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完全に髪切った

私が人生で最初に読んだ漫画は「星のカービィ デデデでプププなものがたり」である。小学館のカービィシリーズの中では作者の名前を取って「ひかわカービィ」と呼ばれる本作は、累計発行部数1000万部を超える(wikipediaを参照)名作だ。福岡県・大橋のブックオフで偶然手に入れたこの単行本がきっかけでギャグ漫画を読むようになり、コロコロコミックも定期購読するようになった。小学5年生くらいまでコロコロコミックを読んでいた私も、親戚の影響でいつの間にか少年ジャンプを読むようになった。しかし、いきなり少年ジャンプを買い始めたため、ワンピースやナルトのようなストーリー物の作品にはなかなか話についていけなかった。そのため、最初に少年ジャンプでハマった作品はオムニバス形式の学園コメディ漫画である「SKET DANCE」であった。

気づけば単行本を全巻買うほどSKET DANCEにハマっており、私は週刊連載で2013年の最終回までしっかり見届けたのであった。連載終了後は買った単行本を読み返す機会もほとんどなく、そのまま売ってしまった。こうして私はSKET DANCEに関する記憶を失いながら年を重ね、ついにジャンプも読まなくなった。そしてつい最近、YouTubeでSKET DANCEのアニメのオープニング映像をたまたま見たのだが、その瞬間私の脳内に小・中学生時代の思い出が溢れだしたのだ。こうしてSKET DANCEの連載終了から11年の時を経て、再びマイブームが訪れようとしていた。

私は時間のある平日を利用して快活クラブに行った。丸1日使ってSKET DANCEの単行本を一気読みするつもりだったが、残念なことに快活クラブ銀座通り店にはSKET DANCEが置いていなかった。同作者による作品の「彼方のアストラ」「WITCH WATCH」はあったのに「SKET DANCE」は置いてないという不条理に苛立ちを覚えつつ、仕方がないので他の作品を読むことにした。


アンダーニンジャ/花沢健吾



私の大好きな漫画「アイアムアヒーロー」の花沢健吾先生による最新作。アイアムアヒーローよりも若年層にハマりそうな作風で、シリアスなコメディが散りばめられている。既刊の単行本は全て読んでいたが、今月最新刊の12巻が発売されたようなので読んだ。主人公の雲隠九郎が激闘の末に顎を切断されて敗北・死亡したため、代わりに主人公として登場した雲隠十郎とその兄弟たちにスポットが当たるような内容だった。最強のくノ一を称される雲隠十一が透明化パーカーを使用した電車痴漢を撃退するエピソードなどが収録されていた。

それでも歩は寄せてくる/山本崇一朗

個人的な話だが、来月将棋イベントを主催することになっているため、将棋関連の作品を積極的に読もうと思い、「それでも歩は寄せてくる」を手に取った。内容は期待していたものとは違い、思っていたよりも将棋と関係ない恋愛要素ばかりにページが割かれていた。どちらかというと面白かったのだが、私が高校生くらいの時に読んでおきたかった。私は3巻までで読むのをやめた。

チ。-地球の運動について-/魚豊

「チ。-地球の運動について-」は数年前の話題作で、作者の魚豊先生は私と2歳違いの才能にありふれた作家だ。兄弟から借りパクしたため単行本の4巻までは既に持っていたのだが、それ以降の巻を読む機会を失っていたのでこのタイミングで全巻読んでみた。結論から言うと非常に面白かった。15世紀のP国という架空の世界が舞台であり、ジョジョのように主人公と時代が何度も変化するのが特徴で、キャラクターたちは歴史を変えるために命をかける。私もこの漫画のキャラクターたちのように、価値観を180度変えてくれるような、命を賭けてもいいと思えるような感動に出会いたいと思ってしまった。

ファイアパンチ/藤本タツキ

「チェンソーマン」でお馴染み藤本タツキ先生の商業デビュー作。1話目はネットでとても話題になっていたのでリアルタイムで読んだ記憶があるが、途中でリタイヤしたため改めて全巻読むことにした。2巻以降は漫画の王道展開を悉く踏み外しながら進んでいき、トガタというキャラクターによるメタ的な発言なども相まって、この作品の唯一性を確かなものにしている。最終巻で記憶を失ったアグニが、トガタが撮影した映画を鑑賞するシーンは感動するポイントだろう。しかし、逆張りと思えてしまうくらいありそうな展開を回避するため、読んでいてカタルシスがあまり感じられないとも思った。


こうして漫画を読んでいたら6時間以上経っていた。この日は夜に美容室を予約していたので、せっせとマクドナルドでハンバーガーを食らい、美容室へ向かった。行った先の美容室にも漫画がたくさん置いてあったので、その中から気になった作品を読んだ。

住みにごり/たかたけし

全く知らない初見の作品だったが、表紙から漂う「只者ではない感」につられて読んだ。東京から田舎の実家に帰省してきた主人公と、彼を取り巻く奇妙な家族のホームドラマという感じ。主人公の兄で35歳で引きこもりのフミヤというキャラクターが第二の主人公のような感じだが、彼は徹底的に気持ち悪く描かれている。ところどころギャグシーンらしきものもあるが、それよりも気持ち悪さが圧倒的に勝っている。それでも不思議と読み進めてしまう魅力。2021年から現在も連載中の作品だ。

ハチワンダイバー/柴田ヨクサル

こちらもかねてより読みたかった将棋漫画。プロ棋士ではなく賭け将棋を行う真剣師の主人公にスポットを当てた作品。私が求めていたのは「それでも歩は寄せてくる」ではなく、「ハチワンダイバー」だったのだ。迫力のある見開きゴマが将棋の熱を高めさせてくれる。これを読めばあなたも将棋を指したくなること間違いなし!ちなみにこの漫画の監修をおこなっているプロ棋士の鈴木大介氏はプロ棋士でありプロ雀士。振り飛車党である。


いつの間にか読んだ漫画レビューになっていたが、私は漫画を読んでいる時間が好きだ。快活クラブの学割が3月まで使えるので、また何度か行こうと考えている。

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