見出し画像

QC検定1級 合格体験記【一発合格】

ご覧いただきありがとうございます。
私がQC検定1級に合格する為にやったこと、今だから思う1級合格のコツ、論述試験について書きたいと思います。
基本的なやり方は1級も2級も変わりません。
私はこのやり方を貫いて1級・2級ともに一発合格できましたので、皆さんの参考になれば幸いです。

勉強期間

QC検定2級に合格してから、そのままの勢いですぐ1級の勉強を始めました。
2級の合格発表があった5月頃から試験の翌年3月まで、約10ヶ月間を使ったことになります。
サラリーマンとして働きながらですので、平日は30〜1時間程度しか勉強時間を確保できませんでしたが、土日は朝6時には起床して12時まで勉強。更に夕方も余裕があれば2〜3時間の勉強をしていました。
通算で400〜500時間ぐらいは費やしていると思います。
私は頭が良い方ではありませんので、かなりの時間を要しましたが、基礎知識がしっかりしている人であればもっと短時間でよいと思います。

使用したテキストと評価

メインで使用したテキストです。最低、これと過去問だけやっとけばいいかもしれません。QC検定1級の重要ポイントが網羅された良書です。

公式問題集。若干難易度が低く、このテキストだけでは不足感がありますが、基礎を学ぶ段階では大いに役に立つはずです。
「公式問題集をやり終えた」
という精神的な支えにもなります。

余裕があればやっておいてもいいかな、ぐらいのテキストです。論述対策を目的に購入しましたが、論述問題の部分はお世辞にも実際の試験を想定した問題と模範解答が書かれているとは思えません。テキストに書かれている模範解答がダラダラと長いですし、30分でこれを書くのは無理でしょ・・・というレベルのムチャな模範解答が載っています。30分で750字という制限の中で戦うには、それなりの戦い方があります。残念ながらこの本ではその戦い方を学べません。

過去問です。これを解かずして合格はあり得ないでしょう。私は2冊(8回分)を解きましたが、3冊やっておいてもよかったかなと思っています。決して安いテキストではありませんが、下手なテキストを買うぐらいなら過去問を買ったほうがいいです。やればやるほど合格に近づくはずです。

勉強法

問題を覚えるのではなく、理解する

2級の合格体験記にも書いてますので、見てみて下さい。

学習はインプットだけではダメです。適度なアウトプットを挟むと理解力がグッと上がります。
「勉強を教えるのも勉強になる」
とはまさにこの事です。

私はアウトプットの手法として、自分専用教科書を作りました。

理解できなかったところ、何回やっても正解できない問題など、グラフや表を使いながら、自分なりの言葉で解説を書くんです。
大切なのは、誰かに教えるつもりで書くこと。
「ここはこうなってなぁ〜。で、この式はここから変形して出てくるんだ〜。」
とかブツブツ言いながら書きました笑。

理解した上で書くわけですから、スラスラ書けるはずなんですが、意外と
「あれ?これってどうやって説明すればいいんだろ?」
と戸惑うことが結構あることに気づきます。

これが「分かったつもり」状態なんです。

これが厄介なんですよ。こいつのせいで分かっているのに出来ない、が起こるんです。
中学高校のテストの時、教科書を読んで理解できたのに、いざテストで全然できない・・・なんて経験ないでしょうか?
はい。それはこの「分かったつもり」くんが原因です。

「分かったつもり」くんは自分専用教科書を作ると、どこに潜んでいるか分かります。
自分専用教科書を作って、他人に説明できるまで理解を深めれば、「分かったつもり」とはオサラバできます。

また自分専用教科書は、自分がわからなかったところや、出来なかったところが詰め込まれていますから、作るときだけではなく、後で読めば読むほど自分のレベルが上がります。
私の場合、最終的には1級・2級合わせて299ページの教科書になりました。
繰り返しになりますが、ポイントは
「自分の分かる言葉で」
「他人に説明できるように」

教科書を作ることです。テキストの丸写しは全く意味がありません。
私は一つのテーマでも、分からなければネット・本を読み漁って理解ができるまで何時間も使いました。そうして、他人に説明ができるレベルまで理解を深めたことが合格に繋がったと思います。

ひたすらやり込む

私はQC検定受験テキストをやり込みました。

QC検定1級は覚えることが多いのも事実です。重回帰分析の計算、ロバストパラメータ設計、主成分分析・・・などなど、基礎は覚えていないと話になりません。
これは繰り返し問題を解いて頭に叩き込みました。
最終的には例題を問題を見ただけで、解法と答えが頭に浮かぶレベルまでやり込みました。

