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序-愛する我が子へ-

 耳障りのいい誰かが使った言葉ではなく、ぼくの言葉で伝えたい。

 ぼくは世界に一人のぼくでしかないのだから、ぼくにピッタリの言葉でなければ、ぼくの人間性は伝わらないんじゃないかな。

 そして君もまた、世界に一人しかいない、かけがえのない存在なんだ。

 同じだよ、何も変わらない。

 ただぼくは君よりもちょっと先に生まれたぶん、知の先輩というやつなのさ。
 そして君もぼくよりちょっと後に生まれたぶん、無知の先輩というやつなのさ。

 だから君よりも長く生きてきた中でぼくが知ったこと、その中できっと、君にとってこれから君を導いてくれるだろうことをここに残していきたいと思う。

 いつか、もし道に迷ったとき、きみの中の羅針盤がクルクルまわっているような気がしたとき、何かのヒントになれればうれしい。

 そしてもし、ここを見てもわからなかったら、ぜひぼくに直接電話してほしい。会いに行くよ。君がスッキリするまでいくらでも話そう。

 ぼくはきみの親なのだから。いつだって君が心から心地よい日々をおくっていてほしいんだ。

愛しているよ。

2022/02/15 from I.

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