あの日私が好きだった人たちへ

14歳の私が、初めて人を好きになったあの日。同性を好きなことはおかしいことだと思い込んだあの日。異性愛であることが正しいと思い込んだあの日。辞書をひいて好きや愛や恋について調べたあの日。普通に憧れたあの日。普通でいたいと思ったあの日。

あの日から約14年。

異性を好きになったり、同性を好きになったり、LGBTという言葉と出会い、LGBT以外の言葉を知り、SOGIEという概念に触れ、LGBTIQsを自認する友人たちと出会った今も、あの日あの時とは世界の見方が変わった今も、あなたたちが大好きです。


2000年代初め、まだパソコンは大きくて、インターネットは容易に扱えるものではなく、LGBTという言葉が存在したかどうかも分からないあの頃、性の多様性について知る手段はほとんどなかった。学校の図書館にも保健室にも職員室にも、県や市の図書館にも、私の求める答えはなかった。中学生の私にはその答えにたどり着く術がなかった。

いつか私も彼氏をつくり、結婚して、子どもを産む。という漠然とした漫画のようなライフプランに淡い期待を抱きながらも、それは本当に幸せなのか、それは本当に私の歩んでいきたい道なのか分からず、アイデンティティの揺らぎを受容することができなかった思春期に、どうしようもなく好きだと思ったのは同性だった。

レズビアンやバイセクシャルという単語を知り、同性が好きなのか、異性を好きなのか、アイデンティティの揺らぎから目の逸らすことができなくなった頃、人生二度目のどうしようもなく好きだと思ったのも同性で、さらには人生で初めて同性に好意を伝え受容してもらえた社会人二年目。


私の28年間、まだまだ短く始まったばかりの物語は、常に愛で溢れていたように思う。

どんな偶然か知らないが、この二人の誕生日は一日違いで、10月がくると当時を思い返して胸が苦しくなる。恋焦がれてしまう。

二人は常に私の大好きな人である。


このnoteは、二人に届けるつもりも伝えるつもりもない気持ちを綴った絶対に届かない恋文で

5年後、10年後の私が笑って見返すことができるように、好きな気持ちが更新され続けるように、当時の私に届くように

そして、二人の誕生日を祝うために書いています。


お誕生日おめでとうございます。

あの日からずっと大好きです。

どうか、この生きづらい社会のなかで、あなたたち二人が、あなたたち二人の大切な人々が、誰かに差別されることなく、幸せでありますように。

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