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#実は私xxなんです

有名な相撲ライターの西尾さんが、夏くらいからずっと、相撲と関係のない記事をnoteに掲載していて、すごく熱心にnoteというプラットフォームを研究されていて、すごいなあと思っている。

それ以上にすごいのが、西尾さんは、ちゃんと毎回「オチのある話」を書くことを意識していて、戦略的に取り組んでいる。それはまあオーディエンスを誠実に意識したらそうなるわけだけれども、毎日そんなに真面目に文章を構成できることがすごすぎる。

私もたまに、技術系だったり、商業クリエイティブ系のメディアから依頼を頂いて、文章を書くお仕事をやることがある。さすがに仕事で原稿を書く場合はちゃんと文章の構成を真面目に考えて、建築的なアプローチで記事をつくるが、そんなん毎日やってたら疲れてしまうので、憧れてしまう。

で、西尾さんが最近、PVを上げるために「#実は私xxなんです」というテーマでリレーエッセイを自前で募集されていて、普段noteが募集してるそういうやつとかほとんど乗っかったことが無いのだけど、なんか無いかなあと考えてみた。

まあ、いろいろある。私のことを知っている人と知っていない人がいて、知っている人であってもどのくらい知っているかには差がある。「実は3児の父なんです」とか「実は両親が詩人なんです」とか、出会ったばかりの方には「ふーん」とか「へえー」と思えるような情報も、親切な方がwikipediaに載せてくれてたりして、意外に知られていたりする。

そんなわけなので、「#実は私xxなんです」を考えるときに、これは、他の人が知らない情報でなくてはならない。身内以外がほとんど知らない、というくらいからが条件だ。

「実は松茸アレルギーなんです」あたりは良い気もするが、残念ながら私の周囲の人々は結構知っている。以前通っていた出版社の食堂で松茸ごはんを間違えて食ったらぶっ倒れた話とかは、ちょこちょこ人に話すことがある。松茸はとても美味しいので食べたいのだが、本当に食べるとスーパーマリオどころではない大変なことになるので、注意している。

また、「#実は私xxなんです」には、一定の驚きを伴う必要があるだろう。「実は毎日5時半起きなんです」とかくらいだと、「ふーん。早いっすねー」くらいな話でしかない。パンチ力がない。これでは成立しない。とはいえ、「実は私がサトシ・ナカモト(ビットコインつくった人)なんです」みたいな超すごい、自分でもびっくりするようなビッグニュースがあるわけではないのが難しいところだ。

さらに、ハイコンテクストすぎるのも良くない。「実は手の甲に木工用ボンドを塗ってはがすの好きなんです」とかは、題材としては良いように見えて、そもそも多くの人にとっては「?」だろう。「あ、ええと、あの・・・はい」みたいな感じだろう。それだと「#実は私xxなんです」的にはつらい部分がある。

ここまでの条件でいうと、

  • 他の人が知らないこと、せいぜい身内くらいしか知らないこと

  • 内容に一定の驚きを伴うこと

  • ハイコンテクストすぎないこと、それなりに一般の理解を得られること

といったところになる。こうなるとなかなか難しい。

これらをギリギリ満たす「#実は私xxなんです」を考えたときに、1つだけあった。

それは、「実は私、40超えても蒙古斑が消えないんです」ということだ。
私の臀部というか、つまり、尻には、通常赤ちゃん時代を終えると消えると相場が決まっている蒙古斑、つまり青い痣みたいなやつが、ずっとある。40数年消えないで残っているので、たぶん死ぬまであるんだろう。

今までそれで困ったことは一切ないし、医学的にも何も問題ないらしいし、身内以外の誰にも見られるようなことはあまりない。

ゆえに、「実は私、40超えても蒙古斑が消えないんです」と言ってもだからなんだというわけではないし、特に書くことは何もないが、なんか、今日も頑張ってどうしようもない文章を書き終わったぞ、という感じだけは持っている。

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