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赤子録その2

妊娠期間中、X(旧Twitter)のマタニティアカウントでやたら「ドラマのコウノドリを見た。とても良い」というポストを見かけた。
前々から気になっていたし、見たい気持ちは十二分すぎるほどにある。しかし、出産に向けて必要以上の知識を付けてしまいそうだったので、産前は視聴を控えていた。(そしてそれは正解だった。)
出産後、満を持してNetflixで配信が始まったコウノドリを一気見したわけだが……、まあ大号泣である。
主演の綾野剛さんを始め、錚々たる俳優陣による名演技もさることながら、各エピソードの出産にまつわるエトセトラが実際に危険なお産を経験した身からすると非常に身に詰まされる。
出産に絶対はないという当たり前のことを、改めて再認識できるとても良質なドラマだった。

また、劇中の音楽もとても気に入っている。コウノドリの主人公・鴻鳥サクラの優しい性格に相応しい、心を温かく包み込むような繊細で柔らかなピアノのメロディ。
最近音楽番組でよく見かけるようになった清塚信也さんの作曲と聞き、妙に納得してしまった。テレビで見かける彼は一見お調子者だけど、柔らかく細められる目元に慈愛の色が滲んでいるように見える。
そんなわけで、前段が長くなったが今夜もこのドラマの劇中歌「Baby, God Bless You」を聞きながら書き進めたい。

続・うちの赤子、手の存在に気が付いた

てっきりお腹が空いた時にだけ手をちゃむちゃむするものかと思ったら、どうやらそういうわけでもないらしい。
最近は機嫌が良い時にも天高く拳を掲げ、何か吟味するようにその拳をじっと見つめている。
余談だが私はミュージカルが好きだ。とりわけ『レ・ミゼラブル』が大好きで、一番好きなシーンは主人公のジャン・ヴァルジャンが「ジャン・ヴァルジャンは死んで生まれ変わるのだー!」という叫びと共に仮釈放許可証を破り捨てるシーンである。
多くのヴァルジャンが許可証を破り捨てたあと、己の意志の強さを神に向けて示すようにぐっと拳を空へ突き上げていた。その様子がまるでうちの赤子のそれだ。
それを見る度、「この子は一体なにを決意しとるのかなぁ……」などと思う母親である。

うちの赤子、重たい

生後90日以上を過ぎたところだが、現在の体重は6㎏を超えた。
一応、成長曲線の真ん中よりちょっと上をひた走っている状態なので、太り過ぎとかそう言うわけではないと思う。
しかし、見た目はもうかなり貫禄のある赤ちゃんだ。
ほんの3ヶ月前、「こんなに小さくて大丈夫なの!?」「めちゃくちゃ頭がぐらぐらするんだけど!?」「片手で持てますけど!?」と大人を驚かせたあの儚さは、最早見る影もない。
ミルクを飲み終えた後にぶすりとした表情でゲップが出るのを待っている姿など、ただのマフィアのボスである。リトルボス、ここに爆誕。
ちなみに私のお気に入りは太ももだ。
非常に不謹慎な話だが、食べたら美味しそうなぐらいむちむちと太った両足は触るとすべすべなのにもちもちしていて、永遠に触っていられる気がする。同じくらい頬っぺたと、顎の下に出来た二重顎も触り心地が良い。
「あらー、もちもちですねー。可愛いねー」などと言いながら赤子と戯れていると、本当に文字通り時間が溶けていく。
昨日のお前仕事しろよ!?と後から突っ込む羽目になるので、そこら辺本当に頼むぜ、私よ……。

うちの赤子、君も雨っ子なのか

私は雨女だ。そして旦那さんは雨男だ。
そんな二人が結婚すれば、結婚式は雨となる。当然と言えば当然の結果だった。
某有名神社で挙げた結婚式は笑えるくらいの土砂降りで、参列者には大変申し訳ないことをした。だが結果として人払いの雨となったので、個人的には結果オーライだったなと今でも思っている。
しかし、それが子のお宮参りとなれば話は別だ。
奮発して私も着物を着たし、何より冷たい雨の中で赤子と写真を撮るのは(技術的に問題ないと分かっていても)出来れば避けたい。3月下旬の雨なんて、寒いに決まっている。
今回は某写真撮影スタジオの出張お宮参りプランを頼んだので、どうせなら晴れて欲しい。なんなら桜も咲いていたら嬉しいな……と淡い期待を抱いていた。
期待が期待で終わらぬよう、予約をした日からことあるごとに「晴れろー、晴れろー」と旦那さんと祈っていたほどである。
――が、迎えた当日。当然のごとく雨だった。
結果、我が子も雨っ子だったということが証明されたわけである。
最近になって出来上がってきた写真を見たところ、やはりプロの仕事なので雨の気配は微塵も感じない。カメラマンさんが持ってきてくれた番傘を差していなければ、雨だったということも分からないかもしれないほどだ。
技術の進歩に舌を巻きつつ、それでも今度こういう機会があるならばやはり雨は避けたい。
頼むぜ、赤子。君の父と母はもう諦めているから君だけが頼りだよ……。

私、フィットボクシング2を買う

体重の重さは概ね戻ったが、今度は産後太りが始まっている気がする。
おまけに産前に蓄えた腹回りの脂肪が消える気配がない。
ついでに元々持っている顎関節症が、度重なる抱っこと前屈み姿勢の増加の結果、とうとう両顎に生じる事態となった。
これはまずい。非常にまずい。
ただでさえ咀嚼するとパキパキ音がしているのに、そこに痛みまで生じ始め、その上それが両方に出てきたのだから本当にまずい事態だ。
とは言え、元々インドアで運動嫌い。
苦肉の策で手を出したのが、Nintendo Switchのソフト『フィットボクシング』である。
劇的に痩せることは難しいだろう。けれど肩周りをほぐすことが出来れば、痩せずとも顎関節症の悪化は食い止められないだろうか。
そんな願いを込めて、ちょいちょいサボりを入れつつもここ数日頑張っている。
次回は「痩せました☆」っていう報告が出来たら良いなぁ……(遠い目)

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