見出し画像

拝啓 わたしのヒーローへ

学生生活が終わりました。
人生の夏休みと言われるこの貴重な数年をいろんなものにめちゃくちゃにされつつ、無事修了しました。満足してますが、2年半は返してほしい。

私は文学を学んでいました。学部時代は古事記から村上春樹まで読み漁ってはレポートを書き、ついでに言語学や芸術学にも手を出しました。卒論以降は日本中世文学を専攻し、仏教文学や中世音楽の研究に勤しみました。あまり言うと特定されそうなのでこの辺にします。

大学生になるとき、両親他多くの方に「文学部なんてなんの意味があるの?」と言われたことを今でもはっきり覚えいる。とても悔しかったけど当時はなんの反論もできなかった。意味なんてなくても私は古典を学びたかったし、絶対4年間で見つけてやると思っていた。結局5年間通ったわけだけれど、その中で分かったのは「すべての学問に学ぶ理由はない」ということだけだった。学びたいから学ぶ。やりたいからやる。それ以外にない。文学が無駄じゃない証明も、無駄である証明もできないままだ。
ではこの学生生活は無駄だったのか、と訊かれれば、はっきりノーといえる。突き詰めて勉強する意味は確かにあったし、頑張って向き合わなければ得られない喜びと苦しみが確かにあった。
「勉強」はなんのためにあるのか。唯一絶対の答えはないけれど、今の私の考えは、「誰にも邪魔されない正しさで世界を見るため」である。世界には正しい知識がたくさんある。今後何百年の研究で覆るかもしれないけれど、今のところ「正しい」と言えることがたくさんある。そしてそれはどんな大金持ちにとっても正しくて、子どもにとっても正しくて、職業、性別、人種、関係なくすべての人にとって正しい。誰かの忖度や口利きで定理は否定されないし、源氏物語は書き換えられない。そんなものって他にはない。
だって世の中の大抵のことは生きてる人間どうしの取り決めで、どうしたって報われないことがたくさんある。誰にも邪魔されない武器は到底見つからない。
でも自分で蓄えた知識は奪われない。自分で考えた思考回路は邪魔されない。確かな自信になり、確かな軌跡になる。だからなんだって言われればそれまでだけれど、こんな世の中を少しでも生きやすくするための大きな武器になると信じている。



話がそれまくった。

つまり私は周囲の反対も厭わずに文学研究に没頭し、心から楽しんで苦しんで修了したわけですが、この選択の支えになったアイドルがいて、その人への感謝をどうしても書きたくなったのでこの文章をしたためています。
ジャニーズ初の院卒アイドル、阿部亮平さん。この肩書きをどれほどの努力で掴み取ったのか、今は身に沁みて推し計ってしまいます。ただの文系院卒がこんなにも大変だったのに、芸能活動しながらの理系院卒なんて気が遠くなる。すごいとしか言えません。先日発売の週刊朝日にて、阿部さんの大学生活がかなり詳細に語られていましたが、やはり凄まじかった。成績優秀者になるのも、2年できっちり修了したのも、ほんとにほんとに努力の賜物だったのだと思う。

阿部さん及びSnowManに出会ったとき、私は自分の進路に迷っている時期でした。いわゆる大学4年の春、周りの就活が本格化し、私自身も就活っぽいことをやりかけていました。実際内定をいただいた会社もあり、社会人デビューも現実的になる中、どうしてもまだ勉強したい思いが消えませんでした。院進したい気持ちと院卒が箔にならない就活事情を天秤にかけ、踏ん切りがつかないまま途方にくれていました。
6月、滝沢歌舞伎の観劇を経て院進を決めました。
阿部さんが院卒であることは以前から知っていたけれど、この時になって突然その事実が背中を押してくれた気がしました。歌舞伎を観て古典芸能への関心が強くなってしまったこともあったでしょう。スノ関連の雑誌やインタビューを読み漁ったおかげで阿部さんの勉強に対する考え方に触れたことも影響したと思います。とにかく、自分の進路を信じて、勉強に人生かけた人の勇姿を目の当たりにして、こんなにかっこいい生き様があるんだと感動しました。社会の無駄扱いされている大好きな文学も突き詰めれば何かわかるかもしれない、大好きなくせに世間に流されて無駄だと思いかけている自分と向き合いたい、そんな思いで院進を決めました。
実際のところ、受験や研究生活はコロナによって一変しており、思うようにいかないことがかなりありました。ただでさえ孤独な研究がもっと孤独になり、クリスマスイブに閲覧室で古文書を読んでいたときは泣きそうでした。リモート慣れせず苦しんだ発表もありました。単純に成果が出ないスランプになったり、難解な楽書に苦戦したり、諦めそうになることは何度もありました。

そのとき支えになったのは紛れもなくSnowManです。阿部さんの存在がいつも導いてくれるようでした。こんなに大変なことを乗り越えた人があんなにも輝いている姿を見て、ずっと勇気をもらってました。あなたのようになりたい、あなたに少しでも近づきたい、最後までやりきってきちんとお礼が言いたい、それが支えでした。運良くファンサをいただいたときは天啓かと思うくらい感激しました。スノさんはよく「明日からの活力になれたら」的なことをおっしゃいますが、マジでそれでした。阿部さんの「がんばって」の顔をずっと胸に刻んで修論書きました。ギリギリでしたが。結果的にはこの論文を評価してもらい、阿部さんと同じ成績優秀者として表彰していただくことができました。これも阿部さんのおかげです。

自分が好きなことをこんなにも熱中して勉強できる幸せを強く感じています。この喜びも阿部さんに出会わなければ見逃していたかもしれません。阿部さんの存在はわたしの常夜灯です。困ったときにやさしくほんのり導いて行き先を照らしてくれています。おかげで、大好きだと思える学問を思う存分認められる形で修了することができました。出会えてほんとうによかった。同じ時代に生きててよかった。

感謝される筋合いはないと思いますが、言わせてください。阿部さん、本当にありがとう。


ユーキャンのCM(大歓喜)で阿部さんがおっしゃる通り「学ぶことは生きること」だと私も思います。知らないことを知り、わかることを広げ、世界の角度を変え、自分の人生を考える。一生勉強。めちゃくちゃ楽しそう。
唐突に短歌の話をして終わりますが、学生生活のけじめとしてどうしても勉強の歌を詠みたくてぎりぎり間に合わせました。邪魔されない才能や正解のない正しさを求めてもがいた実のある5年間でした。明日から社会人デビュー。これからもSnowManを支えに、自分のがんばりを糧に、学びつづけるかっこいい大人になりたいと思います。


「この惑星はぜんぶ教室なのだからきみの隣で学びつづける」








社会人不安すぎるのでお話ししたいです🐼
雑談や感想、好きなお菓子、今期見るドラマ、社会を生き抜く先輩方のライフハックなど教えてください!


この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?