その国の言語で提供することを可能にします。

よく日本人の英語力が低いと言われる要因の一つとして、日本語のコンテンツが豊富にあり、日本語で水準の高い教育を受けることができる、というものが挙げられます。思えば、家庭でも、学校でも、メディアでも、公共サービスでも、私の生活はすべて日本語で完結しています。

私は帰国子女でも、インターナショナルスクール出身でもなく、海外志向のバックグラウンドは全くありません。強いて言えば高校一年生の夏に、10日間の米国研修プログラムに参加した程度です。この米国研修は非常に思い出深いもので、今回の交換留学を志す大きなきっかけになりました。これについては、別途記事にまとめようかと思います。

②治安

東南アジアや南米などは、治安の観点で除外しました。所詮8ヶ月、されど8ヶ月。短期間の旅行と長期滞在はやはり性質を異にするものだと思います。サバイバル能力を上げる!というのならば多少治安の悪い地域に挑戦してみても良いかもしれませんが、私は今回が初めての留学・海外長期滞在のため、安全を優先しました。

判断基準としては、外務省の海外安全ホームページでレベル1の国・地域は除外し、英語圏の中でも比較的治安の良いカナダやオーストラリアを、イギリス・アメリカよりも優先的に希望を出しました。

③留学期間

私は3年夏〜4年春(夏)までの一年間(2学期間)留学し、その後1年留年して5年で学部を卒業し、就職すると決めています。ここで注意したいのが、就活との兼ね合いを考える必要がある点です。私は要領が悪いので、なるべく留学と就活が被らないように調整したいと考えました。

たとえば、オーストラリアは7月に出発し、翌年8月頃に帰国するスケジュールになります。つまり、始まりは早く、終わりは遅い。その点、カナダ(特にUBC)は最も帰国時期が早く、4月末または5月初旬頃になります。出発時期も8月末〜9月初頭と標準的です。その帰国時期であれば、就活もまだESを出し始めるような時期なので(コンサルなど選考時期の早い業界を除く)、オンライン面接など時差で苦しむことはないはずです。

④学生寮の入りやすさ

地味にこれは大事な基準です。なぜなら、住居が見つけられなければ、最悪留学を断念せざるを得ないからです。ホームレス生活するわけにもいきませんし、Airbnbで連泊すれば高くつきます。

近年、欧米諸国では移民・難民の流入増加などを背景に、housing crisis(住宅不足)が深刻化しています。確かに各協定校のfact sheet(各大学の概要がまとめられたもの)をざっと見ても、「家を見つけるのは非常に難しい」「家が見つからないまま渡航するな」などとかなり住居を見つけるのが厳しそうな印象です。実際、一橋の派遣先一覧表も、今年から「寮の入居可否」という欄が新しく追加されたくらいです。

その中で、英語圏などのアングロ=サクソン諸国は高校卒業後、大学進学または就職時に実家を出て寮生活または一人暮らしを始める人が多い、またはするべきという社会規範があると言われています。そのため、英語圏留学の場合、大学の学生寮に入ることが多いそうです。

UBCは保証はなかったものの、キャンパス内に大学運営の学生寮があり、full-year(1年)の交換留学生は入寮の優先権があったので、住居が万一確保できなければ留学を諦めることを覚悟して、UBCに希望を出しました。学生寮は抽選制だったので、正直、これは賭けでした。

⑤授業の取り揃え

一橋が社会科学系に特化した大学なのに対し、UBCは州立の総合大学です。一橋でももちろん一般教養で専攻外の科目は取れますが、やはり学生数も教員数も少ないので授業の種類が少なかったりします。その点、UBCでは一橋にはない特徴的な授業が豊富にあります。もちろん専攻の科目を中心に履修しますが、せっかくだから文化人類学や言語学の授業なんかも受けてみようかと思っています。

