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イデオロギーの共同体でない場で自分の考えを持つために圧倒的な暴力の身近な事案の対処法の学びが必要だ

大物芸人の性暴力疑惑が大手週刊誌上で告発されて1年が経とうとするころ、裁判の取り下げが発表された。さまざまな状況から、周りの芸人が彼の復帰を支援するためにはこれ以上裁判で争ってほしくないという結末だと想像される。 この件で違和感があるのは、今ネットに溢れるネットニュースが画一的だということだ。このように言っていることがほとんど同じ集団を私は「セクト」と呼んでいる。 その集団の構成員は、同じ考えを持っているのではなく、同じことを言うようにお勉強しているという状態である。私自

    • プラスチックの再価値化

      ポリエステルの酵素分解についての研究を本格的に始めて、半年か一年かが経った。いつの間にか、投稿論文の初稿原稿が完成した。これを元に修正をああだこうだ加えた後に雑誌に掲載されると、私はプラスチックの酵素分解についての一介の専門家となる。 そもそも私は酵素分解やリサイクルに興味があった訳ではない。理論宇宙論の大学院に入ったものの、一つの数式で世界のすべてが記述できるというノリが合わなく、次第に実験物理学に興味が映っていった。それは例えば、風呂場で手の平を揺らして作られる乱流は、

      • 安宿のコインランドリーで洗濯したとき、小さな幸せを感じる理由

        私は安宿が好きだ。できれば5000円以下であってほしい。ちょっと家具が古い、建物が古い、場所が遠い、そんな理由などから7000円の値段がつかないビジネスホテルだ。コロナで宿が安くなっているときに、普段泊まらないような通常営業では1万円以上するホテルに複数回泊まったがあまり良くなかった。もちろん、稀に良いホテルに泊まるということに興味があるけれど、日常的な業務における宿泊は安宿の方が良い。ランキングでいうと中の下くらいに身をおくことで安心するのだろう。  そんななかでも連泊がで

        • 実態と外見の乖離の指摘

          私は料理が好きだ。唯一の趣味といってもよい。ある時、料理をしているキャラクターを外に見せた方がよいと助言されたことがある。つまりこうだ。人から見える像が手料理に勤しむ男性像とはかけ離れた印象を私は持たれているということだ。実生活と人からのイメージが乖離しているということで損をしていることもあるだろう。だから、助言があったのだろう。  最近少し驚いた出来事があった。社会運動の議論を共にするような間柄の大学の研究者2人の人から、お茶の葉っぱでお茶を飲んでいることに驚かれたことだっ

        イデオロギーの共同体でない場で自分の考えを持つために圧倒的な暴力の身近な事案の対処法の学びが必要だ

          年齢差なき社会

          2022年12月30日、大阪京橋に向かった。行きの京阪電車、小学高学年の男の子と40代と思しき母親。学校か塾かのクラスメイトらしき人のことを、「あの子は頭がおかしい、障害持ってるんちゃう」と吐き捨てる母親。母親の子への距離も近く友達のような話し方だ。人は差別思想が頭の中に無いことはないし、それをつい話してしまう交友関係もあるだろう。ポリコレ渦巻く多様性推進社会において、自らの差別思想を声に出すことは必要にも思う。声に出すことで初めて指摘され自らの差別性に気が付くからだ。だから

          年齢差なき社会

          保育園児の蝶々とり、大学には入ったらダメという記憶

          ー保育園児の蝶々とり、大学には入ったらダメという記憶ー A tale of a kindergarten girl who stopped chasing a butterfly at the entrance of the university campus 昨今、多様性を合言葉にした社会変容のススメをよく聞くようになった。多様性とはもともと生物多様性の概念から来たもので、嚙み砕いていうと、人間のことばかり考えていないで、蝶々さんの住みやすい環境も考えよう、ってこと。そう

          保育園児の蝶々とり、大学には入ったらダメという記憶