過去問はやっぱり大事

「過去問をやっても同じ問題は出ないから、たくさんの過去問をやる意味はない。雰囲気を掴むだけでいい。」
という意見もみかけますが、実は最近は過去問と似たような問題も一定数出題されます。
事実、私が受けた回では、手法編で過去問の類似問題が2つありました。私は過去問でやりこんでいましたので、全問正解できましたが、過去問をやっていなければ何問か落としていたと思います。
QC検定も三十数回になりますから、全く類似問題を出さずに問題を構成するのは不可能なのでしょう。
そう考えれば、過去問はできるだけ多くやり込んでおく事が重要だと思います。


論述試験対策

QC検定1級のみに課される論述試験ですが、
「どうやって対策すればいいの?」
とお悩みの方も多いのではないでしょうか。
私の思う論述試験のポイントを書きたいと思います。

ルールに従う

当たり前ですが、最も大事です。特に、
「あなたの立場を明確にしなさい」
という指示には絶対に従うべきです。
会社員であれば、どのような企業で、どんな業務をしているのか。
学生であれば、何を専攻して何を研究しているのか、などです。

私の場合、論述の書き出しは
「私は〇〇のメーカーで、△△課に所属しており、□□を行っている。」
という決まり文句にすると決めていました。

100%作り話はダメ

私の印象では、論述試験の採点者が見ているのは
「QC検定で得た知識を、実務に使うことができる人間かどうか」
です。
よって、テキストに書いてあるような数式の意味や計算方法を書いても加点されません。大切なのは、その知識を使ってどのように問題に対してアプローチしたのか、どのようなことを考えたのか、というストーリーです。
そう考えれば、書く内容はやはり実際に経験したことを書くのが一番です。もし、問題の中に自分の経験したことがなければ、自分の職場で起こり得ることをイメージして経験談として書きましょう。
100%作り話は必ずボロが出ます。書いている途中で辻褄が合わなくなることもありますし、無事すべて書き終えても採点者は作り話を見抜いてくると思いましょう。
多少文章が拙くても現実をベースにして論述した方が合格率は高いように思います。

文章量も大事

750字という制限の中で論述を求められますが、少なくとも650字以上は書くべきでしょう。過去問を使って650字以上書く練習をすることをオススメします。

段落を分けて見やすく書く

原稿用紙を文字でいっぱいにする必要はありません。問題文には「必要に応じて図表を使ってもよい」と書いてあるぐらいですから、比較的自由に紙面を使っても許されることが分かります。
私の場合、図表は使いませんでしたが、段落ごとに表題を作って読みやすくなるように努力しました。
論述は人が感性で採点するものです。
内容だけでなく、読みやすさにも気を使ったほうが良いでしょう。

過去問の得点状況

試験二ヶ月前時点の私の過去問の得点状況です。
すべて本番と同じように時間を測って実施しています。

第22回:手法44/52  実践39/49 合計83/101  正解率82.2%
第23回:手法42/49 実践44/49 合計86/98 正解率87.7%
第24回:手法36/50 実践37/50 合計73/100 正解率73.0%
第25回:手法46/50 実践38/50 合計84/100 正解率84.0%
第30回:手法36/48 実践41/48 合計77/96 正解率80.2%
第31回:手法40/50 実践28/48 合計68/98 正解率69.4%
第32回:手法40/48 実践38/47 合計78/95 正解率82.1%
第33回:手法36/50 実践35/49 合計71/99 正解率71.7%

合格ラインを70%とすれば、第31回はギリギリ落ちてます笑。実践編が弱すぎです。
しかし、手法は8回やってすべて7割を越えていますね。手法で9割以上取れている回もありますから、理解を深める勉強法で効果が出ている事が分かります。

また、論述問題も本番と同じように1題選んで30分で書く練習をしました。
ですが、論述は過去問以外に何もやっていません。あまり書く内容を事前に準備しても意味はありませんから、「自分の型」を守って書くことを意識した方がいいと思います。

最後に

QC検定1級は合格率一桁台の比較的難しい資格です。
チャレンジするにも多くの時間を割かねばなりませんが、品質に関わる知識が学べる数少ない資格でもあります。
私も製造業で働いていますが、QC検定の学習のおかげで、社内の品質データに対する見方が変わりました。
今まで気付けなかった問題に気付くことも出来ましたし、データを使った統計的アプローチの手段も増えました。
製造業の人材不足が問題になる中、資格があることで転職市場でも有利に働くはずです。
特に製造業の方は絶対に無駄にはなりません。
是非、チャレンジしてみてください。

以上、QC検定1級の体験記でした。
要望があれば論述試験の例題と回答例も別記事で書きたいと思います。

他にもQC検定・統計検定に役立つ解説記事を書いています。
是非見てください。
スキ・フォローもお願いします!



この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?