2. 留学の目的

①英語力の向上

日本での私の生活では、英語をアウトプットする機会が不足しがちなため、リーディングとリスニングは比較的得意ですが、ライティングとスピーキングは苦手です。典型的な日本人。だから留学は、多量のアウトプットを通じて英語力を向上させる、絶好のチャンスです。もちろん就活の時に、商社や外資系企業などの年収の高い企業に入れる確率が上がるかも!という下心もありますが、それ以上に私は純粋に英語が好きなのです。英語に限らず、昔から外国語全般を勉強することが好きです。昔取った杵柄で、今でも主要言語の「こんにちは」「ありがとう」だけは言えます。Duolingoは三日坊主ですが。……。

②異文化交流

日本でもできるけど!日本で異文化交流を図るためには、結構意識的にコミュニティに参加したり、外国人留学生に話しかけたりしなきゃいけず、正直結構ハードルが高いです。留学すれば劇的に変わる!、とは言いませんが、少なくとも外部環境を変化させれば、異文化に触れる機会が増えるのは確実だと思います。

③海外から見た日本を観察する

海外留学というと、つい海外について知ることばかりに目が行きがちですが、私は今一度「日本」について再考したいです。「日本」と表現していますが、ここでは広く「自分の生まれ育った環境」を指します。私は高校卒業時まで、閉鎖的で同質的なコミュニティに属し続け、自身を客観視することが難しい状態にありました。しかし大学入学以降、さまざまなバックグラウンドを持つ人と交流する機会を得て、視野が広がりました。中には目を見張るような出来事を見聞きしたこともありました。②ともリンクする話ですが、自分の生まれ育った環境とは異なる文化に触れることで、自らの視野を広げたいと思います。

④自分の専攻の学びを深める

私は現在、国際関係学・政治学を専攻しています。大学院進学の予定はないですが、学部レベルでも一橋にはないような授業を履修し、さまざまなバックグラウンドを持った人たちと議論を重ねることで、国際政治に対する知見を深められればいいなと思います。個人の経験や知識が学術的な議論の基礎になっていると思います。その経験は卒論にも、就活にも、社会人準備としても、趣味としても、必ず活きるはずです。さまざまな人の考えを吸収し、肌で実感できればと思います。

⑤小説のアイデアを収集する

これは留学の裏目的です。私は、小説や詩、エッセイを書くのが好きです。それはもう小学生の頃から。もはや生きがいといっても過言ではありません。もはや私の人生は執筆のためにあります。私の人生経験はすべて作品に収束します。豊かな人生経験が、珠玉の作品を完成に導くと信じています。詳細は過去記事参照

⑥精神面・生活面での自立

私は大学が通学圏内のため実家暮らしで、これまで一人暮らしや寮生活など、親元を離れて生活した経験が未だありません。これでは将来的にまずい、と危機感を覚えました。私は家事などの生活スキルが非常に低く、買い物での意思決定も遅い上に失敗しがちです。だから思い切って留学して、一人暮らしする機会を得て、強制的に自分を自立させれば良いのだ!と思いついたのです。留学は絶対親元を離れますしね。もちろん経済的自立は未だ困難であり、完全な自立とは決して言えません。しかし、せめて精神面と生活面の自立だけでもと思います。それがいつか完全な自立に繋がると信じています。始めて親元を離れて暮らす経験が海外というのは少々ハードルが高く、海外生活以上に不安が大きいですが、とりあえず生きていければいい!の精神で行こうと思います。

3. 留学の目標

2.の留学の目的を実現すべく、より具体的な目標や目標実現のための行動計画をまとめます。

①IELTS7.5

「①英語力の向上」という目的を具体化して、目標値を設定してみました。2023年10月時点でIELTS overall 6.5だったので、7.5を目指そうと思います。セクション別には以下の通りです。

今→目標
overall: 6.5→7.5
R: 7.5→8.0
L: 6.5→7.5
W: 6.0→7.0
S: 6.0→7.0

7.5は結構ハードルが高いかもしれませんが、目標は高く設定しないと成長できないので、これくらいに設定してみます。この目標を実現すべく、以下のような対策を講じたいと思います。

