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足し算の巧妙さ

とある週末。

公園でピクニックをしていました。
お昼時になったので、近くのコンビニへお昼ご飯を調達に行くことにしました。

セブンイレブンへ向かったのですが、日差しの強い秋とはいえ「冷たい麺でもいいな」と思える気候でもありました。

そんななかレジ横でお湯入れるならカップ麺もアリだな、と思ってその日は

博多だるま監修 豚骨まぜそば』にしました。

これには添付のソースと調味油、にんにくの3袋が入っていました。

袋を取り出してお湯を注ぎ、待ち時間5分の間に公園へと戻りました。

お湯を捨て、調味をしようと思った時に、「子供も食べるかな?」と思い、添付ソースだけを入れて混ぜました。

すると例えようのない香りが周囲に漂い、豚骨ってこんな匂いだったかな?と思ったり、実際に『だるま』へ足を運んだことがありますが、このような香りではなかったよな。と思いました。

食べて美味しくないというわけではないのですが、豚骨をそこまで感じられずにいました。

結局、味見したものの子供も食べないということで、それならばと調味油を控えめに入れて混ぜてみました。


遅れてきた感動

すると途端に変わるものですね。
ゴマ油のような香ばしい香りがしてきて、一気に豚骨風味が完成されました。

さらにニンニクも僅かに入れて混ぜてみました。
そうしたら途端に更なる安定感が訪れました。

遅ればせながらようやっと理解できました。
この商品がどのような完成図であるかを。

ついつい調味料などは、少しずつ色々と入れてしまって元々の味がわからなくなるなんてことが起こり得ることがあったりするわけですが、ならば引き算していって、最小限の添加でシンプルに食べたい。
そのような訴求があることも事実です。

しかしながら本商品にて判明したことは、添付調味料はそれぞれ足されて完成に近づくこと。
「お好みで」といわれているものであっても全く入れないでいると、「完成予想図」とはかけ離れた味を食している可能性があるということです。

もちろん、その未完成ヴァージョンを個人的に気に入っているのであれば問題ないわけですが。


別のとある日

同様な感覚は以前に、別のカップ麺『蔦 醤油ラーメン』でも経験しました。

こちら残念ながら実際の店舗に赴いたことはありません。

とはいえミシュランが星を与えたという話題のラーメン店であることは知っていたので、試しに食べようと思い、そして調味油を入れずに食べてみました。

しかしなんだかシンプルな、シンプルすぎるようなスッキリした味で美味しくないというわけではないのですが「これが?これをミシュランが?」などと思わなくもなかったのです。

そこへ添付の『黒トリュフとポルチーニの風味を加えた特製オイル』を入れたのです。

そこでようやく全貌が明かされたのです。
これを入れないと全く異なる商品となっていたことを。

トリュフとポルチーニの風味が加わって、一気にワクワクするような体験へと豹変したのです。


おわりに

本来は全て加えることが意図されたカタチで開発されているであろうカップ麺ですが、あえてメイン調味スープ以外は入れずにまずは食べてみる。
その後に、お好み調味油やスパイスを少しずつ入れていく。
そうすると段階的にメーカーが意図していたであろう完成図を体感出来ます。
そしてオイルやスパイス、シーズニングの『足し算の妙』という「匠の技」をまざまざと見せつけられる体験が出来るのです。


おしまい

最後までお読みいただきありがとうございます。 いただいたサポートは麦チョコ研究助成金として大切に使用させて戴きたいと思います。