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コストと情シス

 今週は、混乱していたプロジェクトの消火作業でした。どうやっても現場では決着つかないこと、あるあるです。

 もめたときのtodoは下記に書きましたが、今回はコストについて書いてみます。

コスト感の話をいつするか?

 弊社では今、予算については最初にもらっておくようにしています。以前は「自由な発想ができないからコストの話はあとで」と、延々と見積の話が繰り返されることがありましたが、予算とスケジュールによってシステム化の手段は変わってきますので、今はドライに「どれだけかけてよいと思っているか」を聞いています。それでも「私には判断できない」「提案内容によってかけられるお金は変わってくるのだから今は何とも言えない」という話が繰り返されたりもします。

予算ではなく「予算感」

 ここで大事なことは、予算ではなく「予算感」であることです。システム化によって思っていた以上にメリットが得られそうなら、投資を増やすという判断も確かにあるでしょう。そういった経験もあるので、ユーザ側は慎重になります。こういったときには「これ以上は絶対やらないという上限」を予算管理者の方と直接確認するようにしています。予算管理者側からすると、安ければ安いほど良いわけなので、本当の金額を部下に言いたくないとか、いろいろあるんですよね。めんどうくさい。

いきなりベンダーを呼ばない

 弊社では、いわゆる「常駐ベンダー」がいますので、ベンダーを呼ぶのがとても簡単です。以前は、やりたいことをユーザがベンダーに話すと、ベンダーがそのままそれを見積もって、情シス予算でやるだけ、といった時代もありました(ほぼ青天井。。。)。

 上記のような状況になっている背景には、常駐ベンダーは予算感もわかっているのであまりとっぴな見積は出さないということがあったのですが、ベンダーをいきなり呼んでしまうと、コストの話ができず、具体の見積もりや要件の話に進んでしまうため、費用対効果の確認がしっかりできないまま進んでしまうんですよね。

 なので最近は、まずはどうやってシステム化するか、という話を先に整理したうえで、それに適した形で関係者やベンダーを呼ぶという考え方に変えていっています。

野放しになるプロジェクト、
いるだけになる情シス、そしてお荷物化するシステム

 アウトソーシングしている場合、情シスは往々にしているだけになってしまいがちです。これでは企業として本当に作りたいシステムからはどんどんずれ、ガバナンスもきかせられなくなります。さらに、SaaSやらの提案もなくどんどんスクラッチに倒れ、当初の目的が忘れ去られた機能の寄せ集めみたいなシステムが出来上がっていることも少なくありません。こうなると個別開発は安く便利にできても、保守運用費がどんどん上がっていき、お荷物化していきます。

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 そういった意味で、投資額とそれに対するリターンをしっかり確認してプロジェクトの手綱を握るのがコーポレートSEとしての仕事だと思っているんですが、「ベンダーがやるんだから俺は知らない」とかいう課員や、「いいからベンダーと直接話させろ、具体はそこで話す」と言い放つユーザとかはいまだにいます。。。上記のような流れになる根底には、情シスとしての役割認識の欠如、ユーザからの信頼がそもそも勝ち得られていないなど、双方に要因があると感じています。

 情シスが単なる「使いっぱしり」になってしまわないように、「自分の役割」を認識させることも、マネージャーの大切な仕事だと思っています。

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