0929「茎系」
京都に行くことになって、新幹線で作業していたのだが、すっかり気持ち悪くなってしまった。新幹線はGがすごい。よく考えたら揺れているときの飛行機程度には重力を感じるのだなと思った。
今回の日本滞在は、わりと経営っぽい書類仕事が多くて、必然的にロクに手を動かせない状態が続くので、フラストレーション値が上がっていきそうな感じではあるのだが、1週間ちょい前に脳内整理をした結果、やはりかなり頭が現実の認識と処理を綺麗にできるようになっていて、相変わらず自分は幸せな状態にあって、今はこれをやることが未来につながるのだから良いのだろうと思っていて、それは変化だなと思う。
一昨日見た夢がそんな自分の中で起こっている何かを否定するようなひどい夢だった。
健康ランドのリクライニングチェアでうたた寝をしていた際に見た夢だが、なんか、自分は謎のコミュニティの中心にいて、周りの人々がニコニコしながら、わさびとブロッコリーを足して2で割ったような奇怪な茎系の植物を食え食えと薦めてくる。周りの人々は全員、いらすとやに登場する人たちだ。
この茎系の食い物はめっちゃ青臭くてまずい。ちなみにそもそも私はブロッコリーが嫌いだ。あれはちょっと意味がわからない。夢の中でオエッとかなって、完食できないんだが、完食しないうちに周りのいらすとや人間たちがどんどんその茎系のあれを薦めてくる。気持ち悪い。しかし、あまり気分が悪くない。自分は幸福だからこの茎系のあれを食うことができているのだ。幸福な状態の見返りが、この地獄なのだ、ということが自分でわかっているのだ。まずい、しかし、嬉しい。ずっとオエッとなっているのだが、もうそういうものだと思って受け入れている。
それを食っていても腹は満たされない。しかし、私はこの幸福を実感し続けるためだけに茎系の何かを食い続ける。
幸福を実感している時間を延長するためだけにまずいものを食う。
で、苦しくなって起きたら健康ランドのリクライニングチェアの上で汗びっしょりになって目が覚める。完全に現実のほうがましな状況で、現実世界には、特に確認する必要のない幸福が広がっているし、幸福を実感するために何かをする必要もない。そこは健康ランドというある種の浄土だ。
何が言いたいのかというと、ああいう温浴施設のリクライニングチェアって、幸せな昼寝の象徴みたく思ってしまうが、実は寝心地悪いし、ちゃんとしたベッドで寝ないと疲れが取れないのではないか、ということだ。温浴施設ドリブンでカプセルホテルとかリクライニングチェアに親しんでいると忘れてしまうが、人間、ちゃんとしたところでちゃんと寝たほうが良いのではないか。