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0330「本宮ひろ志はまだ早い」

明日から出張の旅に出なくてはいけない。国で言ったら関わっている会社があるアメリカと日本と台湾くらいだが、都市で行ったらいつどこの都市に移動するのか表にしないとよくわからない程度にいろいろなところに行く気がするので、つまり移動が多い。一昨日くらいに発売された「ウイニングポスト9」(競走馬育成ゲーム)を飛行機とか移動中にすごくやりたいので、長男にダメ元で「2週間Nintendo Switchを貸してくれ。頼む。後生だ。」とお願いしてみたが、冷たい目で一瞥されて終わった。アーモンドアイがドバイターフで勝利したことだし、私もいろんなビッグレースで勝利したかったのだが、ダメだった。「最近現実生活で勝利が足りていないので、父にはSwitchが必要なんだ」と食い下がっても、侮蔑が入ったため息で返されるばかりだ。

PSVita用とかが出てくれれば良いと思いつつ、要するにそういうDSとかPSP的なポータブル端末は、みんなスマホで遊ぶからもはや出してもアレなのだろう。そういう意味でも、Nintendo Switchというのは据え置き端末にもなるし、携帯端末にもなるし、何にでもなるし、本当に素晴らしいなあと思うが、やっぱりこれは据え置き機だろうという先入観もあるし、そう考えると、DSとかみたいに1人に1台とは行かない。1家に2台とかあるとそれはおかしいような感じがする。価格帯も高い。こないだ発表されたGoogleのStadiaみたいに、処理とか描画も全部サーバ上でやるやつだと飛行機で遊べないと思うので、セーブデータとソフトウェアをアカウントに紐づけてクラウドに保存して、端末はレンタルとかで良いようなものがあるととても良いが、まあそれはそれで結構スマホでやっていることだなとも思った。

私はものすごい気合の入ったゲーマーというわけではないが、1976年生まれとかそういう人たちの多くにとって、ゲームというのは青年期の入口に出会ったインターネットがセカンドインパクトとするならば、少年期に出会ったファーストインパクトだった。

うちの場合は父が「ゼビウス」にハマり切ってしまい、毎日桜新町のゲームセンター(いま、たぶん画材屋さんになっている建物)に通いだしたときがゲーム元年だ。あのゲーセンの煙草の匂いとか、青年たちが「ゼビウス」とか「1942」をずっとやっている空間が忘れられない。父はそこでずっと子供を放置してゼビウスをやっていた。ゼビウスがファミコンに移植された瞬間にファミコンを買ってきたのも父だった。ファミコンがやってきた日のことは忘れられない。

仕事でトヨタのコンセプトカーをお手伝いした際の半ばPR記事だが、ゼビウスについては昔ブログでも書いた。実際あの仕事はこんな気持ちでつくっていた。

「ゼビウス」のデザイナー・開発者の遠藤雅伸さんは、本当にすごい人で、ドットも打てばストーリーもつくる上に、アセンブラとかそういう超ローレベルのプログラミング言語でゲームを組み上げて、世界的なヒットにしてしまうという、どう考えても神だ。

遠藤雅伸さんが上田和敏さんと当時から今にかけてのゲームについて対談した本があって、ここにはものをつくる上でとても大事なことがたくさん書いてある。

遠藤雅伸さんは宮城大学とかでゲームデザインの講義もされていたので、かなり体系化されたゲーム論の講義記録みたいのも出版されていて、そっちも最強に勉強になるのだが、そっちはある種プロ向けな感じがする。クリエイティブディレクターとか演出とかやる人は全員読むべき本だが、これについてはまたどっかでまとめて書きたい。

ただ私は、反射神経とか瞬発力とかが発達していない人なので、アクションゲームとかシューティングゲームとかは基本的に苦手で、やってはいたが、本格的にゲームというものに救われたのはワンテンポ遅れてファミコンに登場したアドベンチャーゲームやロールプレイングゲームとかだった。

実際そういう系のゲームって、「これがこうなったらこうなって、あれがこうなる」みたいな、論理の妙が駆使されていて、自分のお勉強能力の一部はそのへんで培われたという自覚があるので、最近長男が私がやってた「ドラクエビルダーズ2」を夢中になってやっているのとかを見て、私とて親なのでちょっとニヤニヤしている。あの手のゲームって、どう考えても教育に良いとしか思えない。

飛行機で読もうと思ってKindleに入れておいた、これも一昨日とか発売の、田中圭一先生の「若ゲのいたり」の単行本を、搭乗前にフライングで読み出してしまった。ゲームって本当に素晴らしいなあと思う。だから、長男におかれましては、教育的にはあれだが、2週間Switchを貸してほしい。

長男にもこの本を読んで欲しいが、それを入口に田中圭一先生のホームグラウンドである、ちんこが剥けると本宮ひろ志になる、みたいな世界観に進むのは彼にはまだ早いので、あと2〜3年したら一緒に読ませるんだと思う。本宮ひろ志そのものもまだ早いと思う。

剥けると本宮ひろ志になるやつはこちら。


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