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0728「上陸作戦」

昨日は下の子供2人(5歳+3歳)の七五三の撮影に行った。ガチの七五三の季節(11月くらい)には当然アメリカに帰っているので、夏のうちにやっておく必要があった。七五三をやる段階まで子供が育つということは、健康的にもいろいろリスクがある時期を乗り切ったということでもある(んだったような気がする)ので、ここまで来れて良かった。

そんなこんなで週末は、子供関連のイベントが結構あったので、それはそれで良いことなのだが、先週行って最高だった湯乃泉・東名厚木健康センターの系列店(草加か相模)に行きたい、という夢は叶わなかった。もちろん、叶うとは思わなかったが、長男と行けたら嬉しかった。

「月曜の朝、憂鬱になってしまうような仕事は辞めたほうが良い」なんていうことを言う人が結構いる。

しかし私は月曜の朝は完全に憂鬱になる。というか、めちゃくちゃ緊張する。ブルー・マンデーとはよく言ったものだが、気分的にはどんよりした曇天の下で、静寂の中自分の鼓動だけが聞こえているような状態だ。「緊張で吐きそう」というのが結構近い。クラクラする。

仕事が嫌いなわけではないし、どちらかというと好きなことを仕事にはしている。しかし、月曜日の朝には必ずこういうプレッシャーを感じて、辛くなってしまう。これはどういうことなのかというと、私は、「ちょっとしたノルマンディー上陸作戦状態」が毎週月曜日やってきているのだろうと思っている。

「ノルマンディー上陸作戦」というのは、1944年6月6日に、第2次世界大戦の連合国軍によって実行されたいわゆる「史上最大の作戦」だ。

この上陸作戦を描いたものとしては、映画「プライベート・ライアン」の冒頭部分が有名だが、兵士を満載した船が、敵の砲台が待ち受けるノルマンディーの海岸に接岸する。接岸するや否や、掛け声とともに船の扉が開いて兵士たちが戦場に飛び出す。そこに敵の砲台が集中砲火し、兵士たちは倒れていく。砲弾の雨の中、兵士たちはそれをかいくぐって前に進む。というような状態だ。

兵士たちは、接岸するまでの間、祈ったり、吐いたり、不安と緊張が混じった表情で前を見据える。そして扉が開いたら敵に向かって走り出す。

もちろん別に私は毎週命を賭けているわけではないので較べてはいけないが、毎週月曜日はちょっと似たような感覚を覚える。土日にちゃんと休みが取れた場合というのはもちろん前提だが、週末は、沖合の安全な場所で休息を取り、月曜の朝になると戦場に向かい、上陸船の扉が開いて社会に飛び出さなくてはいけない。

要するに、私はかれこれ社会人になってから20年近く経つのに、未だに社会に触れるのが怖いのだ。社会という場所は厳しい。そんなに優しい場所ではない。働き方も改革され気味で、長時間労働も減ったかもしれないが、社会に出ると、気の抜けないシビアなやり取りが飛び交っていて、相応の緊張感でそれに対処していかないとダメージを食らうことには変わりがない。社会は戦場ではない、と、いくら優しい人が言っても、どうしたって社会というものは戦場だ。そして社会を歩くのは孤独だ。40も超えれば、そういうのはなくなって左うちわで社会を歩けるようになるんじゃないかと思っていたが、全然そんなことはなくて、40を超えても、立場が社長だったりしても、全然、月曜の朝に上陸船の扉が開くまでの時間に吐きそうになる。

月曜の朝に、社会に出るのが怖い人だけで集まって励まし合う会みたいのがあったら行きたい。

今朝も、上陸船の扉が開いた。社会に飛び出して、連絡をして、プレゼンをして、コミュニケーションをして、作業をしているうちに、お昼すぎになる頃には立派な社会人に戻っている。こんなことばかり繰り返しているとハゲる。ハゲてるけど。

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