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漫画『マダムたちのルームシェア』

 ルームシェアをする3人のシニア女性の日常が描かれています。学生の頃からの付き合いということで、気の置けない仲間とのの共同生活といったところでしょうか。特に大きな事件は起きませんが、こんな生活ができたら楽しいだろうなと思わせてくれます。

 学生時代の友人というのは不思議なもので、すぐにその頃の距離感になります。同窓会でも仲の良かった子とはすぐに打ち解け、付き合いのなかった同級生とは、なかなか話も弾まないように。
 このマダムたちは、そんな距離感を心得ているからこそ、こんな風に幸せそうに暮らしていけるのだと思います。

 日常とは不思議なもので、お花見もクリスマスも一人暮らしであればイベントとはならない。しかし、マダムが3人いれば、眠れぬ夜が花札大会になったり、夜桜見物をしに出かけたり、クリスマスにおしゃれをしたり。淡々と過ぎてゆく日常に、そんなちょっとした喜びが生まれる。そんなちょっとした喜びは、先の見え始めた人生を豊かにしてくれると思えるのです。

 個性の違う3人がいることで新しい気付きも生まれます。カカオ100%の味もマニキュアをした自分の手の美しさも、多分一人だったら気付けなかった


 核家族化が進んだ現在、このようなルームシェアの形をすでに実行している人もいるのではないでしょうか。子どもと暮らすよりも、友人と暮らす方が気楽な人もいるでしょう。まだまだ、自分でできる事したい事の多いシニアにとっては、多分、主婦が2人いる暮らしは息苦しい。

 心配なのは、晴子さんの息子が怒っていないかということ。でも、多分、妻の方はホッとしていると思います。息子にとっては晴子さんは生まれた時から家族だけれど、妻にとっては他人だもの。

 子どもの頃から身近に漫画があった現代のシニア層。そんな層が楽しめる漫画がもっと増えていったら嬉しいな。あと、画風が大好きです。漫画はなりより絵が素敵じゃなくっちゃ楽しめません。もちろん、個人的な好みとしてですがね。



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