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「かがみの孤城」の伏線回収の秀逸さに涙が止まらなかった話

私は、人が少なくなった夜の映画館で
ひっそりと、1人で静かに観る映画が大好きだ。

年末になり今年の仕事も納め、息抜きに映画館に行く。

そこで2回目のスラムダンクを観るか、
興味のあった「かがみの孤城」を観るか迷い、後者を選んだ。

結果として、今期のダークホースなのではないかと
言えるぐらい、心が温かくなる素晴らしい作品だった。まさに1人映画にぴったり。静かに作品と向き合う良い時間になった。

主人公の安西こころは中学1年生。学校でさまざまな問題を抱え不登校になっている。
思春期の難しい年頃、私自身も教師をしているため、無関係な話として見ることはできなかった。
・自分の恋に邪魔になりそうな同性に意地悪をする
・自己保身のために権力のあるグループの言いなりになる
・1人では行動できないから複数人になって行動・犯行する
など、心も体も未熟な中学生には割り切れず、大きなヒビになり、いじめに発展していく。
こころもそれに巻き込まれ、学校に行けなくなる。

学校に行けない日々の中で、ある日部屋の中の鏡が光り、中に吸い込まれる形で別世界に行く。
ここが、鏡の中の世界。「かがみの孤城」だ。
そこには、自分を含め7人の中学生。そして「オオカミ様」と呼ばれる番人のような人がいる。
「なんでも願いが1つ叶う部屋」の鍵を探すために1年間、孤城と自分の生きる世界を行き来する生活がはじまる。

集められた7人の共通点は?
そもそもなぜ集められたのか?
オオカミ様って何者?
この孤城の世界ってどこ?
最後どのような願い事をするのか?

様々な疑問が浮かぶ中、最後は綺麗に全て伏線回収される。
全ての謎が明らかになる時、涙が止まらないそんな作品であった。

この作品から感じたことは、どの時代でも人は、孤独を感じたり、辛い環境に耐えられなかったりするということ。
でも、必ず理解者はいるということ。
それは身近な人ではないかもしれない。今はわかってくれる人は誰もいないかもしれない。
それでもきっと周りを見渡せば必ず手を差し伸ばしてくれる人はいるのだということを映画から強く感じた。

アキとこころの関係。アキとみんなの関係。
みんながアキを救うことを望み、こころがアキを救ったから、アキがみんなを将来救う。
マサムネとスバルの関係。リオンとオオカミ様の関係。
時代は違えど、それぞれが人生のターニングポイントとなり支えとなる。

人間は当人しかわからない苦しみや悩みを抱えているものだ。
他人には理解できない苦しみかもしれない。心が元気な時はちっぽけなことでも、弱ってる時は大きな苦しみを感じてしまう問題かもしれない。

でも、そのような時、つい周りの人間は自分の物差しで他人を見てしまうことがある。それを勝手に自分の匙加減で「甘えだ」「○○であるべきだ」などと決めつけて、理解したつもりになってしまうことがある。

大切なことは、相手の気持ちに寄り添うこと。

頑張らなくてもいいんだ
自分のペースでいいんだ
自分の望む道をゆっくり進めばいいんだ

そして、1人じゃないんだ

ということを胸に刻み、映画館を後にした。

非常に爽やかな気持ちになれる作品。
ぜひ、観てほしい。
そして、良ければ感想を共有しましょう。

コメントお待ちしております。
最後まで読んでいただきありがとうございました。

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