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日本における同性愛嫌悪の歴史的根拠とその変容

概要  「古代以来,日本人は稚児の文化を許容してきた。......その伝統は江戸期をへて,現代にも根強く残っている。そうした文化的土壌のなかでは,同性愛にむけたタブー意識は欧米に比べればあきらかに希薄である」といった主張に代表される「寛容言説」は、前近代の男色文化と現代を重ねあわせ、日本は同性愛に寛容な文化や伝統を持つがゆえに、昔から強固な同性愛嫌悪は存在しないとして主張されてきたものである(風間,2015)。  さらに「......ゆえに同性愛差別は存在しないので、同性愛

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