R: 授業のリーディングをきちんと予習する。知らない単語で何度も出てくるキーワードは、ノートにまとめて覚える。
L: 授業の話を集中して聞き、集中力を鍛える。YouTubeやニュースも英語のものを聞く。聞き取れなかったり理解できなかったら、有耶無耶にせず聞き返す勇気と素直さを持つ。
W: レポート執筆時にWriting Centre(カナダ英語はスペル表記はイギリス英語寄り、発音はアメリカ英語寄りと言われています)を活用する。SNSで英語で日記を書く。ボキャブラリー、特に頻繁に使う用語を覚える。表現の幅を増やす。
S: 授業のディスカッションで、事前準備の上、積極的に発言する。友達を作ってコミュニケーションを重ねる。(可能ならば)Tandemという言語交換プログラムに参加する。

②遊ぶ!

ボランティアやクラブ活動、イベント参加、旅行などを通じて、地元の人や多様なバックグラウンドを持った人と交流する、コミュニケーションをとる。勉強だけでなく、「遊ぶ」ことも、長い目で見れば必要な人生経験です。具体的には、以下のような遊びを計画しています。

ボランティア:日本でやったことがないので、カフェなどの飲食系でやってみたいです。
クラブ活動:未定。オリエンテーションの日の新歓を除いて、入りたいところがあれば入りたいです。
イベント参加:随時、イベントスケジュールをチェック。情報収集を欠かさず。特に芸術系は好きなので、美術や音楽系のイベントはできる限り参加する。予約が必要なのは早めに。
旅行:基本はカナダ国内を中心に、もし機会があればアメリカを見る。ビクトリア・シアトル(日帰りまたは1泊2日、学期中)、バンフ(11月の中間休み)、トロント・ナイアガラの滝・モントリオール・オタワ・ケベックシティ・プリンスエドワード島(年末年始)、イエローナイフ(オーロラ鑑賞、3泊4日または4泊5日、2月の中間休み)、ロサンゼルス(未定)

③日記やnoteで発見や考察を言語化する

日本史や日本の文化について勉強し直し、それを海外にも発信する。日常生活の中で気がついたことを日記やアルバムにまとめて、noteなどでまとめて言語化する時間をとる。

④授業や図書館をフル活用する

ディスカッションの時に自分の意見をきちんと言えるように、事前準備を怠らない。大学の図書館を活用し、一橋では手に入りにくい資料にアクセスする。英語の文献に触れる。

⑤長編小説の完成

大学卒業までに、長編小説を一本完成させることが目標です。実はすでに執筆を始めており、海外に対する経験や知識があった方が内容を豊かにできるストーリーです。執筆のコツは、一気にまとめて書き溜めるのではなく、時間がある時に少しずつ書き進めることです。卒論と一緒ですね。卒論書いたことありませんが。

⑥家事スキル向上&人間関係の構築

家事を回せるかが超不安です。何なら海外生活以上に一人暮らしの方が不安です。

料理(自炊): 多くても1日1回まで。
洗濯:5日~7日に1回のペースで。
掃除:週1回のペースで。
その他:on demandで!

ちょーっと長い旅行(勉強つき)に行っていると思えば、気持ちとしてハードルが多少下がると思います。また完全な一人暮らしではなく、学生寮のシェアルームなので、ひとりぼっちの寂しさは減ります。家族がいないので、遊びを通じて友達を作りたいですね。

4. おわりに

私はこんなありふれた理由で、ありふれた場所に留学します。英語力の向上や異文化交流を目的に留学する人はたくさんいます。バンクーバーに留学する人もたくさんいます。私はそんなありふれた留学生の、統計の一片にすぎません。でも私の人生は私だけのもので、他の誰とも同じではない。一言に留学といっても、各人の留学生活は決して同じ色ではありません。期待と不安が混ざりつつ、とりあえず元気に過ごせればいいやの精神で留学に行こうと思います。

ヘッダーは@toukot1様より拝借。