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2021/10/30

れいさんと俺は同じクラスの仲良しだった。でもどっちも嫌われていた。俺は見た目が良くないから、れいさんはいつも余計なことをするから。
2人でいつも見たいに話してた。いいことを思いついたから、本当に成功しそうだった。
れいさんが
「れいさんが先に死んだらどうする?」
と聞いてきて、俺は
「れいさんに先立たれた俺に萌えれるから大丈夫」
と答えた。

教室全体が明るくなった。昼なのに、もっと。
真っ白で何も見えない。
普通の明るさに戻った。遠くの方でキノコ雲が見える。
なんだろうと思って窓の方を見た。
クラスメイトが
「こっちに来る」
と言った。

俺は急いで廊下に出た、図書室に行って非常用のハシゴを下ろして。


目が覚めた。隣に先生が2人いる。夢だったよかった。
足元が液体の植物に飲まれそうになっている。俺を取り込もうとしていた。
「助かってよかったね」
「全身火傷してて、片目から血が出てたよ」
「にしても土砂崩れで工場が爆発するなんてねえ」
「そこにいた人の息が暖かかったかららしいよ」
先生達が話した
助かった?確かに片目が見えない。体を見ると全身がかさぶたみたいになってた。

部屋を出るとクラスメイトがいた。何人か、部屋にいた。オタク友達のだいやがいる。
いる、
いた、よかった。いきてる。やっと全部分かった。本当にあったことだったんだ。
思わず抱きしめてしまった。いつもなら絶対嫌がるのに今は嫌がらなかった。

「ねえ、いっしんは?」
いっしんは俺のよく話す友達、オタク。
「よお」
いっしんだ。いっしんも生きてる。
「Adoさんは?」
「生きてるよ。今度活動再開のライブやるって」
「すごい、すごいなー!みんな生きてる!」

「れいさんは?」
いっしんが拝むようなポーズをする。
「なんで?ねえ死んだの?」

だいやが千の風になってを歌った。バカにするように歌う。

「ねえなんで?死んだの?ちょっと!」


「これ見て分かるでしょ」



俺の身体の温度が無くなって、俺だけの世界になる。目の前は見えるけど真っ暗だ。
れいさんが死んだ?またあんな人間を探さなくちゃ行けないのか?あんな人間他にいるのか?いる気がしない、なんでだなんでれいさんなんだ。この世のどこかでれいさんが死んでる。なんであの時れいさんをつれて逃げなかったんだろう。あの人がいなかったら今生きててもしょうがないだろ!なんでだ嘘かもしれない、ちゃんとみんなに聞かないと。

目が覚めた所に走ってもどる。
「先生、れいさんって死んだんですか?」
「ああ、残念だね、仲良しだったもんねえ」
本当か、そうだよな
「でもあの人素行良くなかったねえ」
「ねえ、」
れいさんがなんて言われてようと別にいい。悪口なんてあの人の価値を下げるまでには至らない。
でももういないんだ

いないのか

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