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0407「時節柄、鼻から」

日曜日だったので珍しい日本での休日をどう過ごすかと考えたときに、いろいろ悩んだ。そして週明けが関西で仕事だったので、せっかくだから関西の行ってみたいところに行こうということで、ここに行きたい! と思った場所が1箇所あって、それは京都府の宇治だった。

以前、この日記でも、抹茶が薬物としてやばい、という話を書いたが、それ以来「次に日本に行くことがあったら本場の超やばい抹茶を手に入れよう」と思っていた。そんなところにこの関西出張であるから、ここは抹茶の本場である宇治に行って、その中でも薬効がすごそうなやつをゲットしよう、ということで、朝から宇治に出かけようと思って高速バスで関西に移動したのだ。

つくづく自分はジャンキーっぽい行動原理で動く人だなと思うのだが、いったん抹茶というものの入口に立ってしまったので、どうも抹茶の極北まで行ってみたくなってしまう。

宇治という場所は大阪と京都の間にあるものだと思っていたが、電車で行ってみると結構遠かった。京阪電車の緑茶色をした列車に乗って宇治に向かった。さすがというか、宇治の平等院への参道はお茶屋さんが多くって、さっそくガチ感があるお店に入って「抹茶だけください」と言って、とりあえずその場で飲んでみることにした。

基本的にこれらのお茶屋さんは観光客向けにチャラいものを売っていて、それは要するに抹茶ソフトクリームとか抹茶サブレとかそういうようなものなのだが、私が求めているのはそういう軟弱なものではなくて、強壮剤としての、脳に作用するやつだ。ので、甘いものなどには目もくれず、とにかく良さそうなお茶屋さんをハシゴして抹茶を飲んでは、「このお店で一番強いやつどれですか?」などという質問をして回って、「え?!」と言われたりしつつ、いくつか良さそうな茶筒を買ってみた。

その過程で3杯くらいは飲んでしまったので、参道の奥の平等院にたどり着く頃には結構なバッドトリップになってしまっていて(明らかに薬効は出ていた)、前日のイベントのパーティーで久しぶりに名前を聞いた仲が悪い人のことを考えて、怒り始めてしまったり、とにかく攻撃的になってしまった。鳳凰堂の横の桜とか、めっちゃ綺麗で、本来は「やっぱ日本最高だなー」とか言いながら風情を楽しめば良いのだが、抹茶効果でバーサーカー状態になってしまっていたので、桜どころではなかった。やはり抹茶はやばい。

後で気づいたら、iPhoneの「メモ」にそいつの悪口を10行くらい書いていた。改めて、戦国時代の人たちがお茶を飲んで戦場に向かったのはそういうことなんだなと思う。

抹茶を教えてくれた友人に「いいの買ったよ」とメッセージで送ったら、「時節柄、鼻から吸引してみても結構良いよ」ということを教えてくれたので、韓国紙幣をゲットしたらやってみようかと思う。

歩き疲れて、最終的に祇園随一のサウナであるルーマプラザにたどり着いてちょっと仕事をして、早めに寝落ちした。完全に時差ボケだと思うのだが、午前2時に起きてしまった。時差ボケを治さないと、と思って、サウナ併設のレストランで、以前この日記の読者や川村さんから「これ読んでどう思うか」と聞かれていた「BLUE GIANT」を涙を流しながら読みつつ、ハイボールを何杯か飲んでカプセルに入って二度寝した。

やや飲みすぎたのもあり、家族からも会社からも友人から全員から見捨てられるというひどい悪夢を見て起きた。カプセル内が汗びっしょりだった。そろそろカプセルホテル泊も暑い季節だ。家族からも会社からも友人から全員から見捨てられると、かなり辛いんだなと実感した。とても楽しい日曜日だったが、最後にこてんぱんにやられた感がある。

今日は夢に見た岡山オフィスで仕事をしている。明日にでも感想を書こうと思う。