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私立VRC学園を卒業して

私立VRC学園に通い,2週間過ごして卒業して何を思ったのかをつらつらと書き連ねようというそういうものです.日記的に書いてきた今までとは異なり,最後の総括のようなものなので毛色としては初日のものに近いようになるかもしれません.それぞれの講義の感想については長くなるのは明白なので各日記を参照ください.

そもそもあなたは誰ですか

はじめましての人もいるでしょうし少しだけ自己紹介.pyocopelぴょこぺるという名前でVRChatに出没しています.VRChatを始めた時期は2018年8月,初代Vket(ちゃまけの呼び方結構好きでした)が開催される直前でした.今はマロンちゃん集会を主催したりしています.マロンちゃん,いいですよ? なってみません?

さて,本題です.

私立VRC学園とは

私立VRC学園というのは「VRChatに関する文化や技術を初心者の方へ伝えるとともに、その交流を促進することが目的のVRChat内イベント」です.こういうことを言うと「お前初心者ちゃうやん」とツッコミたくなりますし,自分もそう思っていました.しかし別に初心者でないからといってVRC学園は入学を拒否することはありませんし,クラス分けでも初心者と慣れた人を混ぜることでクラス内でサポートし合う環境を構築できるようにしていました.「話には聞くし行ってみたいけどTrustedやしな」と思っているもしかしたら内部的にはLegendなベテランVRChatterも,気になるなら説明会に行ってみてはいかがでしょうか.

入学して感じたこと

VRC学園のフレッシュさ

そもそもなぜ入学したのか,というとフレンドさんからの口コミで楽しそうな雰囲気を感じたからと,Trustedでも行って良いという気付きを得たことがきっかけでした.そして説明会に参加してコミュニケーション系の授業に魅力を感じ,集会の主催として勉強させていただくものはあるだろうという確信の元,応募してみたら当選したという感じでした.

界隈にもよるのでしょうが自分が身を置いている界隈はもうVRChatを初めて数年経っているような人ばかりいて,初心者の頃のフレッシュさはどこに置いてきたと言わんばかりの落ち着きようです.とはいえSanrioめっちゃ楽しいとかShaderFesのワクワク感が初めてVket行った時とおんなじ感じでやばいとか,時折心が若返ったりはします.一方でVRChatを始めたばかりの人が多いところでは何をするにも楽しいし何を見ても感動するという方が多くいます.やはり人が何かを楽しんでいる姿感動している姿を見るとこちらまで心が温まるようで,こちらも楽しくなってきます.

ある程度固定された界隈にいてると初心者の人とよく絡むということはありません.一方で学園では初心者も混ぜ込んで上からこのグループで2週間過ごしてくださいと言われます.自分のクラスは4組でしたが,2022年の12月に始めましたとか2023年1月に始めましたとか本当につい最近VRChatに入ってきた方も多く,いろんなワールドで楽しそうにしている姿とかを見ることができました.

固定の界隈にいると新しい刺激は入ってきませんし,どんどんと思考が老いていくだけです.やはりこういうときに初心者案内とかしてみると,と言いたいところですが,初心者案内はハードルが自分的には非常に高いのです.というのは初心者を責任もって特定の界隈に属させたりと面倒を見ることはできないし,最初のチュートリアルだけしてあと頑張れと突き放すことも自分にはできません.18年当時にやってみて痛感したことです.翻って学園,こちらは2週間一緒にいることが決まっています.2週間も一緒にいれば話せるフレンドにもなるでしょうし,この人はどういう人でという既存の界隈への紹介もできるでしょう.そういったフレッシュさを感じ,自分がVRChatを始めたときの何もかもにときめいた感情を思い起こさせることもできるし,入るための心理的障壁も初心者案内よりは軽いのが学園なのかなと思いました.Let's VRC アンチエイジング!

新しいコミュニティに入る怖さと杞憂

心理的障壁も初心者案内よりは軽いなんて微妙な表現に気付いた方は鋭いですね.人と人とのコミュニケーションなので合う合わないはあります.それを危惧して尻込みする人もいるでしょう.自分もそれでした.

