50歳50冊 児童文学5冊

児童文学編

子供の頃、何を読んでいたのか。熱中した記憶はあるくせに忘れてしまった本も多い。
でも本がいつでも友達であったことは事実です。
今回は、今考えるならこの本を子供の頃に読んでおきたかったという意味で
5冊の児童文学書をセレクションしてみました。

1. 指輪物語 J.R.R.トルーキン

人生の50冊 児童文学編 ベスト1

唯一無二、物語史上、至高の傑作! 我を忘れて、中つ国で繰り広げられる冒険譚を堪能して欲しい。

すべてのファンタジーの始祖であり、
ひとりの男が生涯かけて創り出すことが出来る限界を感じさせる名作。
壮大な叙事詩であり、これに比肩しうるのはホメーロスの「オデュッセイア」か。
子供時代なら、聖書を読むより、古事記を読むより「指輪物語」を読ませたい。
読み始めれば、必ず心震える冒険旅行が待っている。

2. モモ ミヒャエル・エンデ

人生の50冊 児童文学編 ベスト2

優しい児童文学の形をした哲学書。一度読めば、生涯かけて愛し続ける友になる。

子供の頃に一読すると、可愛い少女が世界を救うファンタジーでハラハラドキドキさせられるのだが、
大人になって再読すると、人間にとって時間とは何か?幸福とは何か?を考えさせる哲学なのに気づく。
読者の心の奥底に住んでいて、いつかふっと読み返したくなるような、生涯愛し続ける価値がある作品。


3. レ・ミゼラブル ヴィクトル・ユーゴー

革命の闇に閉ざされた市井の人々の無情な人生が、折り重なって感動のハーモニーを奏でる。

子供時代にじっくり大河小説を読むならこの「あぁ無情」。
主人公ジャン・バルジャンだけでなく、ミゼラブルの真の主役ガブローシュ少年の報われない境遇など
映画やミュージカルでは伝わりきらない物語がたくさんあり、涙します。

4. レミング物語&カウンセリング熊

そうだよ、お前は「自分だけのライオン」になるんだよ。無駄な自分探しから卒業させてくれる本。

自分が何者なのか?何をすべき存在なのかが、はっきりわかってる子どもなんて多くない。
大人だってわからないのだもん。さてそんな自分探しに悩む人々に勧めるのがこの連作。
集団自殺というレミングの習性に嫌気がさした主人公が禅僧のような熊の師匠に出会う話。
実は大人のためのおとぎ話であり、熊さん師匠と自分の種族からはみ出した動物たちの間でかわされる
禅問答には深い味わいを感じる。

5. 137億年の物語 クリストファー・ロイド

宇宙誕生と人類史を一本の線で語る、歴史と科学の融合が生んだ知的冒険。

いまのネット時代に長大な百科事典を買い与えるつもりはないが、
自分の子供にはこの一冊をプレゼントしたい。
宇宙の誕生を零時ちょうどとして、24時間計を用いて137億年で何が起きたのかを
最新の科学的根拠を元に解説する。
23時59分から人類の歴史が始まるが、その後は歴史の教科書になる。
理系と文系の幸福な結婚によって貴重な一冊が誕生した。

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