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アートまち散歩 〜ピラミデビル〜
前から気になっていた、現代アートギャラリーひしめくアートなビル「ピラミデビル」へ行ってきた。
ギャラリーは美術館と違い、いつだって入場無料なのがメリットのひとつ。
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なかでも私が面白いと感じた2つのギャラリーを紹介したい。
まずはフランスの現代美術ギャラリー「ペロタン」について。
ペロタンの概要はこちら↓
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実際に見ると、本当に19世紀の画家が描いた作品かと疑うほど新鮮なエネルギーに満ちていた。
「現代作家が作った新作です。」と言われて紹介されたとしても私は信じただろう。
ドイツに生まれ、フランスで活動したHans Hartung(ハンス・アルトゥング)の描線や色彩は、前衛的な書道作品とも取れ得る表現。
線の掠れ、滲みや色彩のグラデーション、
まるでそれ自体が意味を持つかのような不思議な作品だった。
ギャラリーには「みづゑ」(1905年創刊美術雑誌)で岡本太郎たちとの座談会の様子が掲載されたページも展示されていた。
自分らしさを作品に遺憾なく発揮しながらも、他者の表現、すなわち自分と違う価値観を受け入れる器、そしてお互いに認め合える関係性を築けるアーティストたちはとても素敵だなと思った。
2つ目は、ロンドン・ギャラリーについて。
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2011年に創られたロンドン・ギャラリー(London Gallery)は、日本・中国・韓国など東洋の古美術を専門に扱うギャラリー。
扱う作品は、仏教美術を中心に、屏風・掛軸・陶磁器・工芸品など。
内装は、現代美術家の杉本博司さんが手掛けたそうで、初期の建築なのだとか。
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私は杉本博司さんの作品や本を拝見できる機会に一時期恵まれたことから、彼の動向を意識するようになり、それ以来影響を受けているアーティストの1人だ。
特に「苔のむすまで」という本を読んでからは、骨董に興味を抱くようになり、骨董市に定期的に通うようになったほどだ。
自分でも驚いている。
ギャラリー内は、U字に折れ曲がった空間になっているのだが、決して広くはない。だがそこには時間や空間を旅するような、濃密な情報が交差し合い、互いに意味を成し、無限の広がりを演出していた。
それは方丈記を読んだ時や、大徳寺(京都)聚光院(じゅこういん)を訪れた時に感じたような、狭い空間に広がる四季の移ろいや、無限に広がる宇宙との対話に似ている。それらと同じ何かに思いを馳せずにはいられなかった。
おかげで改めて自分が生かされていること、また自分の小ささと自由を自覚することができた。
以上がピラミデビルのギャラリー紹介と、私の気づきの記録となる。
都会に住むものにとって、アートは身近な大自然。だからこそその美しさに畏敬の念を抱けたとき、同時に人の偉大さにも気づくことができる。
また訪れたい場所だ。
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