『はりぼて』を見てきた

久々に早起きして、朝一上映の映画を見てきました。

富山市議会の政治資金不正を追求した報道機関の目線で、問題の発覚から現在に到るまでを記録したドキュメンタリーという感じです。

富山市議会の問題は「そういえば新聞で見たような…」という程度だったので改めて調べてみました。

政務活動費の情報公開から不正な支出を見抜き、それを追求するというのは本当に大変だと、かつて行政にいた人間してよく分かります。それを地道に続け、取材をして裏を取り、不正を明らかにする、という報道機関としてお手本のような内容が描かれていました。

一方で、議員のインタビューの中で「普通にやっていたんじゃ、議員活動はできない」というコメントがあったのが印象的でした。

議員の報酬は私の地元の小さな町で30万程度、県議になると70万ぐらいでしょうか。この額を多いと見るか少ないと見るかは人によって様々だと思いますが、選挙でお金がかかったり、何の後ろ盾もない人が立候補できるようにある程度の報酬を確保すべき、という議論はその通りだと思います。

また、この問題では、情報公開請求を行った記者の情報が関係の部署に漏れていた守秘義務違反も問題になっています。

これもかつて行政にいた者としての感想ですが、悪意があってやったわけではなく「この請求が来るということは、きっとあの案件で、この課に話はいずれいくだろうから、対応できるように情報提供しておくか」という軽い気持ちだったのではないかと推察しました。もちろん、法令違反なのでダメなのは論を俟たないですが…

映画の最後で、報道について少々考えさせられる場面があります。現場の記者はどうあるべきか、報道局の幹部はどうあるべきか、そもそも報道とはどうあるべきか、など見る人によって感じることは違うと思いますので、これは是非本編を見て欲しいと思います。

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