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神作『ゼルダの伝説 ティアーズ オブ ザ キングダム』をプレイして古の神ゲーを思い出したってハナシ

『ゼルダの伝説 ティアーズ オブ ザ キングダム』(以下ティアキン)くっっっっっっっっそおもろかったですわね!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!

あれのせいで寝不足だわニキビできるわ、日常生活でウルトラハンド使いそうになるわでめちゃくちゃ支障がでました。もう訴訟してもいいレベル。
こんなん「オモロゲーム罪」でしょう。「オモロゲーム罪」で禁錮1年、執行猶予5年ですわ。俺が。

個人的な信条として、好きなゲームを語るときはクリア後に日を空けてから、と決めてるんです。クリア直後だと興奮冷めなさすぎてめちゃくちゃ盲目的に褒めちぎっちゃったりしちゃうからね。

ただティアキンに関しては100時間ほどかけてクリアしてから大体4か月経ちましたが、いまだに「神ゲー」という評価を覆しようがないっス。

だってただでさえゲーム総選挙で1位取るほど万人に刺さりまくった前作があって期待されている中なのに、その予想を遥かに超えるレベルのゲームが出てくるなんて思わないじゃないですか……やっぱ「オモロゲーム罪」なんすよ。

まずここ。前作の「暗い洞窟から一気に色彩豊かなフィールドに踏み出す」という最高にわくわくする旅立ちをさらに超える「広大な空の世界に飛び出す」という演出。
もうこの時点で、「あ、俺このゲームに死ぬほど沼るわ」って予感がしてたんすわ!!

見切り発車で魅力を語っちゃいましたが、正直書き出したらキリがありません。
ストーリー、アクション性、ゲームボリューム、達成感、グラフィック、音楽、すべてが上限値まで振り切れた限界ブッチ切りの暴走機関車、それがティアキンです。

これを書いている頃には、すでにこの界隈の猛者ゲーマーたちがティアキンのレビューなんて書き散らしまくって余りあるハズ。
なので今回はちょっとだけ視点を変えた話をさせていただければと思います!

ウルトラハンドに見た、過去の名作の面影

オープンワールドの中で好き勝手冒険できるのが本シリーズの面白いところですが、そもそも今回のティアキンで一番異色だった要素といえばやはり「ウルトラハンド」ですよね。

多種多様なアイテムをくっつけて乗り物にしたり足場にしたり武器にしたり……想像力次第で無限大の攻略方法を実現するシステムなわけです。

もともと、3Dの「ゼルダの伝説」シリーズは自由度が高く、RTAの競技タイトルとしても長年愛されてきました。それが今回ティアキンによって、ありとあらゆる法則・秩序を無視したプレイングが可能となってしまいました。

かくいう僕も、「絶対制作者の意図とは違うやろなぁ」と思いながら攻略した祠は数知れず。そんな試行錯誤のなか、ひとつの名作ゲームが脳裏をよぎりました。

それが『パネキット』。1999年にSCE(現SIE)よりプレイステーション向けタイトルとして発売された作品です。

24年も昔のタイトルがなんじゃいワレとお思いでしょう。

ですがパネキットのキャッチコピー、それは「無限工作おもちゃ箱」
そう、まさしくティアキンと同じ性質をもつゲームなんです。

動いているシーンは上の動画で見てほしいんですが、ざっくりいうと
このゲームのすごいところは、

  • 24年も昔にオープンワールドを実現。陸空海をシームレスに冒険できる。

  • 空気抵抗や揚力、流体力学などを考慮した高精度の物理エンジンを搭載。

  • パネル、タイヤ、ジェットなどを組み合わせて自分だけの乗り物(モデル)を作り出せる。

ていう感じ。要素だけでもどことなくウルトラハンドみがあるでしょう?
みなさんがティアキンの攻略にドはまりしたように、当時クソガキだった僕もこのゲームを狂ったように遊んでいたものです。

別にこの2作に関連性がある!っていう話をしたいわけではないのですが、単純にゲームの要素を分解していったときに、「自由に工作ができる」のって結構大衆に刺さりやすいよなぁと思うわけです。

人間は潜在的にクリエイター気質

持論ですが、多くの人間は潜在的に「自分だけの世界で自由に創作意欲をぶちまけたい」って願望をもってるもんだと思ってます。マズローの理論に当てはめれば自己実現の欲求というやつですね。

マインクラフトやRobloxの若年層への流行りようを見て明らかなとおり、(ひいては幼少期熱中した積み木やレゴにように)年齢に関わらずそうした欲求は発現するもんだと思ってますし、それがゲームの売り上げ如何に大きな影響をもたらしているのも事実です。

現実でいえば「文章を書く」「絵を描く」「曲を作る」などさまざまなクリエイティブ活動があるわけですが、それらの活動が「見える形で」結実するためには多くの時間を消費しますし、単純にハードルも高い。

その点、ティアキンなどにおいては工夫や閃きといった「クリエイティビティ」が、祠のクリアなど「行動の結果」としてダイレクトにフィードバックされるため、非常にインスタントに脳の報酬系を刺激できるわけです。

本質的に言えば、ティアキンやマイクラのようなゲーム文脈におけるクリエイティブとは「用意された素材の組み合わせ」という点で、0→1ではなく1→10のプロセスなのですが、ユーザー体験としてはどちらも大差ないように思います。

なぜならここで重要なのは「自分が考えたことが実現できるかどうか」であってその手段はあまり注目しなくてもよきだから。

要するに人間としての欲求を即席で満たせることが、こうしたゲームにおける面白さの根源であり、本当の意味で「自分らしいゲームプレイ」ができることこそが近年の大衆が求めているものではないかと思うのです。

ゲームプレイの自由度によって前作を超えた

『ティアキン』の発売前は、「マジで『ブレワイ』超えられんの……?ぶっちゃけ二番煎じみたいな感じにならない?」っていう心配が結構あったものの、蓋を開けてみれば前作超えの声が多勢となりました。

その評価の要因は、空島と地下というマップのボリュームアップなどなど色々あるとは思いますが、やはりここでもウルトラハンドの実装こそが大きなウェイトを占めているように見受けられます。

ストーリーは賛否両論あるけど僕はめちゃくちゃ好き。やっぱリンゼルしか勝ちませんぞ~

「エルダースクロールズ」シリーズや、『No Man’s Sky』のようなロールプレイの自由度を誇るゲームは数あれど、正統派RPGでありながらこれだけ攻略の自由度があるゲームは今までになかったハズ。(知らないだけかも)

全体として見ても、“超絶評価の高いゲームの続編を同じ舞台使って制作する”という、かぐや姫も真っ青な無理難題であったにも関わずそれを実現した技術力と熱量が単純にハンパじゃない。

新たなゲーム体験と、シリーズの伝統とを融合させて出来上がった本作。今のところゲームオブザイヤーであることは間違いなさそうなので、まだプレイしていない人はぜひウルトラハンドだけでも体験あれ。


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