ビー玉の由来は「ビードロ」でも「B玉」でも無い。フランス語の「球:bille」だった。
昨晩は20年前に他界した同級生を弔う山岳部の集まりだった。
世界史教師だった恩師が脈絡もなくこう言った。
「広辞苑は嘘をついている」と。
広辞苑には25万語が収録されている。
一語一語にイチイチ構っていたら、岩波書店もたまったものではない。
たまたま、先輩にネットニュース記者がいて、これを記事にしろと息巻いた。
「先生、俺は本当の事を書いたら俺じゃなくなるんでカンベンしてください」と先輩はかわした。
というわけで、恩師の昔年の恨みを成仏させてあげようと思い調べてみた。
今までビー玉の由来は、ポルトガル語の「ガラス」を意味する「ビードロ」とされていたが、「ビードロ玉」の記載がある物証がなかったそうだ。
そこに現れたのが業界用語である「A玉」「B玉」から来ているのではないかという説。ラムネに使われなかったB級品が、子供用のおもちゃになったという、もはや都市伝説である。
正解からいうと、ビー玉の「ビー」は、フランス語の「球・玉遊び」を意味する「bille(ビーユ)」が語源である。「ビリヤード(仏語ではビヤール)」も同じ語源である。
当時はガラスは高価なものだったので、粘土を焼いて装飾したものが主流だったそうだ。
さて、このビー玉がどのように日本に伝わって「びーだま」と呼ばれることになったのか?
1891年に来日したマリア会宣教師ランバック氏は、長崎・海星で、1898年には大阪・明星にて、教鞭に立ち、寄宿生だった生徒たちに、フランスの「ビー玉遊び(les billes)」を教えていた。
ランバック教師はしばしば東京の暁星にも赴任しており、「les billes」は東京の子供たちにも伝播した。
暁星の売店で売っていたビー玉は、土に染料を混ぜて焼いたものだった。
子供たちは、休み時間に、ビー玉を賭けて陣取りゲームをして遊んでいたそうだ。
なお、暁星の息子を持つ夏目漱石の「明暗」に「ビー玉」が登場している。
なお、白水社の「仏和大辞典」では、
と書かれている。
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