1116「がちマンを許さない」
今日は大阪のイベントの本番だ。昨日はいつも関西にいる場合滞在する神戸のカプセルホテルに宿泊していて、そのまま神戸にいて、カプセルホテルの作業ブースで今日の準備でもしようかなと思っていたが、「今日は神戸マラソンなのでカプセル満室なんです」というまさかの宿泊不可となってしまい、宿泊先を失った。こないだもニューヨークのマラソンのとき混んでて地下鉄を降りれなかったりした。市民マラソンというのは、結構いろいろ影響があるのだなと思う。
ちょうどタイミングが合って、ソニーの戸村さんが携わっている「聴く映画館」が神戸で開催していたので、今日の準備をしないとやばいにも関わらず、行ってきた。２年前くらいに戸村さんとお仕事した際にちょっと体験させて頂いたこともあって、楽しみにしていたが、実際素晴らしかった。
このSSVR的な技術は、アメリカの知り合いでも自分で実験している人がいて、音が鳴っている位置を空間内でコントロールできるので、わりと単純な技術ではありつつも、いろんなインスタレーションなどに使えるし、そのへんが注目されている。
のだが、今回行ってみて、単純に音楽を聴く装置として新しいというか、あるべきものと言える気がした。何しろ人間は技術・デバイス的な都合で左右のステレオで音楽を聴くということに縛られているので、「そうではない音楽の聴き方」がそこに提示されていて良いなと思った。マリア・シュナイダーの「Hang Gliding」のSSVR版が聴きたい。
神戸のカプセルホテルというかサウナを追い出されたので、映画館近くのカフェでガーッと今日の準備を進めつつ、どこに宿泊しようかなと迷う。大阪にはいくつか温浴施設があるが、もうスパプラザも存在しないし（スパプラザそもそも泊まれないし）、そんなに盛り上がる施設はないので、しょうがないから京都に移動して祇園のルーマプラザに宿泊する。京都ならマラソンの影響もないし、数日前買うのを忘れた抹茶も買える。
ということで、カプセルホテルの食堂で酒を飲みながら書類を準備して、だいたいできたな、というところでカプセルに入って寝て起きて、まだ大阪に行く時間まで時間があるなと思って、朝からサウナで温まっていたときに、事件は起きた。
テレビで何か番組が始まったと思ったらその番組のタイトルが「がっちりマンデー」というタイトルだったのだ。
「え??????!!!! マンデー???」
やばい。もしかしたら私はカプセルホテルで30時間くらい寝てしまって、日曜日を寝過ごして月曜日になってしまったのではないか。イベントも飛ばしてしまったし、そもそも月曜日は早朝から名古屋で仕事だからそっちにも間に合わない。絶体絶命だ。これはやってしまった。死んだ。今日出る予定だったイベントの運営の方々はさぞや怒っていることだろう。一緒に来ていた会社の人たちも肩身が狭かっただろう。最悪だ。今まで何度か時間を間違えたりして人に迷惑を掛けたことはあったが、ついにこのレベルの大ポカをやらかしてしまった。ああ、申し訳ない。とりあえず取引先に連絡しなければ・・・・。
ということを瞬時に考え、サウナ室を飛び出る。とにかく急いで服を着る。心臓の鼓動が止まらない。心臓が口から飛び出そうだ。携帯を確認する。しかしおかしい。私が寝過ごしていたのだとすると、不在着信とかがわんさか来ているはずだし、いろんなプッシュ通知がたまっているはずだ。しかし、そこにはニューヨークの妻からのSMSくらいしか入っていなかった。良く時計を見る。あろうことかそこには「17日（Sunday）」と書いてある。一気に体中の力が抜けていく。え？ だって、さっきマンデーとか言ってたじゃねえか。サンデーじゃねえじゃねえか。
「まさか」と思って「がっちりマンデー」をネットで検索してみる。
『がっちりマンデー!!』は、TBS系列で、毎週日曜の午前7:30 - 8:00（JST）に放送されている生活情報バラエティ番組である。
正式なタイトルは『応援!日本経済 がっちりマンデー!! 日曜に勉強!月曜から実践!』（おうえん!にっぽんけいざい がっちりマンデー!! にちようにべんきょう!げつようからじっせん!）である。
タイトルにマンデーがついているが、放送曜日は日曜日である。これはサブタイトルの通り、お金に関わる知識を日曜日にこの番組で勉強して、月曜日から使えるようにしようという気持ちが込められている。
ふざけんな！ 何が「月曜から実践！」だ。日曜の番組に「マンデー」とかつけてんじゃねえ！ 「気持ちが込められている」ってなんだそれ！お前らのお気持ちなど知ったことではない。
思わずテレビ局に電話してクレームを入れようかと思った。日本在住の人たちは違和感がないのか?!
お蔭様でこっちはサウナを出て服まで来て色んな人にどう謝罪しようか考えていたのだ。本当にひどい話だ。
その後、乱れた精神状態を落ち着かせてどうにか予定通りイベントに出ることができたが、せっかく数少ない日本のサウナでゆっくりできる時間を奪った「がちマン」の罪は大きい。私は、がちマンを許さない。