VRC学園の目的の一つに交流を促進するとあります.自分は授業に魅力を感じて入りましたが,交流を主たる目的として入学してくる方もいます.それに説明会で求める学生像として放課後の交流も行う人というよう言われます.加えてほぼほぼ全員が初対面なのでマインドセットとして「人を受け入れる」というのはあるでしょう.意外と杞憂に終わるものでした.

もちろん学期によって盛り上がったり問題を起こしたり何もなかったりという期があったそうなので,本当に人によるとしか言えないのは事実だと思いますが,少なくとも自分が見たVRC学園は人を受け入れようとしてくれる空気で満ちていて,別に警戒しなくても大丈夫と思えるものでした.

あと付け加えたような話ですが,現実世界では会うことのなかった人とVRCで会ってVRChatすごいという話はよく聞きます.しかしこれはVRChatの中でも言うことができるのではないでしょうか.VRC日本界隈は狭いと言えど,知らぬ界隈はあります.フレンドのフレンドを辿っても行きつけないこともあるでしょうし,そうなると同じVRChatterでも会うことはないかもしれません.となるとやはり現実世界と同じで普通にVRChatで過ごしていても会えなかったような人と学園で会うことがある,これは一つ魅力としてあるのではないかとそう感じます.

懐かしいコミュニティのでき方

VRChatはあくまで趣味の場です.そのためグループができたとしても仲間内で集まって形成されていく形がほとんどだと思います.一方現実の学校はどうでしょうか.先生たちがこの子はこのクラスと決めてそれで1年間過ごさなければならない.このように上からグループが形成されています.

VRC学園は学校のロールプレイみたいなものなので,この方式をとっています.学園の運営の方々がどのような分け方かわかりませんが,人をクラス単位で分けてグループを形成させます.学校なのでそれはそうなのですが,VRCでこのようなグループの形成の仕方は自分は見たことがありませんでした.

学校を卒業してからまたこのようなグループの形成の仕方を見る.これは非常に興味深いもので,0ベースからどういう風にコミュニティが形成されていくのかを中に入って見ることができます.そういう意味の面白さというのもVRC学園にはありました.

注意した方がいいかもということ

VRC学園ではKnown User以上の人はUserに偽装しなけれななりません.これはNew Userの人が周りがTrustedばかりで委縮したり,Trusted同士で固まってグループができてしまったりするのを防ぐためで,確かにその通りだと思います.昔はネームプレートの色自体が変わってましたし,初心者がTrustedを怖いと思う話はよく聞きます.

そんな中でTrustedであることを主張しまくってたり歴が長いことを自慢したらまあダメですよね.講義などでも「これに関しては自分の方が詳しい」と言って詰めることはしてはいけませんし,結局は謙虚な姿勢で,自分のしてきたことを一端空にして授業に臨んだり学園生活を楽しんだりした方が良いのではないかと思いました.だいたいの授業はその気持ちでいたのですが,「これはイベント運営に応用できるぞ!」という授業に関してはマロンちゃん一辺倒になっていたので,自分がこれをできていたのかと言われると難しい顔をするしかありません.ただ初心者になり切れというわけではなく,本当の初心者もいらっしゃるので,そういった方をサポートするのも良いと思います.

交流に関しては自分もはじめはめちゃくちゃ気を使っていたのですが,途中から別に隠さなくてもいっかと思っていつも通りな感じで過ごしていました.最初に比べたらだいぶリラックスしていれるようにはなったんじゃないですかね.もちろんこのあたりは裁量というか人や環境に寄るのでなんとも言えないところです.

卒業をして

交流に関して

もともと交流は二の次で放課後の交流もしてねって言われてたから「しゃーなしやで」って気持ちで過ごしていました(なんかツンデレみたいですね).しかしながら何か思い入れでもあったんですかね,せっかくできたコミュニティを消滅はさせたくないとちょろちょろ動くようになったので,何かしらの誘因が大きくなったんでしょう.いろんな人に「学園どう?」と聞かれますが,「意外に楽しいね」と言っているのはこの部分だったりします.そう,意外と交流が楽しい.

