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特急券は途中下車ができない件について

表記の件について、友人と話しながら僕が思ったことをダラダラと書いていきたいと思います。

途中下車って何?

まず、今回の話のネタである「途中下車」とは何か確認しておきましょう。JR各社には、途中下車という制度があります。詳しい説明は、「途中下車」でググると各社のサイトで確認できますが、ここではそのうち重要な点について軽くまとめておきます。

途中下車とは、所持している乗車券区間でいったん改札外に出ることを指します。つまり、乗り換えや駅弁を買うなどの理由で列車は降りても駅の改札を出ていない場合は、途中下車とは言いません。例外を除き、途中下車は後戻りしない限り何回でも可能です。ここでいう例外は以下のとおりです。なお、いずれかに該当すれば途中下車はできません。

1. 片道の営業キロが100kmまでのもの
 そのままです。営業キロはYahoo!の乗り換え案内などで確認できます。

2. 大都市近郊区間内で完結するもの
 JRには大都市近郊区間という制度があります (リンクはJR東日本のサイトに飛びます) 。この区間内で完結するきっぷは、途中下車できません。結構広いので確認しておくといいでしょう。

3. 回数券や一部のトクトクきっぷ
 ここもそのままです。

また、上記3つの条件を満たしていなくても、きっぷの券面に記載されている特定都区市内では、途中下車できません (リンクはJR東日本のサイトに飛びます) 。例えば、あなたが持っているきっぷに、「東京都区内→大阪市内」と書いてあったとします。東京駅で乗車し、品川駅で下車した (改札を出た) 場合、それは途中下車とみなされず、きっぷは回収されます (東京→品川の運賃を払えば救済措置としてきっぷは復活します) 。また、目的地が天王寺駅だったとしても、新大阪駅で改札を出てしまった場合、その時点できっぷは無効となります。(なお、ここでいう改札は駅の内外を区別するものなので、新幹線と在来線の間にある改札は関係ありません。)
特定都区市内が具体的にどの地域かについては、こちらに地図がありますので確認すると良いでしょう (条件を満たしていれば勝手に適用してくれるので、購入時にわざわざ言う必要はありません。リンクは例の如くJR東日本のサイトに飛びます) 。

…とまあ、長々と説明してきましたが、この制度は乗車券の制度であって、特急券には適用されないものとなっています。そのため、例えば東京から新大阪へ新幹線で行く時、車内途中に名古屋城見に行きたいなって思い立っても、行くのを諦めるか名古屋→新大阪分の特急券 (未乗車分) を捨てるかの二択になります。この件について、いろいろ考えていきたいと思います。

なぜ特急券は途中下車できないの?

そもそもなぜ特急券では途中下車ができないのでしょうか。JRには、その母体の国鉄には、当然その理由があるのでしょう。

ここから先は私の考えです。特別根拠のある話というわけでもありません。

特急券が必要なものって何でしょうか。当然、特別急行に乗るためのきっぷです。現在では絶滅危惧種ですが、急行列車に乗るためには急行券が必要です。ちなみに新幹線は特別急行となります。
これらの列車の目的は何でしょうか。速達輸送でしょう。より早く目的地に行きたいという乗客の願いを叶えますよ、そのかわり、早く行く分のお金をくださいねという感じでしょう。
ここである疑問が生じます。

早く行きたい乗客が、途中下車するでしょうか。

特別急行に乗るということは、早く行くためにわざわざ追加料金を払ってまでその列車に乗るということを意味しています。早く行きたいのに途中下車、すなわち寄り道をするというのは矛盾しているのではないでしょうか。
矛盾したことをする乗客のために、わざわざ国鉄 (及びJR) がそのような制度を設けるのかと言われると、否、でしょう。

元来、特別急行は格式高い列車でした。都市間の移動は、普通列車か急行列車が普通でした。新幹線に至っては、「夢の超特急」と言われたほどです。

ではなぜ、「格式高い特別急行に乗るためのきっぷ」である特急券に途中下車がないのかを疑問に感じるようになったのでしょうか。私は、原因として特別急行の相対的な地位が低下したことがあると考えます。
「特別急行の相対的な地位が低下した」とは、言い換えると「特別急行が大衆化した」ということです。特別急行が大衆化した理由については、国鉄が「エル特急」を導入して特別急行の大衆化を図ったことが挙げられますが、こちらの詳細についてはあまり関係がないため割愛します。
とにもかくにも、特別急行は大衆化し、人々が身近に感じるようになりました。新幹線も例外ではありません。もはや身近なものであるため、人々は旅行に行くとなると新幹線や在来線特急を使うことが多いでしょう 。近距離であれば、普通列車でもなんとも思わないかもしれませんが、例えば東京から大阪へ旅行に行くとき、普通列車で行くと言ったら多くの方が「なぜ?」と思うでしょう (首都圏某所から神戸までひたすら普通列車で行った顔) 。
格式高い移動手段から単なる移動手段となった新幹線は、誰もが「急いで移動している」わけではなくなったのです。特に急いで移動しているわけではない人は、もしかしたら移動中に気が変わるかもしれません。東京から大阪へ旅行中の乗客が、「次は、名古屋です。」と言われると名古屋に行きたくなるかもしれません。このとき初めて、「特急券は途中下車ができない」という規定が問題になります。

つまり、表題として掲げている問題は、新幹線を含めた特別急行が大衆化したことによって生じた、現代的な問題であるのです。

旅客鉄道会社も認識しているのではないか

「特別急行が単なる移動手段になった」という点は、JRも認識していると思います。特に四国旅客鉄道 (JR四国) はこの点をうまく活用しているのではないでしょうか。JR四国の特急列車自由席乗り放題というきっぷが様々売られていることが、これを裏付けていると思います。

おわりに

書きたいことは書いたので、今日はこの辺でおわりにします。お読みいただきありがとうございました。

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