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2月13日◆なぜコメダ珈琲店に吸い寄せられるのか、自分なりの考察

愛知県で生まれ、18歳までそこにいた私にとっては、コメダ珈琲店はよくある喫茶店の1つに過ぎなかった。愛知県ではモーニングサービスはどこにでもあったし、たいてい大人には自分が贔屓にしている喫茶店が存在したのだ。喫茶店にまつわる思い出として強烈に覚えているのは祖母の姿で、個人経営の喫茶店でゴシップ話に花を咲かせるのが毎朝のルーティンだった。だから子どもの頃は、きっと自分もいつか入り浸る喫茶店ができるんだろうなとおぼろげに想像していたのだ。そしてそれはチェーン店のコメダではないという確信もあった。

けれど大人になった私は、湘南暮らしをしながらコメダ珈琲に入り浸っている。もっとおしゃれで、リーズナブルで、美味しくて、気が効いたカフェはいくつもあるのに、なぜかコメダ吸い寄せられるのだ。なぜか、と書いたが、理由はとっくに分かっていて、それは限りなく家に近いパブリックスペースだからだと思っている。

コメダに行くのに特別な服に着替える必要はない。私にはパジャマ以外に部屋着というものはなく、犬の散歩&スーパー&自転車で出かけられる程度のリラックススタイル/仕事に対応できるくらいの格好 の2パターンで過ごしていて、365日のうち300日くらいは前者の服装だ。コメダは間違いなくこっちで大丈夫だし、メイクを直すポーチも必要ない。

そして何よりもテーブルとソファー椅子が抜群にいいのと、(都内のコメダはちょっと違ったが)パーソナルスペース他のお店に比べて格段に広い。私はPCを持ち込むことがほとんどなので、PCとドリンクとモーニングセットを置いてもまだ余裕があるのは、この上なく助かる。座り心地は我が家のソファーを超えていて、Wi-Fiも早いとなれば、これ以上のサードプレイスはないのではないか、と個人的に思う。

コーヒーや食事メニューは取り立てて美味しいというわけではないのだが、感情が揺れ動かないいつもの味に、むしろほっこりする。気持ちのいい接客をしてくれる店員さんは、必要以上に絡んでこない。これもまたコメダが好きな理由の一つだ。祖母が通っていたお店のように、いつでも顔なじみの人がいて昨日の話の続きができる場所もいいが、私はどちらかと言うと深入りされないほうが居心地がいい。

今日はまたしても、5枚綴りのコーヒーチケットを使い切ってしまった。なぜか9枚も要らないと思っていつも5枚綴りにするのだが、案の定すぐに無くなってしまう。今度こそは9枚綴りを買おう、だってそれはコメダと私の間で交わされる小さな約束と化すのだから。カランコロンと鳴るドアベルの音を聞きながら、そう決心した。


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