ここまで生徒メインで書いてきましたが,先生との交流も楽しいものです.生徒と先生という立場ではありますが,別に公的な機関に所属しているわけではないのでどちらも一VRChatterです.生徒同士の出会いも大事なものですが,先生との出会いもまた大事なものです.今回は何の偶然か元9-2の方が副担任で共通の知り合いが数人いたり,同じ日本酒飲みの仲間が出来たり良き出会いだったなとしみじみ思います.

他にも講師の方で,もっとこの人の話聞きたいという人とも出会えることもありましたし,人から学ぶことで良い刺激を受け取ることもできたと実感しております.結構授業を受けるだけみたいに思っていたので,もっと授業後もお話とか聞きに行きたいと思える人とお会いできたのは意外であったし,行って良かったと思える理由の一つです.

クラスごとの違い

特に選択授業でですが,どこかのクラスに行った時に放課後にどこ行くかみたいな話を担任の方が積極的にしていたのが印象的でした.自分たちのクラスは放任主義というか生徒の自主性を重んじてクラスがどのような方向に進んでいくのかを見守るという立場の方だったので,縛られることはなく自由にのびのびと過ごさせていただきました.

卒業後も一VRChatterのフレンドとして仲良くできるのが一番という考えでそこは自分と同じだったので共感するところですが,卒業後も先生であることは変わらないからいつでも頼ってねという立場の方もTLに流れてきて,いろいろ考えはあるものだと思ったところでした.こういったものが卒業後にどのようになっていくのかは気になるところですね.

結局のところ

適当につらつらと書いてきましたが,結局のところ何が言いたいかというと「案外良いもんですよ」ということです.特に誰にお勧めするかというと始めたばかりの初心者はもちろんそうなのですが,VRChatを長くやってもう惰性で続けているというような方にもお勧めしたいですね.

最後に

今までは偏見持ってたけど意外と良かったよ,気になってたら行ってみればええんちゃうというお話.そしてこっからはちょっと個人的なお話.

このタイプの学生生活は高校生が最後というところですが,自分は自称進学校だったのもあってだいたい勉強していました.卒業に向けて何かクラスで参加したものがあるかというとその辺は合格組に任せていたので特になく,中学時分も完全な陰の者ゆえひっそりとしていた記憶です.中学は部活,高校は勉強.そんな感じでした.唯一クラスで参加して楽しかった思い出があるのは,クラスの半数くらいオタクだった高校1年の文化祭でコスプレ喫茶を開いた時だったかな.

VRChatは終わらない放課後とか青春のやり直しとも言いますし,上手いこと言ったなと思っています.マロンちゃんを通して様々な人とかかわっていく中で見ず知らずの人ともお話しすることができるようにはなってきました(まだマインドセットをしていないと厳しいところはありますが……).様々なフレンドと交流する中でいろいろ楽しい思いをさせてもらいましたが,完全な学校とは違いますよね.そんな中でのVRC学園とクラスで企画したサプライズ.今考えれば学校でできなかったことをやり直したと真に言えるのかもしれません.

高校生とか大学生とか,なんだかんだ優等生ポジションにいたために一歩引いた眼で見られることはよくありました.おそらくその癖が抜けきってなかったのでしょう.学校という環境に惑わされて一歩引いた眼でクラスメイトを見ていたように思います.しかしだいたい4日目くらいからでしょうか.日記を書いてて「あれ,客観的に書けない」と違和感を覚えました.ここで少なくとも2日目だったかに言っていた自分が無意識に作ってしまっていた線引きはなくなったのでしょう.学生自分に密かに望んでいたフラットな関係にようやく成れたのだと思います.

こういった関係は続けていきたいと切に願っています.そしてこれはチラッとイオさんに言ったことですが,自分は興味がなくなればスッと消えるだけなので,何かしようと思えるくらいの魅力がえんじぇるじゅーしーにはあったとそこは確信を持って言えます.そういう魅力あるクラスの一員になれて良かったと思いますし,良い巡り合わせだったなとしみじみ思います.今後ともよろしくお願いします.

というわけで「2018年からのVRChatterがVRC学園で過ごしてみた」でした.日記から見てくださった方,えんじぇるじゅーしーの皆様,学園を裏で支えていた方々,講師の方々,本当にありがとうございました.

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― 了 ―

pyocopel


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