見出し画像

1023「AIに代わる脅威」

朝一で遠隔ミーティングをして、次男を学校に送って、家に帰ってきて少し休みながら、妻と、ふんわり、社会が変わることによって仕事がなくなってしまうリスクについて話していた。話の発端はこれだ。

妻に説明していたのはこういうことだ。普段あんまりここに仕事で考えていることは書かないが、まあちょっと仕事っぽいことを話していた。

どうも「クリエイティブの世界」というのは、フレームの時代とコンテンツの時代を繰り返している感じがする。たとえば、テレビというフレーム(コンテンツの入れ物)が登場する。すると、「テレビ」という箱を利用して新しいことをいかにやるか、ということをみんな考え始める。フレームをどう利用するかが「クリエイティブ」になる。

ところがテレビが普及して大概のことが試されて、テレビそのものに新規性がなくなってくると、今度は「コンテンツの時代」になる。テレビ番組の質など、フレームそのものより中身が問われる時代になる。

インターネット登場以降もそういうことが起こっていて、既に2巡くらいしていると思う。2000年代前半は、「インターネット」そのものがフレームとして脚光を浴び、その仕組みでいかに新しいことをやるかがクリエイティブだった。しかし、その文脈も初期のITバブルと一緒に弾けて、2000年代後半には、そこに載ってくるコンテンツやサービスが主役になっていく。芸術的に凝ったウェブサイトがたくさんあって、インターネット上の「表現」がとにかく楽しかったのがこの「コンテンツの時代」だ。

そして2010年代前半は、ソーシャルメディアやインフラ型のウェブサービスがインターネット上に新たな「フレーム」として力を持って、また「フレームの時代」になる。GAFAの時代だ。

しかしそれが2-3年前からもう終息に向かっていて、その後に来た「コンテンツの時代」、つまり「現在」の主役になっているのはYouTuberであり、インフルエンサーだったりといった、また別の形で現出した「コンテンツ」だ。

そうなるともうすぐ次の「フレーム」が見えてくる時期で、そもそも自分がPARTY(前の会社)を始めたときなんかとは全然状況が違ってきているから困ってしまう。というようなことを話した。いつも日記に何の栄養にもならないことを書いているが、本当はこういう難しいことをちゃんと考えている。仕事のことを書いて良いならこういうかっこいいことも書けるのだ。

そこで妻は「どんどん変わる業界は大変だよねー」と言い、「私なんか看護師だから、AIに仕事を奪われる心配はないけど、アザラシロボットに仕事を取られちゃう可能性はあるしね」と言った。わりと聞き流してしまったが、ちょっとした違和感を覚えた。ふと立ち止まって考えてみた。

「アザラシロボット?!」

違和感の核にあったフレーズを繰り返してみた。妻がAIに対抗する人類の脅威として挙げた「アザラシロボット」とは何か。妻を問い詰めた。

聞けば、アザラシロボットとはこれのことらしい。

セラピー用アザラシ型ロボット「パロ」は、楽しみや安らぎなどの精神的なセラピー効果を目的にしたロボットです。医療・介護施設や個人のお客さまに、元気付け、動機付け、ストレスの軽減…など、心身を癒すロボット・セラピー効果をご提供します。

ということらしい。動画はこれだ。

クソかわいい・・。一緒に暮らしたい。

妻は、このアザラシロボットが普及した暁には看護師なんて不要になる。患者は勝手にアザラシロボットと触れ合っていれば元気になっていくのではないか、ということを言っている。

全く知らなかったが、かわいすぎる。これがAIに代わる脅威だとするならばそれはそれで許してあげたくなってしまうほどのかわいさがある。これは「フレーム」なのか「コンテンツ」なのか。そんなことはどうでもいい。このかわいさの前にはどうでもいい。2021年、オリンピックも終わり、日本は高齢化を深めるばかりなのかもしれない。しかし日本にはまだ、アザラシロボットがある。まだ大丈夫だ。

みんなにも読んでほしいですか?

オススメした記事はフォロワーのタイムラインに表示されます!