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古書との邂逅

 先日、BOOKOFFで古書を買いました。
いい感じに色あせた、状態の良い岩波新書の黄版です。ほぼ衝動買いでした。

 本には、いまの自分の業務に関する技術的な話がまとめられています。初版は1980年の10月。本の後ろに記されたオリジナルの蔵書印と購入年月日から、前に所有されていた辻さんという方は、ちょうど40年前のこの時期に購入されたと分かります。

 正直なところ、こんなに状態の良い専門書が場末のBOOKOFFに置いてあったことに驚きます。蔵書印を押すくらいなのだから、売りに出したのにはそれなりの理由があったと推察します。失礼な話ですが、身辺整理かもしれません。

 そんなことを考えながら読み進めていると、ところどころ引かれた傍線や蛍光ペンの跡が目につきます。積読せず、キチンと勉強されたのでしょう。この本は、口語表現が主で解説も丁寧で専門書としては読みやすい部類に入るかと思います。ですがそれ以上に、古書特有の香りや触感、そして前所有者の歴史とが相まって私が読み進めるのを加速させていると感じています。

 本のタイトルは「接着とはどういうことか」
見ず知らずの辻さんとの時間を超えた相互作用が働いた瞬間です。

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