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【ももクロとラッツ&スターに捧ぐ:顔面黒塗りの何が悪い?】


 かつて「黒人」とは、低能と堕落、怠惰と野蛮の代名詞だった。
 つまり、「人類の最底辺」ということだ。もちろん、白人から見て。

 21世紀の現代を生きる諸姉諸兄が、黒人——この場合、アフリカン・アメリカン——に対して抱くイメージは、どのようなものだろう?
 先日、TVでワシと共演した青年が、Run DMCのビデオを見て「いかつい」と評していた。あの、ごくごく穏健で、ギャングスタ・ラップの香りなど皆無なRun DMCを見て、である。ここから推測するに、「黒人といえばナチュラルボーン・ギャングスタ」「体力と暴力に秀でた人たち」と映っているかも知れない。
 だが実際には、アメリカ合衆国の歴史を通じて、ゆえなき暴力の犠牲になってきたのは黒人のほうだ。

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